goo blog サービス終了のお知らせ 

☆☆☆  I LOOK UP  ☆☆☆       

~病に負けないで頑張っておられる方々、私の雑記帳を見てやって下さい~

【上を向いて - I LOOK UP】

私の大腸癌考察(9)

2012年08月24日 | 自分記事

      

私の大腸癌考察(9)

ビリルビンは、黄疸というように全身に黄色味を帯びさせるもので最初に白目に現れやすいようです。

何故、私にはXELOX+分子標的薬「アバスチン」での化学療法が数度に及ぶ入退院を繰り返すほど、効果が出なく悪化してしまうのか、定かでは有りませんが経口薬「ゼローダ300」の強烈な副作用、及び分子標的薬「アバスチン」の効果が無かったことが考えられます。また、大腸癌の再発場所が胆管内に出来ており、胆汁が肝臓に逆流し発熱、黄疸症状が出ていたのです。書き忘れていましたが黄疸で入院していた時に、口から入れるカメラ付き交換装置でERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)及び、胆管にチューブ2本を入れる「胆管チューブステント留置術」を行なっておりました(午前・午後の施術時間に合わせて半日絶飲食付きです)。

先に書いた抗癌剤治療が上手く行かず、ステント外れ、破れ等が起きる事で高熱が出ます。診察を受けると必ず抗生剤で、肝臓に逆流した胆汁の感染症を予防し、熱が下がった時点でステント交換を行う治療の繰り返しでした。酷い時には月初めに退院、月末に再度入院してステント交換を受ける事も有りました。通常のXELOX治療は3週間で1クールとして計算するのですが、「胆管チューブステント留置術」を行う場合は治療中止です。したがって、半年弱の間に4クール未満しか抗癌剤治療を受けていません。しかし、何回目かのステント交換で癌が胆管外に拡がっていたのを偶然見付けたのです。医師も癌とは思わず胆汁系の液体が漏れていると考え洗浄したのです。結果的には拡散しましたが腫瘍を取り病理検査に回してくれたおかげで、幸運にも早期に癌の進行が起きていることが判明したのです。

この結果で、主治医は現在行なっている抗癌剤治療は効き目無しと判断し(特にアバスチン)、中止に成りました。遂に対症療法に移る前の放射線治療が開始されたのです。

此処までにXELOX療法で使用した注射薬/薬品類は、オキサリプラチン(エルプラッド)注・ゼローダ錠・アバスチン注・ピドキサール錠(口内炎、湿疹、末梢神経炎改善)・ウルソ錠(肝臓、胆道疾患改善)・疼痛解熱点滴注・抗生剤点滴注・カロナール錠(下熱、鎮痛改善)・ボルタレンサポ坐薬(疼痛、発熱改善)・クラビット錠(殺菌、感染症改善)・シプロキサン錠(殺菌、感染症改善)・レベニン散(整腸剤)・セブンイーP錠(消化剤)・ヒルドイドローション(鎮痛、保湿、手足症候群改善/ステロイド系)などです。

手足症候群とは、手や足の赤みや腫れなどが主な症状ですが進行すると痛みを伴うように成り、皮膚にひび割れ、ただれや傷が生じたり、爪が割れたりします。

XELOX療法については、中外製薬株式会社のゼローダハンドブックを参考にして下さい。

http://chugai-pharm.jp/patient/safetyInformation/xel/colonC/hnd/pdf/xel_colonC_handbook.pdf

 


私の大腸癌考察(8)

2012年07月26日 | 自分記事

 私の大腸癌考察(8)                   

 前回の手術以降は体力回復のため、抗癌剤治療などの治療は一切行わず、次回の診察日を予約し気休め程度に整腸剤を飲むくらいでした。

H23年7月下旬に午後ぐらいから、徐々に熱が上がり始め8時頃には38度を超え始めました。以前から主治医から38度を超えたら、病院に連絡するように言われていたので電話しました。状態の説明を行うと、直ぐに救急外来に来るように指示されたので、タクシーを呼び直行しました。

