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工場・研究所・美術館設計の「老有自」があなたの会社の完全サポート!

長年の工場や研究所、美術館、そして数々の邸宅に至る建築設計のノウハウを公開し、あなたのお役に立つ情報を発信いたします。

力の抜けた良い仕事

2011-01-26 10:36:01 | 仕事
皆様、新年明けましておめでとうございます。
景気がなかなか上向かず、厳しい状態がまだまだ続く様ですが、本年も宜しくお願い致します。
中野区南台の新事務所へ移転後の初正月ですが、コンパクトに納まった事務所は居心地も良く、
圧倒的に経費節減が実現し、とても気が楽に成りました。
しかし、通勤が無くなった分、運動量が減り、身体がなまらない工夫が今一つ・・・。
そして何より、本年も安定した仕事の確保が命題であることは言うまでも有りません。

さて、現在取り掛っている宇都宮の仕事に「倉庫兼事務所」の建物があります。
仕事仲間からの紹介で来たデザイン監修のみという約束の仕事ですが、
設計報酬とは関係なく、実際には設計監理全体を見ざるを得ません。

このオフィス部分のテーマは、その企業イメージから「自然」をテーマにしています。
室内まで入り込んだ薄いグリーンの市松模様の外壁タイル、
明るいメープル無垢材のフローリングと珪藻土クロス、
トップライトの光に満ちた階段吹抜け、ガラスを多用した全体構成、
テーマを盛り上げる照明計画、家具・版画の選択など、
今まで、頭の中には浮んでも、なかなか実現出来なかったイメージが、
素直に空間化されていて、自分的には「大変好きな」建物と成りそうです。

建築主さんの穏やかな人柄も合わせ、2月上旬には竣工してしまうので、
大変寂しい思いをしそうです。
この様な仕事には、なかなか出合えないもの。
今年もまたこの様な、規模には関係なく、力の抜けた、
質の高い仕事に出合えると良いのですが・・・




明日はもう12月・・・

2010-11-30 13:18:22 | 仕事
先週金曜に行った「親知らず」の大手術(2時間)で右頬が膨らみ,唇半分がかさぶた状になっています。
さて、明日からは12月・・・今年も実にいろいろとありました。
私にとって最も大きな出来事は・・・
・・・家賃の高い「京橋」を引き払い、89歳の母親が一人で住んでいた中野の実家に事務所を移転し、同居を始めたこと。
・・・今までの私の建築観をまとめた・・・<美の深み>-ネガティブなるもののすすめ-建築へ・・・を書いたこと。
・・・妻のお陰で週末住宅を購入し、生活パターンが一挙に豊かになったこと・・・などでしょうか。
 時間は益々早く進み、世相は厳しくなる一方、益々進化する多くの事柄を著わす書籍はいもづる式に山積み・・・
何か新規の身体を動かす事も始めなければなりません。
 来年も、仕事を含め、どの様に有効な日々を積み上げていくか・・・
残りの人生・・・自分にとって何が最も後悔しない大切な事柄か・・・などなど
この際じっくり考えてみましょう。




ガイヤの思想

2010-10-26 13:04:28 | 仕事
「ガイヤ」とはギリシャ神話の大地の女神の名前で、ジオグラフィー(地理学)などの語源とも成っており、「ガイヤの思想」とは、「地球」をひとつの意思を持った生命体と認め、付き合って行こうとする考え方です。

皆さんも、月の地表から昇る、息をのむほど青く美しい「地球」の姿をフィルムで見たことがあるでしょう。
それを長いこと見つめていれば、白い雲の大きな流れが渦巻いていて、陸地の塊が見え掛けれするのが見えることでしょう。
更に長い長い時間を短縮して見る事が出来れば、大地が地下の火によって吹き上げられ、地核に乗って移動しているところや、何度も氷河によって覆われたり、森林が衰退し砂漠化していく様も確認する事も出来るでしょう。

太陽を中心とする惑星達の「自転」「公転」という一定の移動メカニズム。
その太陽系も銀河系というシステムの中のほんの一角にある存在。
更に無数に広がる他の銀河たち。
驚くほど上手く出来ているこの全体システムにある偉大な「知性」や「意思」が存在しないわけは有りません。

地表に生息する我々生物も大きな生命体システムのほんの一部であり、地表の「宗教」や「科学」の枠を超えたこれらの「超現実」に、あらためて感激しないわけには行きません。

これらの事柄を認識出来るこの時代に生まれ合わせた幸運に感謝しながら、この「ガイヤの思想」と照らし合わせながら、何も特別なことをしなくても、縁あって今の自分を取り巻く日常作務に真剣に取り組むことこそが最も大切なことかも知れません。


八つの光

2010-07-29 07:25:15 | 仕事
先回の言霊(ことだま)の続きになるのでしょうか。
建築設計をするにしても、何を仕事とするにしても、人として進化するには次の八つの言葉をキーワ-ドにすると良いそうです。

「愛」「調和」「進化」「勇気」 そして「純正」「希望」「創造」「信念」。

さて、今の自分の生き方を振り返り、上の言葉がバランス良くちりばめられているでしょうか。いずれかに偏ってはいないでしょうか。
私も、よくよく考え、修正する小さな努力から始めてみたいと思います。

暗中模索・・・設計コストの削減?

