goo blog サービス終了のお知らせ 

黒式部の怨念日記

怨念を恐るる者は読むことなかれ

猫の「しりこすり」

2024-11-18 10:41:40 | 

長いトンネルを抜けて雪国だと分かるのは、一面白い景色だからだろう。わが家の場合、一面白い床を見て分かるのは、

猫が悪さをしたことである。この白い粉は小麦粉に違いない。うちの猫らは小麦粉をぶちまけるのが大好きだからだ。ほーら、思った通り、

小麦粉である。だが、小麦粉は食品庫に入れて猫除けのロープ鍵をつけておいたはず。あっ、半開きになっている。

この半開き状態から手をつっこんで取りだしたのか?他に考えられない。自分が悪さをしたことの自覚がない犯猫がのうのうとそこにいた。

だが、この時点で、私は比較的冷静だった。というのも、数日前にこにゃつが廃油缶をひっくり返して床に廃油をぶん撒いてそれを舐めた事件に比べればはるかに後片付けが楽だと思ったからだ。

考えが甘かった。人間だって、生焼けのピザを食べるとお腹が痛くなる。だったら、猫がぶん撒いた生の小麦粉を舐めて無事で済むはずはない。はたして、2ニャンとも舐めていた。証拠は猫トイレにあった。ブツは白かった。2ニャンともお腹を壊していた。しかも、床にはところどころ白い筋があった。2ニャンが「しりこすり」をした跡である。「What's Michael」に、マイケルが下痢をしてお尻が気持ち悪いものだから「しりこすり」をする様子がおかしくて、飼い主夫婦が笑いながら床を拭くシーンがあった。当事者の身になれば笑っていられない。清浄綿で拭くこと小一時間。葛西用水路の取材から帰ってくたくたのところにもってきてコレ。くたくたの二乗である。これが合唱団の練習日の前日だったら絶対休んでいたろう。

丸一日経って猫のお腹は回復し、ブツは固形に戻った。ちょっと鳴りを潜めていたが、またいつもの「ごはんくれ」攻撃が復活した。猫を飼うとはかような重労働である。ボケた母親の介護が終わってもこっちが残っていた。きっと、子育ての大変さを経験してない私に神様が別のことで試練を与えてくださっているのだと思っている。

件の食品庫は、前に空気清浄機を置いてガードすることにした。

ウチの物は、本来の用途でない使われ方をしているものが多い。これでうまくいくだろうか。まるで、いたちごっこである(「猫ごっこ」が正しい?)。

因みに、こういうこともあるから、猫を飼うのに「清浄綿」は必要不可欠である。そう、それは「せんじょうめん」でなく「せいじょうめん」であった。こないだホームセンターに買いに行って、店員さんとのやりとりで初めて正しい品名を知ったワタクシである。


油を舐める猫

2024-11-13 11:36:17 | 

昨日の深夜のことである。物が落ちる音がし、猫がぴちゃぴちゃ何かを舐めてる音がする。水を飲んでるんだろう……だが、物が落ちた音は気になる、と思い、灯りをつけたら、水ではなかった。三毛猫がサイドテーブル上の廃油缶をひっくり返し、床に散布された廃油を舐めている音であった。廃油など舐めて体にいいとは思えぬ。薩摩の人になって発した「こらぁ」はいつも以上の怒気であったと思う(薩摩人と「こら」の関係についてはチコちゃんで教わって、当ブログでも記事にした)。とりあえず、猫は隣室に逃げていったが、油にまみれたこの惨状。どうやって原状回復すればいいのだ。しばし立ちすくむ。しかも、夜中である。とりあえず、拭くだけ拭いて、バスタオルをかぶせて、その上に折りたたみテーブルを置いて急場をしのいだ(このテーブルは、猫除けにシンクにかぶせようとして、重くてできなかったヤツである。もはや、本来の用途(テーブル)で使われることはなさそうだが、いろいろ役には立っている)。

体も心もへとへとになって布団に入った私の上に三毛猫が乗ってきた。怒られたことをなんと思っているのだろう?
可能性その1。忘れた。
可能性その2。ちょっと気まずくなったんで仲直りしようと乗ってきた(猫にそんな繊細な感情があるのかって?あるのですよ)
因みに、もう一匹(サビ猫)の方は、事件が起きたことを察知してコタツの中に避難している。だいたい、いつも三毛猫が悪さをして私が「こら」と言うと、反応するのはサビ猫の方である。おーい、ごはんだよ(あさイチかっ)と言ってさかんに呼び出すがなかなか出てこない。この間、三毛猫の「ごはんくれ」攻撃が止むことはない。めんどくさいことこのうえない。

