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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー31話

2023-01-23 10:39:51 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


自分の過去を思い出しながら、あることを考える直也でした。ボクシングジムに通って学んだことを思い出しています。直也は情報屋の仲間を助けに行くのか、それとも遊びに行くのかどちらかを選択します。
「茂木の方は良しとして、みんなで遊びに行こうぜ、真一、こっちは何人だ?」
「一階は、そんなにはいねぇぞ、いいとこ、5、6人ってとこかな」
直也は茂木と真一に学校に残ってる喧嘩上等の仲間を集めるよう指示を出します。そして人数だけ集めればそれでいいことを伝え遊びに行くことを選択しました。
「どうせ、やつらの目的は俺だろ、お前らは見てるだけでいいよ、女子には聞かれるな!うるせぇのが一人いるからよ。須藤典子らぁには聞かれたくねぇ」
真一と茂木は軽く答える直也を見てると「やばいのか?」という不安もあったが直也の顔を見てると楽しくなる自分をも感じていました。
「少しずつに分かれてセブンイレブンの隣にある喫茶店に集合するよう言っとけ、ばれると俺も、まずいからなぁ」
直也と真一は先に2人で喫茶店に向かいます。カウンター席で待っていると喫茶店「ラララ」には続々と仲間が集ます。
「直也君、何かあるの?」
いつもは、あまりしゃべらない近藤恵美というお姉さんが直也に問いかけます。
「えっ?何かって何?、仲間が来れば繁盛するでしょ」
直也は悟られぬよう喫茶店のお姉さんに答えます。後から来た茂木に直也はカバンに2つあるドリームキャッチャーの1つを渡します。
「茂木それ持っとけよ夜良く眠れるお守りだ。学校が卒業できるように祈れ」
茂木は受け取ったが喧嘩しに行くのに、どういうことか何の意味かがよく分かりません。
「これ持ってて、どうするんだ」
「とにかく持って、カバンに付けるか、握ってればいいんだ」
とにかく持ってるようカバンにでも付けとけと直也は茂木に言うだけです。真一は、その時の直也と茂木の顔を見て苦笑いを浮かべてる姿を見て、こっけいな場面だと思いました。これまでの茂木の姿は、いつもピリピリしながら決して表情を変えることがなかったのです。直也も真一も笑いをこらえてました。喫茶店に集まったのは、全部で28人。集まった仲間は喧嘩をしに行くような態度をとっています。拳(こぶし)の関節を鳴らすもの。これでは、これから喧嘩をすることが店のお姉さんに「ばれる」と思う直也でした。12席しかない喫茶店の中に20人は入れましたが座ることは出来ずにいるものは店の外でしゃがんでいます。直也は全員にアイスコーヒーをおごりました。直也のとった行動は集まった仲間の喧嘩への気力をなくしていきます。そして直也は仲間たちに言いました。
「お前らは俺の飾り(アクセサリー)だ一切手出しはするな、とりあえず格好はついたな、それじゃ行こうか案内頼むぞ!情報屋!」
直也の言葉に集まった仲間たちは納得のいかない表情をしていました。喧嘩をしに行くのに飾りと言われ納得の行く仲間たちは誰もいません。直也は笑いながら遊びに行くことを仲間たちの顔を見ながら自分の意思を伝えます。
「遊びってどういうことだ?」
「真一よ!直也は何考えてるんだ?」
「知るかよ!俺にもわからねぇや、今回ばかりはわからねぇ。ついていけばわかるかもね」
「しょうがねぇ、ついてくしかねぇか」
アイスコーヒーを飲み終えた仲間たちは喫茶店を出て情報屋の案内で後をついていきます。この時の真一は歩きながら今の直也が何を思っているのかを考えていました。歩って15分ほどの場所に閉鎖された広い敷地に工場跡地があります。鉄パイプやチェーンで入れなくなっていたがフェンスのところが破られています。工場跡地の大きな倉庫の前にいくと扉のわきのガラスが割られていました。直也と真一は割られた窓から中をのぞきます。
「ここかな?おう!いるいる!すげえなー」
「直也!お前、今何考えてるの?」
「さっきも言ったろ!遊びに行くってよ、お前なら解かると思うんだけどな」
