Four Season Colors

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MMO今昔

2023-01-16 | 雑文
インターネットを通じて同じ空間を共有して
遊ぶ、MMO系のゲームが商業ベースに乗っ
てはや二十年以上が経つ。

自分はその前半期のプレイヤーであったが、
その後半期はほぼ触れてはこなかった。

2022年の年末から2023年の年始にか
け、新型コロナによる引きこもり中にふと気
が向き、暇つぶしがてら触ってみた。

ゲームをオンラインに乗せる目的は、大きく
分けて2つで、世界を共有するか、一緒に遊
ぶかである。

そもそものインターネット自体の目的が情報
の共有であったからか、前半期のMMOもま
た、世界の共有に重きが置かれていた。

構築された世界の中はオープンで、確かにあ
るもう一つの世界として、助け合い、奪い合
い、流れる1分1秒の時間も共有した。

その後、様々なゲームがオンラインに対応す
ると同時に、現実の世界の流行や常識も変化
する。

とりわけ個人の権利はそれまでよりはるかに
尊重されるようになり、個々のプライベート
の意識も強くなった。

そうして要因は様々に、オンラインは目的よ
りも手段となり、ゲームは世界の共有から一
緒に遊ぶことに流行が変わる。

格闘系にしても、今が最盛期であろう純粋な
FPS系にしても、目的は一緒に遊ぶことに
ある。

それらは大会がオフラインで開催されること
からも、オンラインは利便性を高める手段で
あることが分かる。

一方でMMOは、世界を共有するという最大
の目的は変わらないものの、時代の流れを受
けて、個人の独立の比重も高まっている。

だから一つの世界をすべてそのまま共有する
のではなく、「世界の共有」と「一緒に遊ぶ」
の間には、明確な線を引きつつある。

とある有名なゲームプロデューサーは、今の
MMOはコミュニケーションツールだといっ
ていた。

確かに久しぶりのMMOは、世界の共有では
なく、あくまで個人の尊重された、一緒に遊
べるコミュニケーションツールだった。

世界と時間の共有に生きた世代は、この「コ
ミュニケーション」と「一緒に遊ぶ」ことが
明確に分かれたMMOをどう感じるか。

個々は尊重されているし、気楽で悪くはない
けれど、共有の限定されたちょっと静かな世
界は、物足りなくもある。

サンプル数は1なので何の参考にもならない
が、これが一つの感想でもある。

ただ、インターネットによる繋がりが当たり
前の時代、そのコミュニケーションもまた、
二十年前とは大きく変わった。

現実の距離を感じさせない現代に、仮想の世
界で時間まで共有するなんて、重すぎるし、
時代じゃないのも、理解はしている。


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