そうこうするうちに朝が来た。え?いつも日の出とともに「ごはんくれ、ごはんくれ」と騒ぎ出す三毛が大人しく寝ている。これはこれで心配である。ご飯になってもいつもの勢いがない。どうしたんだろう?
可能性その1。油にあたって気持ちが悪い。
可能性その2。たっぷり栄養(油)をとったので満腹である。
もし「その1」なら吐くだろうが(それでなくても三毛はよく吐く)、吐かないから、さほど具合が悪いわけでもなさそう。実際、この日の朝食は結局全部たいらげた。このくらい大人しくてちょうどいいのだが、ほとぼりが覚めたらまた騒ぎ出すのだろうか。吐くからご飯をドライから缶詰に変え、量も絶妙なところにおさめてるのだが、缶詰は7,80%が水分だという。あまり身になってないのだろうか。だったら、ときどき吐くことには目をつぶって、一日4回くらいに小分けしてドライに戻した方がよいのだろうか。サビ猫はドライである(そう、二匹で内容と量を変えているのである)。

そんなこんなで人間(私)はくったくたである。とてもじゃないが、歌などに歌う気にならない(業務連絡である)。

「事件」から半日経った現場の様子である。

奥に件のテーブルが写っている。因みに、名作のほまれ高い朝ドラ「カーネーション」で、糸子の娘達が執拗に「ピアノこうて!」とねだる様と、うちの猫の「ごはんくれ」が重なるワタクシである。

昔、「舐め猫」と言うのがいた。あれは、いきがって「舐めんなよ」と言ってる猫である。油を舐める猫に比べれば可愛いものである。

猫は20歳になると化けるという。化け猫は行灯の油を舐めるという。うちの三毛は20歳未満で化けてないが、油を舐めた。するとこういうことになろうか。
「20歳以上」と「化け猫」は同値である(うちの猫は20歳以上だけど化けてないという向きもおられるだろうが、これは定義なのだから仕方がない)。
化け猫は必ず油を舐めるが油を舐める猫すべてが化け猫なわけではない(「化け猫」は「油を舐める猫」の部分集合である。
油を舐める猫は猫だが猫のすべてが油を舐めるわけではない(「油を舐める猫」は「猫」の部分集合である)。
以上を図にするとこの通りである。

なお、昔、化け猫が油を舐めると言われたのは、猫が油分を補うために魚油を舐めていたから、とどっかに書いてあった。三毛が舐めた廃油缶には、昨日ゴボウの素揚げに使ったばかりの油が入っていて、

相当な芳香を漂わせていたようである。


すのこに乗る猫

2024-10-30 11:45:57 | 

兄弟姉妹は他人の始まりとはよく言ったもの。普段は超仲の悪い2ニャン(三毛猫とサビ猫)だが、そこはやはり同時に生まれた姉妹。寒くなると、それまでのことを水に流してくっついている。なお、猫だから同時に生まれたのが2匹だけってことはないだろうが、ヴォランティアさんに「保護」されたのがこの2匹だけだから兄弟姉妹の総数は不明である。

この2ニャン、食い意地の張り具合は尋常ではない。ヴォランティアさんが野良猫を保護する方法はエサでつって網をかぶせる方法らしいが(テレビで見たことがある)、母猫と兄弟姉妹の中で、この2匹だけが罠にかかったのだからがっつき度合いが突出していたのだろう。ウチに来たばかりの赤ちゃん猫の頃、ざぶとんの端のひもがなくなったと思ったら、猫トイレから丸まって出てきたことがある(猫の体を通過したらしい)。

そんな具合だから、特に三毛の方は、キッチンにしょっちゅう上って残飯を漁る。シンクの中にもよく降りる。変なモノを食べてお腹を壊してはいけないという親心から「こらぁ」と言うと一瞬ひるむがあまり効果はない。犬と違って、猫を「しつける」ことはできない。頭が悪いわけではない(逆である)。犬には序列があるから上位の人間の言うことを聞くが、猫は人間を同等と思っているから命令されて従う、ということにはならないのである。だから、猫に悪さをさせないのではなく、できなくさせる方策が必要なのである。

ビニール製のマットをシンクにかぶせたら、しばらくは効果があったが、じきに手でどかすことを覚えてしまった(頭は相当にいい)。かと言って、折りたたみ椅子をかぶせたことがあったが、その移動に人間の方が疲れてしまう。何かいい手はないか?と思っていたら、ホームセンターですのこを見つけてこれだ!と思った。猫には重く、人間には軽い。もともと風呂場で使うものだから濡れても大丈夫である。これで、三毛がシンクに降りることができなくなった。

悔しそうに、すのこの脇でたたずむ三毛。そのうち、諦めて降りた……と思ったら、今度はサビが乗っている。

え?三毛だけと思ってたら、お前もキッチンを荒らしてたのか?これまで私の目にふれなかっただけなのか?ま、それでも、すのこに乗る以上のことはできないから、もはや私も「こらぁ」と言わないで済む。

そんなにお腹が空いてるなら好きなだけ食べさせればいいだろうって?猫にもメタボがあり、成人病ならぬ成猫病がある。それに、食べ過ぎると吐く(猫は吐きやすい動物である)。

因みに、「こら」は、もともと薩摩弁で「もしもし」「ちょっと」と言う他人への呼びかけだったそうだ。明治維新の際、薩摩出身者が警察官として全国に散らばり、職務質問の際に「もしもし」の意味で「こら」と言ってたら、それが怒られたように聞こえたものだから、怒るときに「こら」と言うようになったという話を「チコちゃん」で知った。私は猫に「こら」と言うたびにこのことを思い出すのである。