余談ですが、不思議だと思うことは、何故か休日の日の夕方に体調が崩れる事が多いのです(これ以降も何度も有りました)。実際、本格的な治療が行えないので熱を下げるための治療を行い、薬を処方してもらい、一旦家へ戻り、月曜日に入院する事になりました。

入院して判明した事は、血液中のビリルビンが異常値を示し肝機能障害や胆管障害などがあると判断され、病名は「黄疸」でした。通常の基準値は、総ビリルビン…0.2~1.2mg/dl、直接ビリルビン…0.4mg/dl以下、間接ビリルビン…0.8mg/dl以下なのです。私の場合のビリルビン数値はどの値か分かりませんが8.0g/dl以上でした(多分直接ビリルビン値)。治療をしてもなかなか値が下がらず、結果的に約3週間の入院となりましたが大病ではなくホッとした思いでした。入院中にCTスキャン検査、レントゲン検査、血液検査などの検査も当然行いました。

何とかビリルビン値も2.0g/dl以下になったので退院する事になり、次回の診察日の説明と経口薬抗生剤等の薬を処方され今回はこれで終わりだなと思っていたのですが、根本的な癌治療は全く行なっていなかったのです。

ついに診察日が来たのです、平成23年8月15日が。主治医が難しい顔で検査の結果を話しながら、一枚の説明書を貰いましたが書かれていた内容は、あなたの病状・検査・処置は「大腸癌再発」です。一瞬、頭の中が真っ白になりましたが、数分で我を取り戻し自分でも驚くのですが、この後どんな治療をしますかと私が主治医に聞いていたのです。カンプト注を使用した治療「IRIS」は敗血症の危険性があるので駄目、似たような治療方法「FORFIRI」も危険度は半減するがやはり駄目、残った治療方法は以前からある世界標準治療「FOLFOX」、比較的新しい治療「XELOX」のいずれかを選ぶことになりました。

最初は「FOLFOX」+分子標的薬「アバスチン」で行おうと考えていたのですが、日本の保険適応診療の「FOLFOX」は(mFOLFOX6)であり、アメリカでは(mFOLFOX7)が主流です。我が国は何でも遅く、今回の消費税増税も医療費(消費税対象)の負担増になるのに減免または免除、補助するという話も審議もしていない、このままでは、医療費にまで消費税をかけ貧乏人は治療するなと考えているのか「党」と名のつく?議員さん、または時間が立てば忘れると思っているのか政局運営しか考えていない「党」と名のつく?議員さん、居ない方がましです。あれ、申し訳ありません、大脱線してしまいました。

実際日本ではmFOLFOX6でしか保険適用されていませんが、mFOLFOX7も、話は聞きませんが適用になったのかな?。この様な理由でFOLFOXの治療を止め、XELOX+分子標的薬「アバスチン」で化学療法を行うことに決めました。

しかし、この治療方法で何度も苦しめられるとは考えてもいませんでした。

 


大腸癌おける分子標的薬治療について~つづき

2012年07月08日 | 自分記事

 大腸癌おける分子標的薬治療について~つづき      

  私見ですが、少し気になる抗癌剤の話をします。「NHKスペシャル日本のがん医療を問う」という番組を見ていて驚きました。日本では新薬臨床試験の補助金制度が、なかなか許可されないのです。少しでも効果の有りそうな見込み案件にも補助金が出る欧米とは大きな違いです。したがって、臨床試験は海外で行うという驚いた事実です(半端な金額では無い)。何故、この様な事態が起きるのか、臨床試験には大きな費用が掛かる事と、日本の縦割り行政の弊害なのです。お金は経済産業省および文部科学省、薬の認可は厚生労働省に成りますが、補助金申請をしても認められるのはハッキリとした効果が有ると思われるものだけです。すなわち、日本では効果が不明確な臨床試験は困難で研究者が自腹を切る覚悟が無ければ出来ないということです。