「助けるんじゃねぇのか、直也!」
他の仲間たちからも言われますが喧嘩しに来たんじゃないことを再び伝えます。
「おめぇ、おかしくなってんじゃねぇの?」
「とうとう、狂ったか?」
「なんとでも言いやがれ!信じられなきゃ尻(けつ)の穴に鉄パイプ突っ込むぞ!」
「なんつうヤツだ!本当に手はださねぇぞ、くそったれが」
「ん、それでいいんだよ、み・ん・な」
軽い笑みを浮かべ話をする直也に飽きれる仲間たちでした。
直也は窓の外から、おおよその人数を数えています。扉を開けると倉庫内に集まっていたのは松校の一年二年生は約30人で崔校の一年生は約20人で崔校の二年生は約50人全てで約百人ほど。倉庫内では松校と崔校は分かれて集まっています。突然と倉庫内の雰囲気を変えたのは直也でした。
「お前ら馬鹿じゃねぇの!まったくよー、そんなに喧嘩がしてぇのか?堂々と表で喧嘩するくらいにしろよなー」
いきなり直也は笑いながら大きな声で叫び倉庫内に集まる学生連中の灯(ひ)に油を注いでいきます。真一は直也の行動を見て幼いとき直也と出会ったときのことを思い出します。意地をはり直也たちの仲間になりたかった真一でした。
「こいつは、もしかしたら、あいつらみんなを、仲間にしようとしてるのか?」
真一は直也を見つめると、直也は真一を見つめほほ笑みます。
一緒にいた直也の仲間たちは、いくらか身を引いた感じでいたが、直也にとっては気にすることはなく仲間たちは居ても居なくてもいい存在でした。ただ直也には企みがあったのです。尊学は他の2つの高校に比べると喧嘩での争いからさける「甘(あま)ちゃん学園」とも呼ばれていました。直也は格好をつけることで倉庫内の全員が喧嘩上等の仲間であることを行動で知らせ平等である姿勢を見せていたのです。そして殴られ蹴られている尊学の情報屋たち2人を助けだすことを考えていたのです。
「俺が殴られはじめたら、情報屋を助けてな、いいな」
今回のことで尊学の仲間たちは直也の強さを思い知らされることになります。松校と崔校の学生たちは直也の言葉に、すぐにいらつき反応して立ち上がりました。立ち上がると直也を一斉に睨み(がん)をつけます。松校の姿の特徴は茶髪に短蘭姿で派手なティーシャツを着ていました。
「よぉ、そっちは何しに来てんの?二校がいるということは、目的は俺だろ?」
直也は少し離れた場所にいる松校の連中にも声をかけます。
「どんなことになるか、見学ー、お前か?大島直也っていうのはよ」
「俺が聞いてるのはお前らの目的!俺のこと知ってるんだね!すごいね!俺」
直也は松校の連中にも、喧嘩をけしかけますが松校と崔校の連中は、なかなか喧嘩を仕掛けては来ません。直也は今この学生連中の気持ち考えます。
「こいつらは様子見てやがるのか?それとも、ビビリか?」
直也は、しばらく様子を見て考えています。周囲は静かなものになっています。真一や尊学の仲間たちは言葉にしないが胸の内では思うことがありました。
「直也の馬鹿ヤロウ!こっち(尊学)からけしかけんじゃねぇよ!人数を考えろ!」
「何か言った?」
真一に声をかけます。直也は笑いながら崔校の学生たちをみて、からかいはじめます。
「二年生ばっかじゃん、ほぉ、退院したんだねぇ、殺人事件になっちゃうかと思ったよ」
崔校の学生の中に公園で喧嘩をし病院へ入院した学生の姿もあったのです。
「てめぇ、殺されてぇのか?」
「いいねぇ、その言葉、でもよ、俺は入院しなかったぜ、お前みたいにはよ」
またしばらく会話がなくなり無言状態が続きます。倉庫内にいる尊学の学生以外の松校や崔校の学生たちは徐々に頭に血が上りはじめます。静けさの中に直也の言葉が。
「まだ、頭に血が上らないの?大島直也がここにいるのによ!帰ろうかな帰ろうぜみんな」
尊学の学生たちが背を向け帰ろうとしたときです。直也の最後の言葉で崔校2年生の1人が前に出てきました崔校2年生のリーダー格です。
「ほう、出てきたね、 お前らの目的は、俺だろ、おれば倒してみ、タイマンはるか」
「てめぇみてぇのは、俺一人で十分だ」
殴り合い?喧嘩がはじまりますが、直也は、その1人に殴られるだけで直也は手をいっさい出すことはありません。何度も何度も殴られるが、よろけながらも、立ちはだかっています。
