R.Life

The fishing is life itself !

2022.8.14 夢幻ノ光

2022-08-20 19:50:00 | Mountain

ベースキャンプ4日目

昨日は、まだ明るい時間帯の18時頃には
深い夢の中に落ちていた
深夜2:30のアラームに目を覚ます
二度寝の誘惑と戦うことなく
とても清々しい深夜の目覚め
湯を沸かし食べ慣れたアルファ米をかき込む
今日は御来光を拝みに奥穂高岳へと登った



日の出時刻は5時、涸沢カールを3時に出発して
4時半前に奥穂高岳(3190m)に着いた


暁の空、凛と静かな世界にグラデーションを縁取る峰々の稜線、今日は少し雲が多いですが、この静かな時間がとても好きです


御来光の時


常念岳と朝焼け
ため息がでるほど美しい


低い雲との隙間を一条の光が差し込む
光の先には笠雲をかぶった焼岳と霞沢岳
そして乗鞍岳には虹がかかる
初めて見る光景に鳥肌がたった


神が舞い降りるかのようにゆっくりと後光が差した
実世界から離れて夢でも見ているかのように
夢幻的な朝を迎えた


続いては憧れていたジャンダルムに向かいます


高所や岩場に慣れていればスムーズに行けますが、一歩でも間違えれば死に直結する気の抜けないルートが続く
少しバリエーション風にアレンジして岩場を登り、最後の岩頭は直登して頂きに立った


聳り立つ槍ヶ岳はいつ見てもクールだ


西穂高岳方面に続く荒々しい岩稜も
いつかは歩いてみたい


帰り際のジャンダルムを振り返るとオーイと呼びかけて手を振る三人衆
向かう途中先を譲ってくれた若い男の子達が手を振っていた、彼等とは共に朝日を迎え、共に感動を分かち合えた山仲間だ
お互い手を大きく振りかえし別れを告げた



次は吊尾根を越えて前穂高岳に向かった


ダイナミックな尾根が前穂まで続くが、西側斜面をトラバース気味の歩きで単調な景色が続くため、途中で尾根に乗っかり山頂まで直登した


登山道は無いが申し分ない絶景を楽しめました


標高3090m前穂高岳に到着
これにて名峰4座を無事に踏破しました



上高地側の小高い丘の上に小さな湖が見えます


急峻な岩稜が続く前穂高岳北尾根
次の機会に挑戦したい


5日目最終日は土砂降りの中での下山となってしまい、結果的に台風接近の日が一番良く晴れた山旅となった。


あの日見た朝焼けの空は
きっと忘れられない。


camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO




2022.8.11 岳人の聖地

2022-08-18 21:00:00 | Mountain

奥穂高岳、前穂高岳、北穂高岳、涸沢岳
名峰4座が一堂に見渡せる涸沢カール
荒々しい岩峰と木々の緑と青い空
足元には沢山の高山植物が爽やかな風にゆれる
麓にはカラフルなテントが彩り、まさに楽園

4泊5日の山の旅
涸沢カールをベースキャンプとして
名峰4座に旅をします


のんびり贅沢な山旅の内容は
1日目は上高地から涸沢カールに向けてハイキング
2日目は北穂高岳東稜(通称ゴジラの背)を登り北穂高岳から涸沢岳を縦走
3日目は台風にて悪天予報の為、キャンプ地にて停滞...
4日目は奥穂高岳からジャンダルムに立ち寄り
前穂高岳間をピストン
最終日はのんびりと下山といった山旅
涸沢カールに4泊もする人はそうそう居ないと思いますが、家族に見捨てられた訳では御座いません... 諸事情により夏季休暇は一人山に籠ることにしました。

初日は移動のため割愛して
本格登山は2日目からスタート
山頂まで続く写真右寄りの岩稜帯から、北穂東稜のバリエーションルートを行きます


当日は残念ながら雨に打たれながらの視界の悪い山行となりました


一般道から外れ、ガレ場をトラバースしてルンゼを越え尾根に乗った
ギザギザと尖った尾根筋がゴジラの背中に見えるらしいが視界が悪くよく見えなかった





岩場を進むにつれて雨も強まり靴の中までしっとりとしてきた
ゴジラの背中に取り付き20分程で下降地点に着いた、想像以上に短かった
ガスで高度感を感じる事もできず難所も無く、準備していた補助ロープは使う出番が無かった


下降地点からクライムダウンにて下り
後は楽しそうなルートを選び山頂に向けて登る
ゴジラの背を振り返る


ベースキャンプ地から丁度二時間の道のりで
北穂東稜終着点である北穂高小屋に着いた
雨に濡れる展望テラスのテーブルと長椅子が虚しく寂しかった


標高3106m
誰もいない北穂高岳山頂に到着


北西からの強風が吹き付ける岩稜を行き
涸沢岳へと縦走します


雨は一向に降り止まないが
涸沢岳付近で少しガスが薄くなった
ぼんやり浮かぶジャンダルムが不気味な雰囲気を醸し出す


標高3110m涸沢岳に到着
コルの部分には穂高岳山荘が見えます



冷たい雨と強風で奪われた体温を
ホットココアと石油ストーブで暖をとった


山小屋の安堵感にたっぷりと癒されて
雨が弱まるのを待ちベースキャンプ地へと下り
二日目を終えた


三日目は台風の接近に伴い大荒れの予報
万全な態勢で夜を明かす
風雨で眠れないと思い耳栓とアイマスクを着けて深い眠りから遅い朝を迎えた
テントの中はかなり明るいと言うより眩しい、そして風音もない...快晴だ
スマホの電波は繋がらない為、情報源が途絶え、天候の急変も考えられるため予定通りに停滞する事にした