医学関係者では「死の谷間」と呼んでおり、学者が欧米へ研究拠点を移す事の理由でもあります。

そういえば最近のノーベル賞物理・化学部門など日本人が受賞したと喜んでも研究拠点はアメリカなどです。私も前から不思議に思っていたのが、同じ抗癌剤に一般名と商品名が存在することです。例えば、オキサリプラチンは名古屋市立大学薬学部喜谷研究室で基礎的な研究開発が行われ(喜谷喜徳名誉教授らによる研究者グループ)、オキサリプラチンと命名されました。臨床試験はフランスで行われ、商品名「エルプラット」、一般名「オキサリプラチン」、略語「L-OHP」と成るのです。自国で開発したものが最初に使用することが出来ず、数年後に厚生省(当時)が海外で認可された薬剤を再度認可し使用出来る不思議な我が国です。現在の厚生労働省も同じで名前が変わっただけです。使用出来るまで時間が掛かるのは当然です。また、医師が薬の説明をする時も、商品名・一般名・略語をごちゃ混ぜに使用しています。例えば、前の記事で説明したFOLFOX (フォルフォックス)→オキサリプラチン注と5-FU持続注の併用療法+ロイコボリン注は、オキサリプラチン(一般名:オキサリプラチン、商品名:エルプラット、略語L-OHP)、5-FU(一般名:フルオロウラシル、商品名及び略語:5-FU)、ロイコボリン(一般名:ホリナートカルシウム、商品名:ロイコボリン、略語:LV)となります。補足説明しますが「注」と表記しているのは約30分~2時間位で終える点滴注射を主に病院で行い、「持続注」とは医療機器を体に取り付け約48時間位かけて一般生活の中で持続的に注射することです。通常FOLFOXは1クール2週間です(他の方式もあります)。

厚労省は確固たる信念で「縦割り行政」「死の谷間」を改善すると言うが信用できますか?。担当大臣なんて・・・、官僚主導なのに打破できのでしょうか。

実際、科学者・研究者が未だに海外に研究拠点を移すことが珍しくないのです。

http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/600/115015.html

↑ NHK科学文化部(かぶん)のブログです ↑

大きく横道に反れましたが本題に戻ります。

そもそも分子標的薬を使用するのは、他の抗癌剤治療が効かなくなった進行・再発の結腸・直腸がんの人に行われます。私の場合は、IRIS、XEROX療法が効かず、大腸がんの再発もあり分子標的薬治療を行うことに成ったのですが・・・。

KRAS遺伝子とは、細胞に増殖を促す命令を伝えるKRAS(ケーラス)というたんぱく質を、コントロールする遺伝子です。EGFR抗体にはヒト型と野生型が有りますが問題に成るのは薬の効果が期待される野生型の人です。大方の人に効くヒト型EGFR抗体の分子標的薬アバスチンは、副作用ばかりで何の効果も得られなかったと主治医は判断していましたが辛かったのは私ですし、それにアバスチンは効き目が薄いと最近は考えられているのです(効果が無い場合が多い)、おかげで何度入退院した事か。増殖を促す命令は、EGF(上皮成長因子)と結合したEGFR(上皮成長因子受容体)から発せられますが変異すると、その両者が結合しなくても、細胞に増殖の命令を伝えてしまいます。膵臓がんや肺がん、大腸がんの細胞で変異が起きることがあり、その場合はがん細胞の増殖を速め、がんを進行させることになります。すなわち、寿命が短くなる危険性が高確率で発生します。KRAS遺伝子変異の人はアービタックスやベクティビックスは通常は使用しません。バイオマーカー検査で私は3人中2人しかいない癌細胞に存在するEGFRが陽性でした、でもKRAS遺伝子変異が起きており薬を使わないのが基本です。分子標的薬はEGFRを狙って働く抗癌剤です、例えは悪いですが目標を外さないピンポイントミサイルの様なものです。しかし、最後の対症療法(緩和ケア)しかない私には生命の危険があったとしても、納得して人生を終わりたかったのです。主治医に頼み込んでアービタックスの単独治療を行なったところ、何とCTスキャンで再発がんの陰影が消え、腫瘍マーカーも下がりました。ただし、この薬剤の特徴でもある効果のある人ほど皮膚症状(発疹、皮膚乾燥、皮膚ひび割れ)が強く出ます。また、アレルギー反応、間質性肺疾患(咳が出る、熱がある、息切れする、倦怠感)が少しでも感じたら医師など医療スタッフに、直ぐに相談して下さい。その他の副作用としては患者にもよりますが、電解質の異常、心臓の機能低下、下痢、目の異常(角膜炎など)が現れたら主治医に相談して下さい。

