原題: Ha Ha Ha
監督・脚本:ホン・サンス
出演: キム・サンギョン 、ムン・ソリ 、ユ・ジュンサン 、キム・ガンウ 、イェ・ジウォン
観賞劇場: シネマート新宿
第63回 カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ
【ホン・サンス/恋愛についての4つの考察】『ハハハ』ページはこちら。
『次の朝は他人』に引き続きこちらを観賞。
小さいスクリーンながらも熱心なファンが多そうなホン・サンス特集、観客は多め。
カナダに移民することを決意した映画監督のムンギョンは、先輩の映画評論家チュンシクと一杯飲むことに。まずは乾杯。そして酒の肴に、ひと夏の出会いについて語り始める――ふたりは偶然、南の港町トンヨンに行ってきたばかりだった。
女たちの言動に振り回されていく男たち。
出会う? 出会わない? それぞれの人生がすれ違いながらも、絡みはじめる。(上映特集ページより)
舞台となるのは「南の港町・トンヨン」ということで調べてみました。
統営市(トンヨン:大韓民国慶尚南道) Wiki
活気ある港町は、何でも「韓国のナポリ」と呼ばれているらしい。閑麗海上国立公園の中核基地となる観光リゾート地からは、「閑麗水道」を一望できる。ナポリほど風光明媚ではないのかもしれないけれど、明るく人情味あふれる港町といった雰囲気。おおらかな感じがします。
ここの港や史跡、街中を舞台に進む物語は、街同様におおらかそのもの。先輩と後輩という関係の2人の男性が語っている恋愛話は登場人物が交錯し、思わず意識が遠のきそうにゆるゆるな話だけど、話を聞いているだけだと例え話のように聞こえて、お互いがお互いの話をしていることに最後まで気がつかないのが本作のオチ。
登場人物たちがどちらの話にも登場してくるので、注意して聞いてないと相関図がわからなくなってしまう。ハッキリ言ってややこしいのだけどそれがホン・サンスの目指す所なのだろう。ソンオクと、ムンギョンの母がどっちも出て来て、しかもスタンスが違っているので余計にややこしい。だがこれは話として見ているからであって、自分と第三者が同時に別の人を見たら距離が違うのは当然のこと。そこを面倒くさがらずに示すことは、ホン・サンス監督にとってはあまり苦痛ではないのだろうし、むしろ楽しんでやっているように見える。
ソンオクの、しっかりしててあっけらかんとした性格が最後には話をコントロールしていたし、それにしたがって他の2組のカップルも方向性を決めたような気がする。チョンホのようにダメな男は世界中に存在するけど、自分だけなら首ったけなのに、他から見ると穴だらけなのがわかるのも面白い。まるで逆の評価を下す事や、それを最後にはまとめて笑い飛ばす結末も、視点としては十分楽しめる。
★★★☆ 3.5/5点
映像で見る限りだと、あんなにニアミスしてるのにお互いの存在に全く気づかないなんて。
でもこれは技アリ!な良作でした。
あの女はあーだったこーだった、下ネタとかそういうのばっかりだよたぶんw
このニアミスっぷりが面白かったですよね。
ハハハって笑うしかないみたいないい加減さが好きです。