2010-04-28 12:48:48 | 仕事
今回のこの不景気が建設業界に与えている影響には深刻なものがあります。

 当方が現在関与しているプロジェクトの殆ど全てに於いて、やはり「コストダウン」に関わる問題が浮上し、「良いものであれば、多少コストが高くてもご理解頂ける」といった価値観も、残念ながら説得力を持つことが非常に困難になりつつあります。

 それは工事を行う建設会社だけではなく、設計業界にも波及され始めた様なのです。
今後、どの様にこの問題に対応して行くのか、組織の在り方から設計の進め方に至るまで、この事態を深刻に受け止めなければなりません。

 例えば、一部のゼネコンや設計事務所がやっているように人件費の安い東南アジアなどの外国に外注するといったことが、本当に良いことなのでしょうか。オーナーさんの直接のニーズや実際の現場状況を知らない者達に「設計図」を任せたり、打合せ時間や製作図面を少なくしたりすることが本当に良いことなのでしょうか。
設計者自身の時間をかけた「作図行為」の中から初めてより良いアイディアが生まれてくるものなのですから。

 逆に言えば「安くすれば仕事が取れる」とも言えるのですが、そのために犠牲にする事柄
を考えれば、とても許容出来そうにありません。綺麗事を言っているのではないのです。そもそも「良心」という心の状態が希薄になってしまえば、他人様に奉仕し報酬を得る「設計行為」そのものの本質が失われてしまうに等しいのです・・・“よき時代は終わったのさ”・・・では済まされることでは無いのです。

 ・・・暗中模索の中で・・・ 

バリューとワース

2010-03-25 10:54:42 | 仕事
著名な経営コンサルタントのお話です。
 「安さ」を全面的に押出す戦略を“バリュ-”と呼ぶそうです。
「少しでも良いものをなるべく安く買う事に意義がある」という消費者の価値観・ニーズに答えて、ユニクロは、自社で売るすべての商品を人件費の安い中国などで大量生産し、薄利を克服し過去最高の営業利益を挙げました。この“バリュー”戦略は今や日本の流通業のコア経営戦略となっているようです。
 これとは異なり、次世代の価値観になると予想されているものが“ワース”という概念だそうです。これは消費者が商品やサービスに対して「どうしても譲れない」と、こだわる条件のことで、自分を取り巻く周囲を見回すと「空白のマーケット」が随所に見つかる事があり、この空白を埋めるための方法論もあるようです。
 さて、建築設計「老有自」も正にこの概念をターゲットとして活動を続けて参りましたが、建築は一度に掛るコストが多額であり、契約してから建物を創り始めるという宿命もあり、この世界で“ワース”と認知して貰うまでには相当に長い道のりが必要です。
 何とか進化を遂げてこの世界に足を踏み入れたいものですが・・・
 

日本の若い人

2010-02-12 09:10:29 | 仕事
日本に於いてこれから終わるのは、グローバル化、アメリカ崇拝、政府依存、大学信仰、個人主義、大企業崇拝、上場主義・・・というのは、私が大好きな日下公人さん。

 途中は省略するが、世界の国は大体3階建てか4階建てで、古代・中世・近代・現代が積みあがっており、殆どの国は欠落だらけで全部そろっているのは日本だけで、ポストモダンというさらに先まで見るセンスまで備わっているそうな。

 中世を否定してきたアメリカは価値観が一辺倒になってモラル低下と拝金主義で暴走し、近代のない中国は、露骨な拝金主義の中世の商人を復活させたが、同じ中国人への奴隷制度の上に現代化を急いでいる・・・EUの方がまだしも立派だが、中世ヨーロッパがまだ生きているからほどほどにやっている。これから産業革命以来の250年に入ろうとしているのが、中国、インド、ブラジル、インドネシアなどなのだそうだ。

 日本はどうやって生きていくか。それは昔から備わっている「高品質のもの」。中級品の世界は、中国やインドがどんどん追い付いてくる。日本はさらに高品質・高級品を開発していかなければならない。

 日本の高品質商品を「ガラパゴス化」と評する向きがある。日本にしか売れないという悪口だが、国際商品になっていないのが失敗というのはもう古く、独走するトップランナーと思って良い。だいたい日本人自体が、大量生産・市場支配・高利益・国際規格化という事にあまり興味が無いから失敗とは思っていない。「いずれ分かるさ」「「普及するには時間がかかる」で良い。
 