 

 分子標的薬での治療を受けられない患者

1.EGFRが陰性の患者

2.分子標的薬に含まれる成分に対して、アレルギー反応などを起こしたことのある患者

3.全身状態が悪い患者(日常生活に支障をきたす人)

4.妊婦もしくは妊娠している可能性のある患者

5.担当医が不適切と判断した患者(他の薬による治療を受けている人など)

 

基本医療用語

1.レジメン=>用量や用法、治療期間を明記した治療計画のこと。

2.バイタル=>ウィキペディアによると、医学用語で「生きている証」を意味し、人体の現在の状態を示す様々な数値情報で表す。その主対象となるのは、脳神経機能、循環機能、呼吸機能である。一般的には、脈拍あるいは心拍数・呼吸(数)・血圧・体温の4つを指すことが多い。また、救急医学などでは意識レベルなどもバイタルサインとして重要視している。視神経のチェックとして瞳孔の反射を診ることも行われる。さらに、尿量をバイタルサインに含める論者もいる。日本の医療従事者の間では、バイタルサインのことをバイタルと略して呼ぶことがある。

 

 分子標的薬の商品名=>一般名、略号

1.アバスチン(商品名)=>ベバシズマブ{遺伝子組換え}(一般名)、BV(略号)

2.アービタックス(商品名)=>セツキシマブ(一般名)、略号無し

3.ベクティビックス(商品名)=>パニツムマブ(遺伝子組換え)(一般名)、略号無し

 

主な抗癌剤治療方法の使用する薬剤表記を記しておきます。左から一般名、商品名、略号です。

1.FOLFOX-------オキサリプラチン、エルプラット、L-OHP 点滴注射

         フルオロウラシル、5-FU5-FU 持続的注射

         ホリナートカルシウム、ロイコボリン、LV 点滴注射または経口薬

2.FOLFIRI------イリノテカン、カンプト、CPT-11 点滴注射

        イリノテカン、トポテシン、CPT-11 点滴注射

        フルオロウラシル、5-FU5-FU 持続的注射

        ホリナートカルシウム、ロイコボリン、LV 点滴注射または経口薬

3.XEROX--------オキサリプラチン、エルプラット、L-OHP 点滴注射

        カペシタビン、ゼローダ、無し 経口薬

4. IRIS--------イリノテカン、カンプト、CPT-11 点滴注射

        テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、ティーエスワン、TS-1 経口薬

 

私が実際行った抗癌剤治療は、手足の痺れなどが少ない「IRIS」、FOLFOXより新しい治療「XEROX」+「アバスチン」療法です。現在は「アービタックス」の単独治療を行なっています。 

*注意*記事は医師に相談しやすい様にと思い書き込みました。参考程度にしてください。


大腸癌おける分子標的薬治療について

2012年06月24日 | 自分記事

                                          

