12月22日は冬至です。
台湾で冬至といえば、「湯圓(タンユェン)」、すなわち白玉団子を食べることになっています。
円いお団子は、一家団欒や、円満の象徴で、台湾では「冬至だんごを食べると一歳年を取る」と言われています。
冬至だんごは昔は家族で丸めて作ったそうですが、忙しい現代はなかなか家で手作りする人はいないようです。
スーパーで冷凍食品を買ってきて、家で茹でて食べる、というのが一番お手軽。
冷凍食品もいろんな種類があります。
でも、工場で機械で作ったものより、せっかくなら専門店の手作りのおいしいお団子を食べたいもの。
台湾の人は湯圓が好きなので、おやつとして一年中湯圓を売っているお店が結構あるのです。
こちらは、台湾大学の向かい側にある有名な湯圓の老舗です。
最近までは大通り(羅斯福路)沿いにあったのですが、今は路地の中に移転しています。
お客さんが多い冬至の日は、道の真ん中に机を出して販売中。
普段はお店の中でも食べさせてくれるのですが、この日は忙しすぎるということで、お持ち帰りのみ。
このお店は「酒醸湯圓」が有名です。
「酒醸」というのは、もち米を蒸して酒麹で発酵させた、日本で言う甘酒。
(酒かすを使った「甘酒もどき」ではなく、米から作る「本物の甘酒」です)
この「酒醸」に、茹でた湯圓を入れて食べるのが「酒醸湯圓」です。
湯圓は、白玉粉をこねたもので餡を包んで丸めて作ります。
餡は、胡麻やピーナッツがポピュラー。
ひき肉入りの塩味のもあります。
こちらは店内で食べるときのメニュー。
「酒醸湯圓」のほかにも、小豆、竜眼のスープに入れたものもあります。
こちらは、中正紀念堂そばの南門市場の中にある「上海合興糕糰店」。
これも有名なお店です。
こちらは湯圓以外にも、饅頭やいろいろなお菓子を売っています。
冬至用の湯圓は、なんと11種類。
「五行湯圓」といって、五色の湯圓の組み合わせがよく売れていました。
私も、ここのベジタリアン用五色ゴマ湯圓を買ってみました。
このお店は添加物を使っていないので、色も自然なものでつけています。
赤いのは紅麹、緑は抹茶、黄色っぽいのはかぼちゃです。
中身は全部黒ゴマ餡でしたが、外の皮がいろいろバラエティーに富んでいて、味もそれぞれ違っていました。
ちなみに、スープは、ギンモクセイ入りの蜂蜜を溶かしたものにしてみました。
淡白な味の湯圓に、ギンモクセイの香りがよく合いました。
現代化した生活の中でも、折々にこういう伝統的な食べ物を食べる風習が生きていて、家族が集まる行事になっているのは、台湾の人たちが伝統と人間関係を大切にしていることに繋がっているような気がします。(尾)
※12月23日(水)の「台湾ミニ百科」では、冬至の風習をご紹介しています。
番組を聴くには、12月23日の夜以降に、上のバナーから、12月23日→「台湾ミニ百科」をクリックしてください。
でも、華僑の人の自家用として、冷凍の湯圓なんかはもしかしたら売っているかもしれません。
台湾では、冬至の他にも、旧暦1月15日の元宵節(小正月)にもお団子をたべます。
湯圓は、中に餡が入っていることが多いので(餡が入っていない「小湯圓」というのもありますけど)、何もつけないで食べてもいいですし、スープに入れて食べるのが基本で、日本みたいにあんこ(煮詰めた小豆)をかけるということはないみたいです。
でも、小豆のスープ「紅豆湯」にお団子を入れる、つまりお汁粉みたいなのはあります。
お店の手作り団子お持ち帰りの場合のお値段は、店によって違いますが、一個6元から10元(日本円で約17円から28円)ぐらいなので、一人分5個とすれば、85円から140円ぐらいということでしょうか。
お店でイートインの場合、上の写真のお店で「芝麻湯圓加紅豆湯(黒ゴマ餡入り団子のお汁粉)」は80元なので(桂圓湯(竜眼のスープ)に変えても同じ値段)、230円ぐらいです。
今度食してみたい。
「あんこ」をかけたものはないのでしょうか?
「五色だんご」も美味しそう。
古来、我々アジア農業民族は四季折々に農作物や色々なだんご、餅などで豊作を祝って来たんですねぇ。
一人前、幾らでしょうか?
このだんご、日本の中華街では余り見かけませんでしたが、マダマダポピュラーにはなっていないのでしょうかね。
突然ですが、暖かい肉まんを食べたくなりました。
では