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チューリップス・シスター第23話

2016-11-02 10:14:08 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第23話 横たわる母の遺体

眼には見えず人類は誰しも第1感から第5感までは持っているが特異的な能力を持つ者達は9感以上の感覚を持って見えないものを感じるもの、
「ワープホール・ブラックホール・ワームホール」などの現象を体で感じて脳の働きによる映像や画像がイメージされるものである。
勇介には伝道師、錬金術師、祈祷師、結界師としての役割があり、特異的な能力では離脱解離能力、霊能力、予知能力、透視能力など様々な能力を与えられた。

世界の神々ゼラトウスに新たに与えられた「予知能力」と「透視能力」で勇介は感じた通り、山本刑事や他の6人の刑事達は何かに気づいた。
「まさか・・・事件の真実とは」
山本刑事は、何か嫌な予感を感じながら、多くの未解決事件を解決してきた経験豊富な刑事としての感があった。
これまで積み重ねてきた事件解決で多くの人との出会いによって、真理は何かに追い詰められているような気がしていた様だ。
山本刑事の真理に対しての人物像は、神経質で孤独ではなく社交性に飛躍して優等生、生真面目、頑張り屋などの印象であった。
そして、刑事達は教会での真理の様子を見て何かに脅えているようにも思えた様だ。
山本刑事は、真理の「自殺の可能性」を考えた時、すぐに教会から離れ真理と美咲がいた農園跡地へ急ぎ向かう。
真理と美咲がいた農園跡地の敷地は特に広く、7人の刑事達は蜘蛛の子が舞うように散らばり真理を探していた。
「真理さん、どこですか、真理さん」
7人の刑事達は大声を出して真理を探し回り、農園跡地の中で響きわたっていた。
硬化ガラスハウスや地下植えの畑を駆け巡っていたが、全く姿が見えない声も聞こえない。
「もしかしたら、建物の中にいるかもれない」
山本刑事は無線機で6人の刑事達に伝え、建物の中で真理を探す事にした。
農工具の建物、真理と美咲が育った住居の建物、父親の直継が自殺をした重機置き場の大きな倉庫で、何度も繰り返し大声で呼ぶが返答がない。

「何か、小さな声で泣く声が聞こえませんか?」
山本刑事と一緒に来た刑事の1人が言った。
耳を澄ましていると、雨音の間に、しくしくと泣くような声が混じって聞こえてきた。
「もしかしたら真理さんではないか、どこだ」
大きな倉庫内は足元くらいしか見えないほど薄暗かった。
「確か、この倉庫には、2階があったと思います」
この倉庫は中二階(ロフト)があるはずだと刑事の1人が気づいた。
それぞれ、ジッポライターの火をつけ腕を上にあげながら階段を登った。
そこには、薄暗い中、真理が膝をつき頭を下げ、泣いている姿があり、その先には横たわる人影が見えた。
そこに横たわっているのは、真理と美咲の母高子らしき遺体が横たわっていた。

この時、真理を探し出す為、勇介は教会に戻り教会の中の部屋で叔父の神父が使用していたアンティークで彫刻のある椅子に座っていた。
今は亡き勇介の叔父の神父はアンティークで彫刻(サンジェットというサイン)のある椅子に座り、離脱解離能力、霊能力だけであった。
しかし、勇介には離脱解離能力や霊能力と新たに与えられた「予知能力」と「透視能力」があり、真理の姿と真理の心の中に抱く感情を探し始める。
探す場所は次元の違う仮想空間の幻想世界で現実の世界ではなかった。
山本刑事と他6人の刑事達は現実の世界にいながら、7人の刑事達の心の神ゼウスによって次元の違う仮想空間の幻想世界に導かれながら、現実の世界と非現実の世界を行き来していた。
しかし、7人の刑事達は気づく事はないが、刑事としての直感の中で違和感を感じていたのかもしれない。

世界の神々ゼラトウスは、7人の刑事達の心の神ゼウスの能力と勇介のビショップになれるかどうか、いかに聖霊によって選別されるのか。
そして勇介の特異的能力の何が動き始めるのか伝道師としての能力が、どれだけの段階で真理と美咲を導けるのか、再度「時の煌子」になれるかどうかを見定めていた。
7人の刑事達と初めての出会いだけで勇介が「エクソシストの時の煌子」と7人の刑事達が「従者ビショップ(シャーマン)」になれるのだろうかと様子を見ていた。
真理と美咲の母高子らしき遺体を見つめるだけの真理と7人の刑事達は、この時の時間の針は動く事なく止まったままになり、ただ遺体を見つめるだけになる。