しかし、雨が降ったのはほんのひと時だけ
風もなく、今日は登山日和の一日でした。

涸沢カールから写した美しく青い空が広がる写真の殆どが台風接近の日に撮影した物です。

大パノラマな絶景が見れて
ラッキーな一日でした。


つづく

camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO



2022.8.6 夏の思い出

2022-08-09 12:40:00 | Mountain

雪渓が残る岩稜と夏の青い空
うだるような暑さの下界と比べて
夏のアルプスはとても爽やかな世界です
朝晩は都市部の真冬並みの寒さにもなります
3000m級の山では真夏でもダウンや防寒は必須です。


友人と登る夏の北アルプス唐松岳
一泊二日のテント泊
夏ならではのハイコントラストな山岳風景の中
多種多様な高山植物を観察したり
雷鳥の親子にも出会ったりして
有意義な山でのひと時を過ごしてきました。
初日は雲の多い空模様となりましたが、時折り雲の切れ間から現れる峻厳な山々が神々しく、翌日は朝陽輝く爽やかな一日の始まりを迎えられた。

それでは短い夏の山岳風景をお届けします

唐松岳頂上山荘

山荘までの上り下りが少々しんどい
本日のキャンプ地
テントからの眺めは立山連峰や剱岳が一望
テン場の周りを雷鳥親子がお散歩をしていました



雨上がりの星空は美しかった


唐松岳山頂から朝日を迎えた
不帰ノ嶮から北に伸びる白馬連峰


雲海に浮かぶ妙高戸隠連山



朝日が神々しく五竜岳を染めた


新しい一日の始まり



山頂から望む
立山連峰と剱岳の峰々


チングルマは花から綿毛に変わる
もう山では秋の気配がします



テン場から見える唐松岳
雪渓の雪解け水で淹れた珈琲は格別でした


可憐な花を咲かせた高山植物の女王「コマクサ」
鮮やかなピンク色が過酷な環境下の砂礫地を華やかに彩る



短い夏の山上の楽園
友と歩いた道は思い出の1ページを彩った。


camera
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
lens
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO







2022.7.31 灼熱クライミング

2022-08-02 18:32:00 | Mountain

ギラつく太陽
燦々と降りそそぐ真夏の日差し
今年の夏は圧倒的に暑い
そんな激暑が続く中クライミングをしてきました
場所は群馬県子持山の獅子岩
標高1296mの子持山の中腹にある獅子岩
大岩塔の高低差は100mの直壁
今日はこの壁を登ります


駐車場からのアプローチは1時間弱
朝の森の清々しい風が...と言いたいとこだが
無風で蒸された低山の森の中はサウナのようで
噴き出す汗が止まりません


急登の谷を登り岩壁の下部に着いた
だくだくの汗を拭い獅子岩を仰ぎ見て思った
「あ゛〜暑そうだ」
南面の壁に容赦無く照りつける日差し
今日も夏が本気を出している


ギアの準備を進めながら小休止
夏が本気であれば、私も本気で登ります
気持ちを引き締めていざクライムオン
毎度の事ながら今回も単独のマルチピッチソロクライミングで楽しみます
通常7ピッチの行程を5ピッチに分けて登攀しました


2ピッチ目辺りから高度感も出てきて緊張します
3ピッチ目はこのルートの核心部
フェイス状の小さな凹みを手掛かりにして
手汗で滑らないようにしっかりホールドをきめて上を目指す



4、5ピッチ目はスラブ状の壁
足のフリクションを信じて丁寧にムーブをきめる
ゾクゾクするほどの高度感で
間違っても堕ちたくはない


ロープにギア類、アプローチシューズにカメラ機材、水と食料諸々で装備総重量は10キロを超えます
今回に至っては水2.5ℓをザックに積めているため背中がやけに重い
ソロクライミングなのでピッチ毎に往復登攀となり体力の消耗が激しく、おまけにこの炎天下ときたら意識すら飛びそうになる


5ピッチ目を越えると一般登山道に出ました
ゴールは目の前です
獅子岩の頭部下、最後の登攀です
ここは簡単そうなのでV字をフリーで登ります


登攀開始から3時間を経て
子持山獅子岩南壁単独にて完登
素晴らしい高さの絶壁


景色も素晴らしく
二つ奥に見えるピークが子持山山頂
夏の青い空に映えます


下界の沼田市が一望できます
本日の沼田市の気温は38度だったそうです
持参した水も底を尽きそうで、多めの水分持参は正解でした
下山途中には無くなりましたが




下山時の一般登山道に
古い道標が一枚岩に彫られていました
いつ頃に掘られた物なんだろう?と歴史を感じます


斜面には鮮やかなタマゴダケが生えていた
見た目は毒キノコの様ですが、実は食べると美味しいキノコらしいです


これまた珍しく白い舞茸のハナビラタケです
これも香り高く美味しいキノコで自然の恵みが顔をだす


無事に下山して、駐車場付近の小さな沢で
少し竿をだすと尺に迫る良型のヤマメが釣れました
下流部ではで枯渇している沢なのですが
上流の流れがある場所にはヤマメが生息していました


終始貸し切りの獅子岩
この暑さじゃ登山者やクライマーも来ないですよね
圧倒的な暑さの下ではもはや根性論は通用しない
そう痛感しました。
帰路の車内で脚が攣りもがき耐える始末
皆様も熱中症にはくれぐれもご注意下さい。

あー涼しい高山が恋しい。


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