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挑む大分国体 注目の岡山勢(2) 新体操少年男子 (山陽新聞)

2008年10月03日 | 国体
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/hs_sports/other/news/2008/09/23/20080923114546.html

挑む大分国体 注目の岡山勢(2) 新体操少年男子
最後に「井原」の名刻め

“最後の国体”に向け、練習に励む新体操少年男子の選手たち=井原高
 「ごまかし選手権じゃないんだぞ。一つ一つの動きをはっきり」。井原市の井原高体育館に、新体操少年男子を率いる長田京大監督の声が響く。額がしっかり床についているか、指先までピンと伸びているか―。指揮官の鋭いまなざしに呼応するように、何度も繰り返し演技を仕上げる選手たち。その姿から、今回を最後に「休止」となる国体への並々ならぬ意気込みが伝わってくる。

 岡山少年男子は2005年岡山国体で初優勝し、翌年の兵庫大会でも準優勝。井原市挙げての強化が実り、全国でもトップレベルを誇ってきたが、その中心を担ってきた精研高は今春、井原高に統合され、部員はわずか4人。全国高校総体(インターハイ)を連覇した強豪も、6人で演技する団体のメンバーが組めず、今年のインターハイは出場を断念せざるをえなかった。

 「他のチームの団体演技を見て悔しかった」とインターハイ個人で出場した主将の藤岡顕太(3年)。昨年の国体も1人少ないまま出場。個人で2位につけながら、規定の人数に足らないため団体で減点され、総合は10位に終わった。「人数さえそろっていれば…」。それだけに今年の国体に懸ける思いは強い。

 “チーム井原”に加わったのは、関西高体操部員の池上朋宏(2年)。人数不足解消のために“レンタル”の打診を受けた。不安や迷いはあったが「自分が頑張ることで、みんなが国体に出場できるのなら」と未知の世界に飛び込んだ。練習開始は6月ながら監督やメンバーの助言を吸収し、8月下旬の国体予選ではノーミスと立派な戦力に成長した。

 頂点を極めた05年国体チームに比べ「個々の技術の差はあるが、総合力の差はない」と長田監督。今回の団体は5人で行う特別ルール。「審判が演技を見えやすく、細かな部分まで大事になる」と、倒立など基本的な動きの質向上を重視し、洗練させていく過程に妥協はない。休憩時間も話題の中心は演技のことで、時には冗談も飛び交う。コンビネーションが命の団体だけに、チームワークの良さは最大の武器だ。

 体育館には今も「精研」の部旗が大切に飾られている。「学校の名は変わったが、精研の伝統を崩したくない」と房野巧(3年)。宮崎や青森など強豪県がライバルだが、藤岡は「全国に井原の良さを見せつけたい」ときっぱり。最後の国体で「新体操のまち・井原」の名を刻むつもりだ。

(2008年9月23日掲載)