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【ラテンビート映画祭2014】『メッシ』(2014) / スペイン・アルゼンチン

2014-10-11 | 洋画(ま行)


原題: Messi
監督: アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演: リオネル・メッシ 、アンドレス・イニエスタ 、ペップ・グアルディオラ

ラテンビート映画祭2014 作品紹介はこちら。

Messi (2014) - IMDb

アルゼンチンの天才サッカー選手リオネル・メッシ。2014年W杯ではアルゼンチンは優勝を逃したものの、メッシの存在感は際立っていた。そんなメッシの子供時代の映像や再現ドラマ、チームメイトや監督など彼を知る人々へのインタビュー等で構成。メッシの栄光への道のりを追ったスポーツ・ドキュメンタリー。(ラテンビート映画祭2014 公式サイトより)


個人的にサッカーはまるで門外漢、ほぼわからないけどメッシは顔だけは辛うじて知っているが、その人となりはわからない。子どもがサッカーやってるので日々海外リーグ戦は見ていて、メッシメッシとそれはそれはうるさい(笑)なので彼の映画がラテンビートでかかるということで興味を惹かれ鑑賞。
なのでサッカー談義とか内部事情は一切知らない、一般目線からの記事です。映像の中では数々のサッカー関係者が出てきて、メッシについて論じていますが、その中の誰一人としてどんな業績があったのかわからないので、そういうコメントをご希望の方はお詳しい方のサイトへどうぞ。


プロサッカー選手の最高峰というものは・・・というある種のイメージってないだろうか。例えばストイックな練習や鍛錬、しかしながら一攫千金による派手な生活、ゴシップ、スキャンダル、世界中に発信される彼らの生活スタイルはほぼセレブリティに近い。サッカー技術もあるけどお金があって遠い存在。一流と言われているサッカー選手は例外なくそんなもんかという意識が前提での鑑賞。

リオネル・メッシ - Wikipedia

なのでメッシもそうかと思いきや、意外と地味な素顔。インタビューを受けている今でも、寡黙に答えている。生い立ちも今回の作品で詳しく知ったが、生家の貧困、サッカーの天才的な才能の開花、自身の病気とそこから抜け出すためのサッカー修行、そして栄光をつかむかでの軌跡と、一通り彼の人生をなぞることによって彼そのものを理解できる内容になっている。メッシ本人は過去映像とインタビュー映像でしか登場はしていないが、彼を取り巻く人々、共にサッカーで関わった人々による、例えばレストランでの会食形式を取った彼への論評シーンが挿入されていて、これがエピソードに付加されている。ここの会食シーンに出てくる人々は、例えば元チームメイトや監督など、それなりに業績を達成した人物(→これはご本人たちです)で、映画の内容に信憑性を持たせている。

もしメッシに祖母がいなかったら、もし彼が幼い日に才能を見出されなかったら、もし病気治療のために資金調達が出来なかったら、もし彼が控えめな性格ではなかったら。「もしも」の連続が人生であり、その結果が今の彼な訳で、ご本人的には大変なご苦労だったとは思うけどこうしてスーパースターに順調になっていく軌跡を見ていくのは感慨深いものがある。

「栴檀は双葉より芳し」というが、幼少からの非凡な才能の成長を阻む要因にも負けず今日の栄光を掴む過程を助けたのは、周りのサポートももちろんだけど彼自身が持って生まれた資質にもある。サッカーの才能があったことは彼にとっては大変ラッキーなことだけど、同業者たちにはサッカーの腕や栄誉に溺れ、つぶれていった者たちは枚挙に暇がないくらいで、メッシが持ち合わせた生まれ持った性格も大いに彼の成長に役に立ったはず。それはすなわち、「あくまでも謙虚に、溺れない」ことで、元々控え目だった性格はここにプラスになっていったようだ。腕はいい、ルックスもいい、金もある、それでも一時期は華やかでも、ピークを過ぎたあたりからや、晩年はみじめに勢いがない人物を見ていると、どれも虚勢を張っていたり計画性のない生活に起因するように思えてならない。なのでメッシが表現するところの「普通に暮らす」ことが、遠回りに見えて実は成功に向けての近道だったりもする。謙虚だからこそ、ピンチが訪れても助けてくれる人が現れる。会食シーンでの彼に対しての数々の賛辞はうわべだけのものではなさそうだ。

堅実は力なり、どの人にも言えることだが実践は難しい。才能があって堅実であることは尚更だ。それを体現している数少ない選手として、メッシの名は本作を通じて記憶に残ることだろう。そして今後の彼の人生もそうあってほしいと願うばかりである。


★★★☆ 3.5/5点






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