世界の神々ゼラトウスは、
新たな未来の世界の「興隆」「豊富」「歓喜」「哀愁」「自由」「平等」「平和」を現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界に願い望まれている。
勇介は世界の神々ゼラトウスが願い望む世界を創造し、アンティークの椅子に座り十字架を握り祈りと誓いを立てる。

勇介が美咲を見守る時は瞳に移される現実ではなく、信仰心の眼で見守るようにしていた。
勇介の「信仰心の眼」は相手を疑わず信じるかどうかではなく真実を見つめる眼力であり、
人間の心の中にあるものを見て真実を見つけ「離脱解離能力」「予知能力」と「透視能力」「霊能力」で対話をしていくというものだった。

勇介はアンティークで彫刻のある椅子に座ると「予知能力」「透視能力」「霊能力」が働き始めると過去の未解決事件の真実が見え始める。
そして7人の刑事達が心の神ゼウスによって瞳に何が映っているのかを勇介の特異的な能力は導びく中で確認をしていた。
真理と7人の刑事達の瞳に映るものは、過去の未解決事件にある真理と美咲の父直継の自殺か事故か殺人か、と母高子の失踪届け友人知人からの情報もなく途中で捜査中止、5人の精神科医の失踪か自殺か殺人かの未解決事件、先入観と固定観念で捜査をした私服警官と制服警官の辞職とホームレス世捨て人になり殺人強盗事件の未解決事件、山口四郎の未解決事件と殺人の容疑者は真理と美咲の高子であったが高子の姿や顔は薄っすらとしてはっきりと見える事はなかった。

憶測だが人類の誰もが美咲の絵画は平面であって、ただの絵画としてしか見られないだろう。
勇介は、真理と美咲の関係や繋がりを美咲の描いた「炎の夢」「太陽の夢」「水が流れる夢」の3つ絵を見た事で未解決事件との関わりを感じとっていた。
フリーランスの精神科医コナングレードが持っているスケッチブックには、美咲の観る夢は何も使わず大結界の絶対世界の中から「画像転送」という手段で描かれていた。
セラピスト(セレナ)は大結界の絶対空間の中で美咲に寄り添う事で、美咲が夢の中で描いた絵には続きがある事に気付いていた。

「海原の夢」「湖の夢」「地下水脈の夢」「森の中の夢」「天候を操る夢(暴風雨、雷、雷雨、地震、竜巻、停電、津波)」「幻想世界の夢」「未来予知する夢」勇介は真理と美咲が、これからの進むべき道は、どうすべきかを考え真理と美咲の運命を すべき方向へと導いていく。
しかし、時が経つ事に更に「希望の夢」「勇気の夢」「信頼の夢」「虹の世界の夢」「オーロラの世界の夢」「永遠の夢」「目覚めの夢」「眠りの夢」「栄誉の夢」「繁栄の夢」「愛情の夢」「興隆の夢」「交流の夢」「合流の夢」「陸海空の世界の夢」「自由に生きる夢」「豊富の世界の夢」「平等な世界の夢」「平和を誓う夢」「自己犠牲の夢」「信仰心の夢」「慈悲の夢」など多くの同じタイトル全てで数百枚もの美咲が描いた夢の絵画があった。
美咲が夢で描いた絵画は、美咲自らが悪魔のゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳から避けるものだった。

「美咲さんの絵画を全て、言葉にするのは貴女の役目です」
勇介は真理に、美咲の描いた絵を年代順に2枚を除いた全ての絵画を魅せる事にした。

「魔性世界の魔物や呪いの邪悪で邪念の邪気は消えてしまえ」
「私の邪魔をしないで、邪悪な邪気は消えてしまえ」
真理と美咲の心の神ゼウスによって2人の心の中での叫び声、常に抱いている言葉である。

