心という器には五つのふたがあります
① 貪欲のふた
② 怒り・悪意のふた
③ 心が沈む・眠気のふた
④ 心がそわそわする・後悔のふた
⑤ 疑いのふた
この五つのふたがそれぞれの悪感情を心に閉じ込め、心の汚さを保たせるのです
煩悩であり、悪魔であるものです
悪魔はマーラといって(殺すもの)という意味です
マーラという言葉が中国で魔という漢字になり、それに悪を付けて悪魔となったのです
怖ろしい悪魔・煩悩の心を閉じ込めている蓋(ふた)がある、とは面白い発想ですね
仏教界ではその五つのふたを五蓋と言います
これら五つの蓋を心から外しておけば、心の悪感情がとどまらないという事です
そのため、心が静まった状態にして、これらの蓋を外し、それらの感情を捨離します
先に示したお経にあるように
「世間に関する貪欲を捨て(捨)、貪欲の消えた心をもって生活し(離)、貪欲から心を浄めます」
このように、五つの蓋を次々に捨離していきます
そして五つの蓋が無くなって、煩悩が捨離された瞬間『欲界』を超えるのです
欲の世界にいることすら気付かない日常の中で、この欲界を一瞬でも超えれば、ブッダが説いてくれている覚りの大切な意味・素晴らしさが実感できるのではないでしょうか
さらに覚り・涅槃(ニルバーナ)に入る為には三つの世界を超えなければいけません
一番低い世界が、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天人の住む欲界です
二番目が色界、物質のみの世界です
三番目が無色界、物質も存在しない世界です
このように瞑想の中で欲界を超え、次に色界に入っていきます