現在、放射線治療を終えて、アービタックスによる単独使用の治療を行なっています。腫瘍マーカーもCEA基準値5.0ng/ml以下になり、劇的な改善が見られます。放射線治療前の値は18.2ng/ml、治療後は5.8ng/ml、途中経過ですがアービタックス治療で4.2ng/ml迄下がり、再発大腸癌の陰影もCTスキャンで確認したところ無くなっていたのです。でも、この治療は私自身が命を縮める危険な賭けに出た結果なのです。実は私も該当するのですが、通常はKRAS遺伝子異常の人が分子標的薬を使用することは癌細胞の増殖を速め、癌を進行させることになる危険が有ると言われています。KRASに対してEGFR から発せられる大腸がん細胞に増殖の命令を伝えてしまう事が主な原因と考えられています。

通常の大腸癌に対して使用される分子標的薬は、アバスチン、アービタックス、ベクティビックス等です。使用するには、FOLFOX(FOLFOX4またはmFOLFOX6)、FOLFIRI、XELOX等と併用する場合と、単独使用で治療する場合があります。

これだけでは、一般の方は何を意味しているのか判断しかねると思いますので簡略に説明しますが、あくまで自身が受けた治療、医師の説明、看護師の説明、ネット上で検索した情報、文献情報等から私が解釈したものです。たしかな情報は医師などに確認して下さい。癌治療関係は日進月歩の最先端医療なのです(私見です)。

1:大腸とは、下から肛門管・直腸・S字結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸・虫垂になり、大腸癌を発症した場所名で直腸癌、S字結腸癌、上行結腸癌などと呼ばれることもあります。

2:検査と診断は、直腸指診・注腸造影検査(バリウムX線写真)・大腸内視鏡検査・血液検査(腫瘍マーカー)・エコー検査(超音波)・造影剤を使用したCT(X線)検査/MRI(磁気)検査が行われます。PET検査もありますが特別な場合に限られるので通常は行いません。

3:ステージ(0期・1期・2期・3期・4期)と治療は密接に関係しているので、私の癌治療についての話になります(ステージ4期b・上行結腸癌)。

4:手術は腹腔鏡手術または開腹手術を行い、術後の病理検査/診断による検討が行われ、抗癌剤治療、放射線治療等の方向性が決められます。

5:最終段階になると対症療法・緩和ケアとなります。私も余り触れたく有りません。

 

Ⅰ:化学療法による治療(抗がん剤治療)

1: FOLFOX (フォルフォックス)→オキサリプラチン注と5-FU持続注の併用療法+ロイコボリン注 

2: FOLFIRI (フォルフィリ)→カンプト注またはトポシテン注と5-FU持続注の併用療法+ロイコボリン注 

3:XEROX(ゼロックス)→オキサリプラチン注+ゼローダ経口薬 

4:IRIS(アイリス)→カンプト注+TS-1経口薬

以上が通常の化学療法です。さらに効果を高めるため、これらの治療に分子標的薬を使用するのですがアバスチンは全てに置いて使用可能だと思いますが、

アービタックス及びベクティビックスは癌の組成検査を行い、おおよそ3人中1人が不適格に成ります。EGFR、KRAS遺伝子を説明しなければなりませんが

次回に書き込みます。

 


私の大腸癌考察(7)

2012年06月03日 | 自分記事

 

私の大腸癌考察(7)                     

外科病棟に戻ったのはお昼すぎで、点滴スタンドに生食と栄養補給のパックをセットし点滴を始め、麻酔たまごもセットしました(水分は300ml飲水可?)。胆汁漏パック、尿パックは無かったと思いますが記憶が曖昧です。家族と話をしていて時間を見たらあっという間に、午後3時頃になっていました。

その時です、突然現れたのがT理学療法士(トレーナー)でした。優しそうに笑いながら大丈夫ですかと聞くので、何とか大丈夫ですと答えました。トレーナーは起き上がれますかと言うので「はい」と返事をし、ベッドで寝ていた体を起こしベッドに座る格好になりました。するとトレーナーは支えていますからベッドから立ってみてください、再び「はい」と返事をし、よろけながらも立ち上がりました。すると大丈夫ですね行きましょうか?「え!」と私は言いながら横を見たら車椅子が用意されていました。リハビリを始めるのですか、ええ、そうですよ。この時思い出しました同意書にサインしていたことを、でも始める時期は状態を見て適時判断するになっていた筈です。ICUから通常病棟へ移った日に開始するとは思いもよらず、7階から1階のリハビリテーション室へ連れられて行きました。