 「高品質産業」と「新興国」をくっつけるのが日本のこれからの出口。「高品質」を開発する能力が無いのは大企業だそうだ。人口が多い大きなマーケットだからと、中国に注目するのは、すでに時代遅れで、中国やアメリカは、わが社の中古技術や中古設備の処分先と考え他方が良いそうだ。

 パリのブランドメーカーが原宿や渋谷に店を出すのは、日本人客の好みを時々刻々とキャッチするためだと言っている。そういうことが大事だというセンスがない大企業・大官庁・大マスコミの没落はもう始まっている。

 世界で一番進んでいるのは日本の若い人であるそうだ。
思い当たることばかり・・・・・・なんと楽しい話ではないですか!!





「奇跡のリンゴ」

2009-12-07 09:43:30 | 仕事
「ニュートンよりも、ライト兄弟よりも、偉大な奇跡を成し遂げた男の物語」
・・・この本をお読みになった方も多いと思います。
この本には副題がたくさん付いています。
「絶対不可能」を覆した農家の記録。
「このリンゴは、来るべき未来への叡智を与えてくれる知恵の果実」
 農薬も有機肥料も一切使わずたわわに実り、しっかりとした歯ごたえ、強烈な甘みと酸味、まさに「樹の実」と呼ぶにふさわしい野生の味、しかも腐らない。半年先まで予約でいっぱいの、知る人ぞ知る隠れレストランなどでしか味わうことが出来ないリンゴ。
 取材中、彼はよく笑うそうです・・・なぜか・・・取材が進むにつれ、彼の笑顔の影には、壮絶な苦労や、あまり人には言えないような過去が隠されていた。そして、人生のどん底から這い上がってきた彼の、突き抜けた笑顔・・・
 彼の無農薬リンゴ作りには、八年にも及ぶ試行錯誤の末に辿り着いた、独自のノウハウがありました・・・
 「死ぬくらいなら、その前に1回はバカになってみたらいい・・・ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う」・・・
 人が生きていくために、経験や知識は欠かせない。何かをなすためには、経験や知識を積み重ねる必要がある。だから経験や知識のない人を、世の中ではバカという。けれど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁になるのはしばしばその経験や知識なのだ。彼は“ひとつ失敗するたびに、ひとつの常識を捨てた”。そうして無垢の心でリンゴの木を眺めることが出来るようになったのだ・・・
 今の時代を打破する大きなヒントをここに感じるのは、私だけでしょうか・・・

研究所設計・・最初の壁

2009-02-07 16:02:02 | 仕事
今日は企業研究所の設計に当たり、まず最初に突き当る壁について感じたことを述べさせて頂きます。
 その建物が「基礎研究」のための研究所である場合、打合せ対象者はまず恐らく「ドクター」の皆さんということになります。「ドクター」を取得されている方達は一様に個性的で、仕事に対する独自の哲学を持っておられます。
 従ってある特定の研究室1室を造るのであれば、その特徴を捉えた建物を造れば良いのですが、企業の研究所を造るということは、その最大公約数的あるいは最小公倍数的な「標準研究室群」を造るということになります。
 また、ある研究テーマが終了すれば次の研究テーマにも合わせられる研究室群でなければ、息の長い企業研究所としての役割は果たせません。
 「最大公約数」という言葉に合わせれば、多様な機能を持たせた不経済なものに向かい、「最小公倍数」という言葉に合わせれば、必要なものが整っていない不満が噴き出す恐れが生じます。
 巷では「多目的何々」という空間があり、これは結局どのケースにも当てはまらない使いずらい物になっているということがよく云われます。
 
 さてそこでの最初の作業は、全研究室に共通する「必要最小限の作業」と「オプション作業」とは何かを分けて貰うことです。研究員の皆さんには自分の室に持ち帰り、自分の研究作業に向かってその取捨選択をやって頂かなければなりません。

 個性的な皆さんにはどこまで突き詰めてそれをやって頂けるものでしょうか。
そしてその作業レベルが皆さん相互に納得できるものになるものでしょうか・・・

大吉だったんです。

2009-01-07 14:47:40 | 仕事
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
大変な年になりそうですが、何とか「ピンチをチャンスに!」を合言葉に、守りに入らない、「新しいことにチャレンジしまくり、それを物にする年」にしたいと思っています。
この時代を切り開いて行くには「新しさ」がキーワード。
しかし、肝に銘じて置かなければならないのは、単に時流に迎合する「新しさ」ではなく、「より自然に」「より人間的に」「より本物に」という枠を外してはいけないということ。
これらに向けて努力しまくれば、神仏が見捨てる訳がない・・と、そこは楽観的にいきましょう。
何と言っても、今正月のおみくじは「大吉」だったんですから・・・。