真理の心の神イエス神ゼウスと7人の刑事の心の神イエス神ゼウスを透し、世界の神々ゼラトウスから指令を受けた聖霊から特異的能力の選別が始まる。
聖霊は真理の中に心の神イエスと神ゼウスの存在を確信し、7人の刑事の心の中には神ゼウスを宿す事になった。
7人の刑事達の神ゼウスは世界の神々ゼラトウスからの指令を受け心の神ゼウスは7人の刑事達に伝令をし勇介が導いていく、そしてエクソシストの従者ビショップ(シャーマン)として現実の世界から心の魂は離れ次元の違う仮想空間の幻想世界で生きていく事になる。
真理の神イエスと神ゼウスは共にあり身を守られ、勇介と共に歩いていく、そして勇介の特異的能力は申し分なく完全開化していると確信した世界の神々ゼラトウスであった。
聖霊からの特異的能力の選別が終わると真理と7人の刑事達の時間(とき)の時計の針が動き始め、次元の違う仮想空間の幻想世界から現実の世界に戻る。

山本刑事は警察署へ連絡し、パトカーと救急車を呼んだ。
勇介は、真理の横に同じように座り真理の肩を抱いていた。
「私は感じてた、母がいる事を知っていた、なのに私は助ける事が出来なかった」
真理は心の中、心の神ゼウスで勇介の心の中の心の神ゼウスに伝えていた。

その心の声は、勇介の心にも現実の世界の中で響いていた。
勇介だけではなく、隔離室の大結界の絶対世界にいる美咲の心にも同じように響いていた。
この日、勇介には「愛」という新しい能力が与えられた。
しかし、この「愛」とは真理への愛情ではなく、現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界の全ての人類への愛である。
世界の神々ゼラトウスによって、勇介に与えられた「愛」により、
真理や美咲は、まだ会う事はないが言葉で話す事もせず、互いの心の中の心の神ゼウスで繋がり交信をする事が出来るようになっいた様だ。

勇介は現実の世界に戻ると真理のいる建物へと走り向かった、そして涙を流す真理の姿を見つめ、真理を抱え建物の2階のロフトの隅に2人で座り、泣きつくす真理に勇介は真理に寄り添う。
建物の外の雨音が強くなり、真理の泣き続ける声は消されていく。
真理は心の中でザンゲと祈りを捧げ始め、神父の勇介は真理の祈りを受け取っていた。

「母です、私の母です、私は母の存在を知っていたのに、助けることが出来ませんでした、私の命と引き換えにお許しくださいますか」
「神の代わりに、私は、神の言葉において、貴女を許します、貴女はこれから生きていかなければなりません、その命を神のもとへ」
勇介は優しく包むように、1人で立つ事ができない真理を抱きかかえた。

そして、心の中で神の許しを求めた真理に、勇介は真理の耳元で「神からの許し」を伝える。

勇介は2階の部屋の中を見回し、現場の状況を良く見て透視能力で何かを考えていた。
遺体の横たわるわきには靴を綺麗に揃え、遺書らしき封筒が置かれてあったが、この遺書は勇介にだけが見えるものだった。
遺体の指の爪には少量の畑の土があり、隅のほうにある長靴は泥だらけで不思議な事に、今亡くなったように水分を含んでいた。
木箱の中にはチューリップの球根があり、木箱の横には泥だらけの農機具が置かれていた。
勇介は美咲の描いた絵を思い浮かべると、美咲の描いた絵に現場と同じ絵があった事を思い出していた。

勇介は真理の能力と美咲の能力が繋がっている存在に気付いた時だった。
真理は教会から走り出ると、真っ直ぐ母の元へ走り、横たわる遺体の母の姿を見ていたのだった。
真理が見えているものは母高子の遺体、美咲から絵画のメッセージによって、母の遺体と魅せられていた。
この時、次元の違う仮想空間の幻想世界に高子が生きているというメッセージだった。
しかし、この時の真理は自分の感情を悪魔ゼブロスの黒魔術と死神デッドの呪いに惑わされ、次元の違う仮想空間の幻想世界を見る事も気付く事が出来なかった。

「真理さん大丈夫ですか、今はまだ誰かもわかりませんから」
山本刑事は真理に声をかけたが、真理には何かを感じていて頭が真っ白になり何も答える事はなかった。

真理と美咲の母高子らしき遺体は真っ黒で火炙りにされていたが、
不思議な事にDNA鑑定が出来ず、指輪から高子と判断しようとしたがイニシャルが違う指輪はプラチナの大量生産されたものだった。
佐々木高子の失踪と山口四郎の死の真相は未解決事件のままである。

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