最初のリハビリは歩行練習用機器の棒に捕まりトレーナーが支えながら20メートル位歩くのを1セットとして、休憩をはさみながら合計3セット行いました。車椅子で病室に戻りトレーナーが明日も頑張りましょうと言って帰って行くのを見て「鬼」と、この時は思ったのですが、このトレーニングを直ぐに取り組んだことで早期退院する事が出来る体力が付いたのです。リハビリも段々と厳しくなり、メニューも増えていき負荷をかけての自転車こぎ等があり、終えて病室に戻るとしばらくは動けなかった記憶があります、本当に辛かった。リハビリは週に5日ペースで行いました。ある時、足の筋力アップを図るためにトレーナーが右足に全体重をかけて蹴り上げて下さいと言われたので思い切り行ったらトレーナーが吹っ飛び捻挫してしまいました。それ以降、二度と行われませんでした。私も、点滴スタンドを引きながら病棟の廊下を毎日20周歩いていたのです。リハビリ中も廊下での歩行訓練も点滴しながら体力の回復に努めていたのです。 

後は通常の治療、特に腎臓機能・肺機能・肝機能に異変が起きないことを考えていました。

数日たってから、血液浄化センターで人工透析を生まれて初めて経験しました。ベッド数は40床ぐらいで、午前と午後の部に分かれていて私は午前8時45分からですが、この時間に合わせて行かないと小言を言われていました。私みたいに突発的な患者は準備に除水率の確認などを含め15分程度かかり、定期的に透析する外来の人に比べると倍以上の準備時間が必要でした。外来、入院の人で全てのベッドが埋まっているのですから仕方が有りません。時間を多少ずらしながら順番をやりくりしても看護師の手が足りないのです。1回に掛かる時間は準備を含め約4時間で週3回(火、木、土)の透析をすることになりました。除水率とは、腎不全のために体内の水分、毒素が尿として外に排出されませんから、体内の水分量を1リットル排出するのか2リットル排出するのかを決める数値です。その橋渡しを行なっているのが血液ですから血液を浄化することによって血液が正常の濃度になり毒素も無くなるのです(体重も減ります)。しかし、透析がこんなに辛く、時間のかかる治療とは夢にも思いませんでした(終わる15分前には時計の針が止まっているように感じた)。重要なことを書き忘れましたが点滴も透析も全て中心静脈カテーテルから行われたのです。

色々有りましたが、順調に回復し、肺にも水が溜まらず、腎臓も正常に戻り、肝臓も、この時は問題ありませんでした。入院から退院するまでの期間は約6週間、退院する日に着て来た服に着替えると何とズボンがずり下がりベルトの位置を最小にしてもお尻まで下がってしまいました。何と体重が9Kgも減っていたのです。

 ・中心静脈カテーテル穿刺(せんし)時の合併症

頻度はまれながら、以下の合併症が生ずる可能性があります

1.気胸(肺を穿刺した結果、胸腔内(きょうくうない)に空気が漏れた状態

2.動脈穿刺に伴う皮下血腫、縦隔膜(じゅうかくまく)血腫、胸腔内出血

3.カテーテルから血管内に空気を吸い込んでしまうことによる空気塞栓(そくせん) 

・長期合併症

1.留置したカテーテルへの細菌感染により菌血症を生ずる場合があります。この場合カテーテルを抜いて再度挿入することがあります。

忘れていましたが、今回の入院で最初に右胸から中心静脈カテーテル留置を行なっており、長期合併症を防ぐために、ICUで首から再挿入したのです。 

最初の大腸癌手術から、もうすぐ2年立ちますが回復の見込みがある最後の抗がん剤治療を現在も行なっています。平成23年8月15日に大腸癌再発と診断されるとは思いもかけないことでした。