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台湾の忘年会「尾牙」

2011年02月02日 22時44分03秒 | 台湾日記

 明日、2月2日は、今年の旧暦大晦日に当たります。ここ一ヶ月ほど、台湾各地では「尾牙(忘年会)」の嵐でした。 
 関係過去記事にもあるように、「尾牙」というのは台湾独特の言い方で、同じ旧正月スタイルの中国大陸などにはない言葉です。
 そして、忘年会に類似する行為は世界中どこでもありますが、台湾式の忘年会はまたちょっと特別。

 上の写真、一見すると各種イベントなどでよくありそうなくじ引きのシーンに見えますが、台湾の人ならきっと、一目見て「尾牙」と分かるはず。
 日本の忘年会と言うと、友達同士などでもよくやりますし、逆に会社でやる場合でもせいぜい部署単位、全社挙げての忘年会、というのはちょっと珍しいですよね?
 ですが、台湾の「尾牙」というのは、基本は「会社や組織が社員・職員の一年間の労をねぎらうイベント」です。友達同士の尾牙、というのはまず聞きませんし、普通は必ず「全社(全組織)挙げて」やるものなんです。

 ちなみに、一番上の写真はRTIの尾牙。汪誕平・総局長(右2)が、台湾の尾牙には絶対に欠かせないイベント「くじ引き」にのぞんでいるところです。


当たった人は大喜び

 そう、日本の忘年会はたいてい、飲んで食べて、場合によっては歌って、という感じですよね。
 ですが、台湾の尾牙のメインは、お酒よりも何よりも「くじ引き」。
 尾牙は宴会スタイルが多いので、くじ引きはあくまで余興ではあるのですが、台湾の庶民にとっては、くじ引きがなければ尾牙にあらず!
 豪華電子機器などから残念賞までずらりと並んだ賞品に加え、絶対に外せないのが「現金(商品券、株券などの場合もあり)」!!
 う~ん、なんとも「ゲンキン」。


現金と記念の絵を当ててニッコリ
右は中央放送局の曠湘霞・董事長
(現金は1千元くらいから1万元くらいまで何本も出る)

 RTIのような公営企業や、公的機関などの尾牙は簡素なスタイルが多く、今年のRTIの尾牙はティーパーティースタイルでした。
 賞金も役員のポケットマネーに頼るところが大きく、数十万元の賞金が出たり芸能人が呼ばれたりといった大手民間企業の尾牙とはずいぶん違うのですが、大切なのは、一年間頑張った仲間たち全員で思い切り年の瀬のイベントを楽しむこと。


「うさぎ年」や「中華民国建国100年」にちなんで思い思いの格好を披露

 くじ引きの合間には、社員たちによる出し物が場を盛り上げます。(出し物の合間にくじ引き、と言うべき!?)


プロ顔負けのサックスフォン演奏


みんなお酒抜きでも大盛り上がり


即席の野球ストライカーゲーム
でもマトに書いてあるのは役員たちの名前、誰も投げたがらない!?
いえ、尾牙は文字通り「無礼講」の日
この日は上役をからかって遊ぶのもお約束のひとつです


会場中を熱狂させたベリーダンス
(う~ん、日本語課も来年は頑張らないと!?)


最後は・・・え~い、持ってけ!!
紅包(お年玉)の雨が降る

 そんなこんなでRTI尾牙は5時間近くも続いたのでした。台湾式の忘年会は長丁場なのです。


 尾牙は、社員や職員をねぎらう大切な一年の締めくくり。こんな人たちももちろん、尾牙をやっています。


与党・国民党の尾牙
主席の馬英九・総統はポケマネで賞金を追加し職員は大喜び
後ろのオレンジの表には当選者の名前などが書き込まれる


野党・民進党も尾牙の宴会を開催
蔡英文・主席もポケマネで賞金を


こちらは大手民間企業の尾牙
まるでコンサート、規模が違う!!


民間企業にとって、尾牙の規模はその年の業績を反映するもの
派手にやれば株価も上がる!
ということで、会長自ら出し物を披露することも


大手企業の尾牙では芸能人も登場する
こちらは歌手のA-Lin

 このように、会社や団体によって色々ですが、台湾中の人たちが一年の終わりに楽しみにしているイベントが尾牙なのです。
 それでは皆さま、よいお年を!!(華)


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