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『モヒカン故郷に帰る』 図太く生きなさい

2016-04-10 | 邦画(は行・ま行)


監督・脚本: 沖田修一
出演: 松田龍平 、柄本明 、前田敦子 、もたいまさこ

公式サイトはこちら。

売れないデスメタルバンドのボーカル・永吉は、恋人の由佳が妊娠したことをきっかけに、瀬戸内海に浮かぶ故郷の戸鼻島(とびじま)へ7年ぶりに帰郷。同じく故郷を出ていたはずの弟もいつの間にか帰郷しており、久々に一家が顔をそろえるが、そこで父親のガンが発覚し……。(映画.comより)



沖田修一監督作品は割と観てるんですけど、『キツツキの雨』が好きなんですよね。実直な話が好きで。

これはほぼ、敦子さん観に行ったようなもんなんですけど(笑)、これが意外と総合的によかった。ストーリーがまず丁寧でした。
病気もの、しかも親が病気になる話ですから、病気の進行とともに次第に悲しみの方向にいくのが定番なんですが、その定番さをほとんど感じさせないストーリーがいい。信仰する病気と共に少しづつ変化していく家族の姿を、小さな変化から一つづつ見せてくれている。

永吉が故郷に帰ってきたときと、再び東京に戻る時とでは、親に対しての姿勢も全く違っていたはず。親のことは日常ではほぼ無関心だったけど、願いをかなえてあげたいとか、期待に応えたいという考えが見えてくる。それは由佳も同様で、なんとなく流されてここまで来てしまったかのような、落ち着きのない女性だったのが、いつの間にか永吉の一族の一員として認められていく。「頭は悪いかもしれないけど、朴訥で、すぐに永吉の故郷に馴染む」由佳ですが、訳がわからないうちに永吉の家族のあれこれに巻き込まれることになっても、そこでいつの間にか受け入れられている。結婚とは、お金だ地位だってこだわるよりも、結果幸せになれるのは意外とこんなキャラクターかもしれません。

広島県民の必修科目は、カープと永ちゃんとか、設定もかなりおかしい(笑)誰が何と言っても聞かない頑固おやじ像の治のこだわりも面白いし。格好悪くてもいい、そこで図太く生きろと常に考えている治。吹奏楽部であってもそこに一本筋を通すように芯を入れていく。ただのドタバタや、お涙頂戴ものにしないところが、沖田監督作品のいいところ。人々の交流と、家族のことと。丁寧に描きつつも無駄を省いた作りなので爽やかなんですね。観終わった後の感覚が非常によいのは、それぞれの人物たちにしっかりと共感できるものが備わっているから。家族でGWに観に行くにはお勧めの1本。


★★★★ 4/5点





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