眺める空に描くもの

高齢者女子のおひとりさま暮らしノート

介護の相棒だったわんこのこと

2024-09-04 23:16:10 | 介護
イヌが好きで好きで。いや、ネコもパンダも大好きで。なんなら動物全般が好き。
なので、本当はイヌを飼いたいけど、どう考えても、今の生活では飼えない。

基本的にその子たちより長く生きられないはず。
そして、いつ、入院するかもしれないし、なんなら死んでしまう可能性だってあるわけで。
といったことを考えて、両親の飼っていたわんこを看取ってから、やせ我慢をしている。

イヌが不足している暮らしはやっぱり、何か足りない。モフモフは癒し。

虹の橋を渡ったわんこのことをいつも考えていると、そばにいるような気がしてしまう。
懐かしいな。かわいかったな。いま、どこに生まれ変わっているのかな。
…って、かなり重症なイヌ不足を実感。そして、その子の動画を見て、はー、かわいいっ、と
飼い主バカっぷりを発動してしまう。

その動画というのが、玄関から郵便物をくわえてリビングまで運ぶという動画なのですが、
運んでいたのは、雑誌の入った郵便物。なので、かなり重たい。大きい。

うちの子は4キロくらいの子だったので、彼の体重からすると、相当無理をして、その
郵便物を運ばないといけないので、玄関から客間まで運んだときには、重くて取り落としてしまい、
私は「重かったね。もういいよ。あとは運ぶね」と声をかけたのですが、彼はきりっと、前を向き、
もう一度、郵便物を加えると、再度、リビングまでの道のりを歩き出し、きちんとリビングまで
運んで、そこでようやく荷物を置くという動画なのです。

よその方が見たら、「あら。えらいですね」くらいなものなのだけど、私にとってはプライドの
高いその子が、決めたことはきちんとやり遂げるという「負けない」姿勢を見せることに
感動してしまうという、飼い主バカっぷりな動画なのです。たはは。すみません。

うちの子は「どやっ」たりはせず、「ほめて」などとおもねることは一切しない。
なんというのでしょうか。「負けない強さ」みたいなものを持っている子で、やたらとおもしろかった。

年を取って、簡単にソファに上がれなくなったら、ソファの前で「ワン」とひとこと。
まあ、その態度が居丈高で、命令口調なのです。

死が近づいて具合が悪くなったときも、散歩に連れて出れば、「きゃん」と鳴いて倒れることがあり、
焦って抱き上げるのですが、しばらくすると「おろせ」と言い、また、散歩しようとする。

私は「また、倒れるといけないから、おうちに帰ろうね」と声をかけるのですが、耳を貸さず。
足がふるえているのに、リードを引っ張り、「前を向いて行くんだ」と強気でした。坂本竜馬か。

母の介護中、私ひとりでは入浴をさせられないので、入浴介助ために、デイサービスを利用させて
いただいていたのですが、うちの母は重度のため、介護士さんだけでなく、男性の看護師さんが、
必ずついて来てくださっていたのですが、具合が悪くても強気なうちの子に感心して、
「○○ちゃんはすごいなあ。勇気をもらえる」とほめてくださっていました。

介護士さん、看護師さんたちが出入りしてくださるのを楽しみにしていたうちのわんこ。
瀕死の状態で、看護師さんたちも「もう死んでしまうのでは」と心の中では心配しつつも、
来てくださる日はうれしくて、決して弱音を吐かず、つきまとっているので、ちょっと涙ぐまれることも。

担当看護師さんは病院で働いていたそうですが、定年で退職されて、介護の世界に入られたそうで、
心底、やさしい方で、母をベッドに移すときも、本当に大事そうに抱えてくださっていたことを
思い出すと、私も涙ぐんでしまいます。

最期の日々まで、その看護師さんにはとてもお世話になりました、
ひとり介護を続けて、先が見えない長さに疲労困憊していたときに、心を込めた介護をして
くださる看護師さんの姿は、私の励みとなりました。

そして、ひとりで介護を続けて来た私の姿を最初から見ていてくれたわんこは介護の唯一の
相棒で、彼の気の強さが私を励ましてくれていたことも、いつも思い出します。

私もいつか虹の橋を渡ったら、また、父や母やわんこと再会してみたいと願っています。

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