Forever with Minjong

韓国の俳優・歌手キム・ミンジョンさんを応援するブログです。ネタバレ、独断ありの超個人的見解記事です。

棕櫚の森…(9)チョーダラダラ、ミアネ!

2006-01-10 23:18:32 | Weblog
アンニョンです。
今日は久しぶりに外に洗濯物を出せるお天気です。でもニュースで大雪のため主要道路が寸断されている地域のことを連日耳にします。これ以上雪が降らないことを願うばかりです。降雪地域の皆様、除雪作業の際の事故がありませんようお祈りいたします。


ファヨンの語る「棕櫚の森」…
ファヨンのオンマは子供が授からないことを理由に嫁ぎ先を追い出されたようですね。
そしてこの時の親父の怒りよう!韓国は家族の絆が強いそうだけど、こんな親父もいるんだね。このキレようからして、子供が生まれたら幾ばくかのお金をもらう手はずだったのかも…。

この暴力親父は漁の最中に嵐に遭い、帰らぬ人となりますが…。ファヨンが父親を亡くした思いよりも、どこかで生きていてまた戻ってくるのではないか、と恐れていることがかわいそうですね。結局、結果としては父親のいない世界で暮らしたい、という願いは成就したわけですが。

女性二人で慎ましく身を寄せ合って生活する彼女達に大きな出来事が起こります。
ある嵐の夜、荒波にもまれた一艘の船が彼女たちの住む浜に漂着。船長以下数名の男達がこの浜でしばらく日を送ることになります。

この船の船長さんはヘアスタイル、持ち物(カメラ、サングラス、ギター…)などからして都会の男性のようですね。母娘は浜に滞在中、食事の世話等をして彼らから報酬を得ているようです。船長はファヨンのオンマに好意を持っているようで、化粧品などもプレゼントしている様子。そして彼女にとっては初めて見る都会の男性で、これまた始めて淡い恋心を抱い男性だったのではないかしら。

ある夜、明日出航すると彼女に告げる船長。そして自分はこの島にまた戻りたい、そしてあなたを妻にしたい、子供を持って家庭を築き落ち着きたい…だから待っていてくれ…と頼む船長。
そして二人は夜の海辺で肌を重ねることに。

次の日ハルモニにも「必ず戻ってくる」ことを約束する船長。そして彼がファヨンに差し出したものは一本の棕櫚の苗木。
ここで彼はファヨンのオンマに、自分が戻ってきたら群衆がキリストを迎えたときのように、棕櫚の葉を振って「お帰りなさい!」と言ってくれ…と頼んでいるみたい。韓国はキリスト教徒が多いそうですが、この船長もそうなのかしら?この「ホサナ」と讃えながら棕櫚の葉を振る、というのは聖書にも記述されているので、クリスチャンの方はピンとくると思います。(日本人が帰還を祝うときに旗を振るような感覚かしら…)

そしてこの時、私の脳裡に浮かんだものはピート・ハミルの「幸せの黄色いリボン」(日本では高倉健さん主演で映画化されましたよね、リボンがハンカチに変わって。)
刑期を終えようとする男が、妻にあてて「もし自分を許し、帰りを祝ってくれるなら町の入口の樫の木に黄色いリボンを結んでおいてくれ」と便りを出します。いよいよ出所の日、バスに乗り家路に着く男。自分の町が近づいてきますが、ドキドキしてとても樫の木を見ることが出来ない。そこで道々話を聞いた乗客が代わりに見てやると…そこには無数の黄色いリボンが結ばれた樫の木が…。

きっとファヨンのオンマも船長の言葉を信じ、彼が戻ってきた時のために、ここを棕櫚の木で一杯にして、そしてその沢山の葉っぱを振って、夫を迎えよう…と思ったのではないかしら。一夜限りではあっても、ファヨンのオンマにとっては初めて男性に愛された経験だったでしょうし、船長もこの時は彼女のことを愛していたんだと思います。

現在のファヨンの状況をみれば船長が戻ってこなかったことは明か。戻ってくる愛を待っていた希望の森はいつの日か戻らない愛の象徴となってしまったのね。
ここでインソはハルモニが「簡単に約束をしてはダメですよ…」といった意味が分かったと思います。そしてもちろんファヨンがカモメのヒナを手に、棕櫚の森を消し去る事を願った意味も…。

これは私の推測ですが…ファヨンにとって棕櫚の森と同様に帰らぬ愛を象徴するものがあったと思うの。それは何といっても彼女の存在…。彼女こそが一夜の愛の結晶だもの。このことは棕櫚の森以上に彼女を苦しめたのでは。報われぬ愛を待ち続けながら、病気になってしまった母親。その哀しい姿を見ながら育ったことが彼女が強い自立心を持つに至った一因なのかもしれません。

この話はインソ先生の琴線に触れたようですね。おそらくインソ先生は誰かの話を聞いて涙する…なんてことはなかったのではないかしら。
でもファヨン自身、オンマとハルモニがいる間は、森を焼き払ってしまいたいほどの気持ちがあっても、それは出来ないことが分かっているのね。
私のことは心配しないで、そしてもう行って…と言うファヨンを抱きしめるインソの気持ちは、自分の短絡的な言葉で結果的にファヨンを傷つけた後悔も相まって切なかったと思います。

結局インソ先生は元の自分の生活に戻るため島を出ていくのね。この辺りは映像がないから想像するしかありませんが、ファヨンは映画館では号泣していたけど、きっとインソが発つ日は泣かなかったと思います。
そしてその日に設計デザインの勉強をすることを改めて固く決心したのではないかしら。誰かを待つ人生ではなくて、自分で歩いていく決意を秘めてインソの乗った船をまっすぐ見つめていた…そんな気がします。

これも推測ですが…ミンジョンの歌う♪チョウンサランマンナヨ♪。この歌は船長とファヨンのオンマのことじゃないかしら…などと思ったりしました。