レミのソラ

ピアニスト/作曲家 知野礼美のブログ。
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さすらいびと

2009-09-04 01:47:52 | 日記・エッセイ・コラム
シューベルトの名曲さすらいびと。
レミはこのところ、さらいびと。
とにかく時間かけてさらってさらってさらうしかない!
だけど素敵な瞬間が次から次へと湧いて来るみたいな曲です。
暗譜が大変でちょっと油断すると、さまよいびとになります。
なんでこんな不可能なアルペジオが続くのよ~
音はずしすぎては、はじらいびと。
テンポ揺れすぎると、へつらいびと。
びとびと疲れますね。やめましょう。
曲名正しくは「さすらい人幻想曲 ハ長調 作品15」
「おくりびと」のように人がひらがな表記になると、
なんだか「僕って(あたしって)こういう確立されたキャラクターのひとなんです」という
言いようも無い個人の押し付けがましさを感じますね。
大体今まで日本語の中に「びと」で終わる単語なんてあまり無い。
「こいびと」
「つきびと」
「むらびと」
「まちびと」例:待ち人来たる。
「もろびと」例:諸人こぞりて。
などしか思いつかない。
者や家や人を「びと」に置き換えるだけでマニアックな職業になる。
「ころしびと」
「かがくびと」
「かんりびと」
だから何だ。何でも無いです。
だけど、さすらいびとではシューベルトの世界観にフィットしないってこと。
ただのwandererですからただのさすらうただの人。
そこらへんの普通の人。
俺が私がと主張する事無く、迷って生きてる人間の姿。
だけど終盤は圧倒されるくらい希望を語りまくる、ドイツ人臭ぷんぷん。
技術的なことよりも、私にこのさすらい人を演奏する器はあるんでしょうか?
***
前振り長過ぎました。
12月16日のピアノワールドで演奏予定です。
チラシのデザイン終わりましたが、今度アップします。