Still Creek のほとりで

Still Creek(静寂なる小川)は裏庭を流れる小川の名前。といっても Windows からは騒音もきこえてきます。

チンパンジーの知恵

2006-08-13 16:51:12 | 雑感
我家に3泊4日していた孫たちが帰ったのはお昼過ぎです。
世話をしている時はそれほど感じないのですが、送り出した後は
二人ともどっと疲れを感じます。
無事に親に引き渡したと言う安堵感があるのでしょうね。

片付けもそこそこに、面白い番組を見てゆっくりすることにしました。
そこで、昼間NHKで放映していた番組をDVDに撮ってあったので
それを観ました。 たぶん、ご覧になった方も多いことでしょう。

ハイビジョン特集ー京都大学霊長類研究会
「”天才”チンパンジー親子・アイとアユム ~才能はどう受け継がれるか」

「ああ、まいりました!」1時間50分の長い番組を見終わって、
私が最初に発した感想です。

研究室で、人間に一番近い生き物の3組のチンパンジー親子の様子を
観察し、研究している記録です。

チンパンジーのアイと息子のアユムは、毎朝9時にコンピューターを
使って学習するための研究室に入ると、すぐにPCに向かうのだそうです。
そして、一時間に100~200の問題を、一日4回もするというのですから、
もうこれだけ聞いても、驚いてしまいます。

画面に写したバラバラに配置された1から9までの数字を0.7秒見せて、
数字を直ぐ消して、白い四角に置き換えます。 訓練と学習によって、
チンパンジーは画面の四角形を数字の小さかった方から順に触っていく
のです。

数字の数は幾つにしても(幾つか抜いても)正確に認識して答えます。
勿論、最初から出来るわけではないのですが、試行錯誤で数字と大小の違いを
覚えて行くようです。出来るとご褒美の餌をもらえます。

この訓練されたチンパンジーが、瞬時に数字の場所と順番を覚える能力には、
私など追いつきそうもありません。

それに、研究所がチンパンジー向けに開発した文字で文章も作るというのです。
画面のシーンを見て「AがBに近づく」、「Cが○○を食べる」という具合に、
チンパンジー文字を並べるというのです。

我々日本人は主語を抜いて文章を書きますが、どちらが高等なのか分らなく
なりそうです。(笑)

いろいろと面白い実験をみせてもらいましたが、何時も一緒にいる親子だから
継承される能力や、他の仲間をみようみまねで学習できること、また性格の
違いによる得手・不得手、学習の時期(幼児か成年後か)による違いなど、
まるで自分を含め身の回りのことも考えさせられました。

ただハッキリしたのは、個人?差はありますが、時間をかけて訓練すれば出来る
ようになるということです。ただ一貫しているのは「誉める」ということです。
罰したり怒ったりすることは通用しないようです。

そういえば昔見たサーカスで、猛獣使いが鞭を振り回していましたが、
あんなことは、動物愛護の観点から許されなくなったのでしょうね。
最近、サーカスなど見たことがないので、フト疑問が湧きました。

スパルタ式の厳しい訓練で、叱られて奮起する人が人間の世界ではいますが、
奮起できない人もいますね。 どちらが良いのか分りませんが、奮起できた
人が指導者になったら、「愛の鞭」を用いるのではないでしょうか。

先日、ほかの番組で見たイルカの訓練でも、怒ると拗ねて云うことを聞かなく
なるが、誉めると努力すると言っていました。

人や子供を育てるのも、同じことが言えそうです。

写真: 裏庭に矢車草が咲いています。

06-08-12 (土)晴れ