国の天然記念物に指定された雁の仲間オオヒシクイが、はるばるカムチャッカ半島から3000キロの旅をして、今年も霞ヶ浦に近い稲波干拓に渡って来ました。
この場所は太平洋側の南限で、関東地方で唯一の雁の越冬地です。
それだけに、2月末頃までの越冬期間中、首都圏から大勢の方が見物に訪れます。
雁の仲間では最も大型で、翼を広げると180cmにもなり、ほぼ白鳥と同じ大きさです。
名前がオオヒシクイとは。
ヒシの実を食べるのでその名が付いた鳥で、ヒシクイと一回り大きい亜種オオヒシクイに2区分しています。
このオオヒシクイを保護するため、2004年に会を発足しました。
昨年までの16年間事務局長として会の運営に当たってきました。
発足した当時は59羽だった越冬数が、昨年は3倍以上の215羽まで増加しています。
これまでのオオヒシクイ保護活動が評価され、昨年2021年のみどりの日に、環境大臣賞を受賞することができました。
受賞を契機に16年続けた事務局長を退き、かねてから後任に説得していた、自然環境に関心が深い地元の小学校校長を退職した方にお願いした。
1年間は、事務局長を引き継いでくれた方と二人三脚で会の運営に当たっています。
雁は一つの文化として万葉の時代から多くの吟に詠まれています。
小説や童話にも登場し、絵に描かれ、ことわざや例えに表現したり、家紋は雁紋が41種あり地名にも多く使われています。
雁は遠い昔から人と関わり、人々の心に特別な思いを抱かせてきた鳥です。
特に飛んでいる姿が人の心を打つ魅力を持った鳥です。
○○八景と称する場所が全国各地に存在し、その数は1000箇所以上あると言われています。
みなさんの身近なところにもあるでしょう。
それぞれの場所名の後に8つの情景が付きます。
暮雪、夜雨、晩鐘、落雁、夕照、秋月、晴嵐、帰帆
有名な近江八景や金沢八景などをご存知でしょう。
8つの景観の素晴らしさを絵で見たことがあると思います。
その8つの景観の中にほとんど落雁が入っています。
近江八景 堅田の落雁
金沢八景 平潟湾の落雁
しかし、全国各地で見ることができた雁は、今では全国で限られた数カ所で見られるだけになってしまいました。
専門家の人たちが研究や調査をし、雁を全国に蘇らせるための活動をしています。
これまでに多くの著名な方々が訪れました。
秋篠宮文仁親王殿下が皇宮警察2人だけを伴って、お忍びの観察に来られたりしたことも。
周知されたのは2日前に数人だけ、一切の口外を禁じられました。
少し長くなってしまいました。
今日行われた近隣小学校のオオヒシクイ観察授業を書くつもりでしたが、それは明日にします。
自作の朝のオオヒシクイ飛来の様子です
自作の手作りホームページです
http://relaxbach.sakura.ne.jp/hisikui/index.html