レミのソラ

ピアニスト/作曲家 知野礼美のブログ。
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ポゴレリッチ@サントリーホール

2010-05-06 02:04:37 | 日記・エッセイ・コラム
20100505__


聞いてきました。
想像を絶するリサイタル。
時間の概念はどこにもなく、6分の曲も20分かかります。分解された音符の数々がブワブワとした泡のごとく響き濁り、時折耳をつんざく内声やらバスの轟音。聞いてるこっちは何の曲弾いているのかさえわからなくなります。
しかしあのスローテンポについていく集中力はレミにはありませんでした。
ショパンソナタの3楽章‥‥熟睡でした。
メフィストワルツは猛毒入りで一瞬ショック死。
前半プログラムだけで1時間半以上かかりました。
もうこりゃしらふでは聞けないと観念して、20分間の休憩時間に白ワインを飲む。
後半は突如追加したブラームスから始まる。
シベリウスは全く現代音楽になっちゃって、まじっすかこれ。
ガスパールのオンディーンはわりと普通に始まったかなと思ったら途中でまた「一音一音にフェルマータ」で眠気が‥‥。ステージも暗すぎるんです!作業灯くらいのうすぼんやりで顔もよく見えない。この辺はポゴも少し改善してもらわないと。信者じゃなくとも来てる人はいるんだから!
そして終了。
ゆっくり上半身90°までもっていき静止5秒くらいのやけにバカ丁寧なおじぎ。
またおじぎ。
信者スタンディングオベーション。
おじぎ、おじぎ、何回か。
アンコールなしでおわり。

 

感想。
これほど独特な音楽を会場で聞けてよかった。
感動は全くなかったが、やばい聞いちゃいけないものを聞いてしまった、みたいな。
死後の世界とか涅槃といったいわゆる「あっち側」に連れて行かれそうなピアノでした。