Brexit leader Farage blames NATO for 'poking' Russia
例によってまたユーチューブを見ていたら、ナイジェル・ファラージュというイギリスの議員(Brexitで中心的な役割を果たした)のインタビューがあり、彼の言っていることに我が意を得たり、と思った。
「この30年間、ベルリンの壁の崩壊以降ずっと考えていたのですが、EUとNATOの絶え間ない拡大は地政学的な誤りであるということです。われわれはロシアという熊を棒でつついてしまったのです。そうすることでプーチンはロシアは西側に包囲されていると考えるようになり、彼に国家主義的な大義を与えてしまったのです。」
と述べている。
どの報道を見ても、おそらくアメリカの顔色をうかがってだろうと思うが、このことを指摘するものは少ないというのが僕の印象だったが、こういう人もいる、しかも、イギリスの有力議員の中にである。
これからはロシア軍の残虐さというものが前面に出て、この本質的な核心部分について述べる人の意見は影が薄くなっていくだろう。
また、このインタビューアーが最後に、バイデン政権はこの戦争を止めるための努力を十分したと思うか?と聞いているが、その聞き方から察するに、していないだろう、という意志を感じる。
それに対するファラージュの答えは、すこしあいまいに聞こえるが、このインタビューアーが持っている疑念を共有しているように聞こえる。
バイデン政権はこの戦争を「本気で」止める気はなかった。ロシアとまじめに交渉することすらしなかった。NATO拡張の「大義」を優先して、事実上ウクライナを見捨てたといっていい行動をとった。むしろこの侵攻を利用してロシアの残虐性を批判しているかのように見えたが、逆に今はウクライナから直接介入しないことをアメリカの弱さだと非難されるようになっている。完全にアメリカの傍観的な態度はbackfireしている。
ファラージュ氏は今後、プーチンがエストニアやポーランドなどに仮に侵攻することがあれば、アメリカやNATOはどうするのかと述べ…それはBig moment 「非常に試練の時」だと答えている。
僕はそこまで(アメリカがNATOを守らないかもしれない)は疑っていないが、この戦争で一つだけはっきりと白日の下にさらされたのは、アメリカは同盟国以外の国が、他の核保有大国に侵略されても軍事援助はしても、軍事的介入は絶対しないということだ。もちろん、核戦争を恐れてである。
この冷厳なる事実には、いまウクライナはもちろん、だれよりも台湾が直面している事だろう。一切の甘い期待はもうないはずである。
僕は台湾はそう遠くない将来、核武装すると思う。それいがいに生き延びる道はないからだ。
バイデン政権は、本気でこの戦争を止めなかったことで、アメリカの弱さを世界に露呈することになってしまった。頭のいい人たちが集まっているアメリカが、そこまで読めなかったのか?という思いがある。
みるところ、世界はベルリンの壁崩壊以前の状態(冷戦時代)に戻りつつあるようだ。これから各国は軍事費をかなりな程度上げていかなければならないだろう。それはもちろん、経済、国民生活を圧迫する。そして日本だが、いままではどちらかというと対中国に専念していればよかったが、これからはロシアと中国という2大大国に隣接する国として、非常に難しいかじ取りを迫られていくだろう。
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