顔面は真っ赤に鼻血、唇は切れ、血だらけになっていますが、それでもまだ立ちはだかっているのです。直也の両手はポケットの中。右手にはドリームキャッチャーを握りしめ殴る相手は拳(こぶし)の皮が破け血をたらし息を荒くしていきます。直也は笑ってニヤニヤしながら殴られるのを楽しんでるかのようでした。
「何だこいつ、いったいなんなんだよ!てめぇはなんなんだよ!」
「へへへ、そんなもんか?へへへ」
直也の姿に誰もが目を疑いながら殴られても蹴られても立ちはだかる直也はニヤニヤと笑みを浮かべながら相手に殴らせています。もっと殴れ、もっと殴れと心の中で直也は叫んでいました。今まで迷惑や心配をかけ裏切りや別れ怒りと憎しみからの苦しみを感じていた直也は、それに比べたら楽なもんだと思っていたのです。
「ガマンできねぇぞ、あいつら、でも直也はなんで手を出さねぇんだよ!」
殴られつづけ血だらけになる直也を茂木は頭が切れかかり助けようとしたが真一は助けようとする茂木の足を止めます。
「茂木!お前は、条件付入学だろ、退学になったらどうする?直也は殴られにきたんだよ、どういうわけかアイツの気持ちわかっちゃった」
真一は尊学の仲間たちに言いました。
「従いたくねぇなら従う必要はないってか?自分の道は自分で歩いていくか直也!」
直也は過去の亡霊と戦っていることに気づいた真一は一通の手紙を思い出していました。直也に恋をし離れ離れになった小幡由子からの手紙です。
「直也は元気です。仲間たちといい関係でも秘密なことがあるから加藤君だけには伝えておきます。ミドル級のアマチュアボクシングのチャンピオンになったよ。直也は強くなったよ。また会えるといいね」
この手紙のことを思い出した真一は直也の気持ちが理解できたのです。
「今アイツはボクシングをしてるんだ、みんなの気持ちを考えているんだ」
「ボクシング?」
「あぁ、直也はミドル級ボクシングのチャンピオンになってたんだ、忘れてたよ」
「チャンピオン?ミドル級だと?」
「あぁ、直也にとっては素人相手だから遊びって言ったんだ」
この時の典子は喫茶店のカウンターに座って店員の近藤恵美と話をしていました。直也を思う典子は心配ごとを相談したり。
「典子ちゃんは、直也君のこと好きなの?」
そう聞かれると典子は言葉は出ませんでした考えながら典子は答えます。
「うん、いつも一緒にいたいかな?好きか嫌いかと聞かれるとわからないや」
「はっきり言うけど、私は、直也君のこと好きだよ。誰よりも苦しんでそうなのに直也君には仲間が集まるでしょ何でだと思う?」
「そういえばそうだよね、なんでだろう?」
「男子には男子らしいものがあってさ女子には女子らしいものがあるのよね」
「そうなんだ」
「直也君は仲間を助けてると思う?違うわ。集まる仲間が直也君を助けてるのよ」
カウンターの隅に座る女子高生は恵美と典子の会話を聞いていました。
彼女は噂になる直也を嫌いながら・・・彼女のことは先のお話・・・
倉庫内では直也は血だらけのまま立ち続け殴りつづけた崔校の2年生が先に倒れ込みます。先に倒れた崔校の2年生は大の字になり横になったまま息を荒くしてます。この事を目にした誰もが目を疑います冷静に見ていたのは真一だけでした。酔っ払いのように歩く直也は倒れた崔校の2年生に膝をついて言います。
「へへへ、なんだてめぇ、横になってんだよ、殺してみろよ。さぁ、はやくよ」
直也は周りを囲む連中に、狂ったかのように笑いながら自分の顔を見せてまわります。そして殴れよと繰り返し言いますが直也が近づくと松校や崔校の連中は直也を避けるように殴れるものは誰もいません。真っ赤に腫れあがり瞼(まぶた)から血が流れている姿を見た松校と崔校の連中はただ呆然としていました。
「ルールなんて、くそやろうだぜ、喧嘩したきゃ堂々としろや、なぁ真一!影でこそこそやるもんじゃねぇよな!」
直也は真一に向かって大声で叫びます。顔面が真っ赤にしてる直也に真一が言葉を返します。
「あぁ、中途半端なら、しねぇほうがいいねぇ、せんこう(教師)の前でも警察の前でも堂々となぁ」
「ピース、V」
直也は真一の胸に倒れこみます。真一は直也の殴られ方を見ていて相手が顔を殴ろうとすれば頭付(ずづき)で攻撃していたのを冷静に見ていました。この事は真一は誰にも言いませんでした。


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