『マジック・マイク』 (2012) / アメリカ

原題： MAGIC MIKE
監督： スティーヴン・ソダーバーグ
出演：　チャニング・テイタム　、アレックス・ペティファー　、マット・ボマー　、マシュー・マコノヒー　、ジョー・マンガニエロ　、コディ・ホーン　、オリヴィア・マン　、アダム・ロドリゲス　、ケヴィン・ナッシュ　、ガブリエル・イグレシアス　、ライリー・キーオ
観賞劇場：　109シネマズMM横浜

映画『マジック・マイク』　公式サイトはこちら。



兼ねてからチャニング・テイタムが好きでしたし、そんな彼の草創期のエピソードがたぶん満載と思われるし、もちろん観賞。シネコンで幅広くかかるタイプの作品に見えますが実は公開館は少なめ。それでも近くの空いているところに数軒あったのは非常に有難い。
平日だが結構客入りはよく、女子ばかりでもない。男性もちゃんと入ってましたね。


自称青年実業家のマイク（チャニング・テイタム）は、夜になると男たちが華やかなレビュー・ショーを行うクラブ“エクスクイジット”で、女性たちを熱狂させる人気No.１のストリップ・ダンサー“マジック・マイク”として活躍していた。ある日、知り合った19歳の青年アダム（アレックス・ペティファー）に才能を見出したマイクは、彼をクラブに連れてゆく。その予想通り、即興で大胆なヴァージン・ステージを飾ったアダムはクラブの一員に迎えられ、マイクの手ほどきによって人気ダンサーの座に駆け上がる。それに合わせて、大金、女、クールな仲間との付き合いにどっぷり浸かってゆくアダム。その一方で、堅実なアダムの姉と知り合ったマイクは、自分が本当に求めていた人生に気づき始める……。（Movie Walerより）


パッと見た感じは『バーレスク』を思い出させるんですよね。アメリカではエロティックなダンスを完全にショービジネスとして捉えている視点は男女関係なく同じ。とりあえず手っ取り早く大金が入って来て、ビジネスチャンスを掴みやすい職業としてのこういったカテゴリを、アメリカの若者たちは割り切ってうまく利用しているようにも思う。日本だと（アメリカでもたぶんそうだとは思いますが）どうしてもこういう部門は「裏社会の」「下品な」印象が強いけど、そこに遊びの視点を入れつつもショーとして見せる技術が土壌にあるので、観客も１つのお楽しみとして堂々と見に行ける。そしてやっぱり見ているだけで単純に楽しいんですよね。日常を忘れて理想の男たちを眺める幸せ・・・笑

そんな、一見いい加減にも見えるマイクの環境だけど実は彼の目線自体は非常に醒めていて、この状況が果たして自分にとっていいのかどうか彼は常に考えている。そして状況に溺れることはない。ストリップダンサーでも酒とドラッグに侵されている人間は非常に多いだけに、そこに絡め取られないことは再出発する条件としては欠かせないだろう。
「面倒をみる」と約束したアダムがだんだん抜き差しならない状況に陥って身を持ち崩す一方で、彼は転機を逃さず必要な人は離さず、時に不要な人脈は切る勇気を見せる。チャニング自身の人格や、彼が持つ信条そのものが伝わってくるようだ。

チャニング・テイタム　wiki

何の職業であれ這い上がるには溺れず醒めた視点が必要であることは言うまでもない。チャニング・テイタムの転身成功の理由は、どこであれ周囲に実直だったことや、機を見る才に長けていたこともあるだろう。何にせよ信頼されてこそ道が開けていく訳だから、人間的に魅力がないといけない。マイクの人柄や仲間たちとの交流、ブルックとのエピソードなどを見ていても、彼が目立つことだけに惹かれる刹那的な性格ではないことがきっとわかる。

他の登場人物、とりわけ男性ダンサーたちは皆華やか。そしてみんなしっかり鍛えてる！
チャニング・テイタムの身体的なスペックの高さ。これだけ鍛えて踊れれば体躯がしっかりして俳優としての基礎にも繋がっているのがわかる。マシュー・マコノヒーのふてぶてしさ、筋肉やダンススキルも見るべきものが十分にある。アレックス・ペティファーの「初々しさ」もらしかったし。そしてこのクラブのチームプレーが息が合っている。女子はもちろん、男子が観てもきっと楽しいこと請け合いなんじゃないかなと。


★★★★　4/5点