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SENgoKU anD VISIon -乱世を追う-

戦国・江戸時代 武将 甲冑・刀剣・茶道具 博物館・美術館・城・茶室などを巡る拝見記。その他の雑記もあり。

1712 霊山歴史館 龍馬と西郷隆盛

2018-02-28 | 探訪
京都
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霊山歴史館
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秋の特別展「龍馬と西郷隆盛」
期間:10月31日(火)~12月24日(日)
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別府晋介所用 脇差
長さ53cm。銘は「村正」とあるがこれは偽銘で、当時徳川家に祟るとされた村正は人気だったようで、この様な偽物も多かった。
元薩摩藩士であった別府晋介が西南戦争で敗れた西郷隆盛の切腹を介錯した時に使ったとされる(異説あり)。
木戸孝允所用 短刀
長さ27.5cm。銘は「備州長船則光」であるが偽銘。幕末に造られた新刀。
維新の三傑のひとり「逃げの小五郎」と呼ばれたが決して弱かったわけではなく剣の腕は確かだった。危険を察知する能力に長けていたようで滅多に剣を抜くことが無かっただけのようだ。
都々逸「梅と桜」 木戸孝允筆
木戸孝允が薩長同盟が成った事の喜びを歌ったもの。
梅(長州)と桜(薩摩)は同時に咲くものではないのに咲いた事から、同盟が結ばれた事はそれくらい大変な事だというもの。
高杉晋作所用 鉄扇
扇の骨の部分が鉄製で、武器として用いる事が出来た。扇面には高杉晋作自作の漢詩が書かれている。
最期に「東行狂生」と描かれておりこれは高杉の号。

2018年の大河主人公は西郷隆盛。特別展も3ヶ所で行われるようですが、どこかは見に行きたいと思います。

1712 松花堂美術館 松花堂昭乗,書画のたのしみ 後期

2018-02-24 | 探訪
京都は八幡
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松花堂美術館
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特別展「松花堂昭乗,書画のたのしみ-麗しき筆あと,愛らしき布袋-」
期間:10月28日(土)~12月10日(日)

今回は後期展示
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宗祇像 松花堂昭乗筆
長いあご髭を蓄え、脇息にもたれ右手に団扇を持った姿の宗祇肖像。
上部には宗祇の和歌と発句を昭乗が書す。
宗祇の肖像画は3つのタイプに分かれるが、これは人麻呂像に倣ったもの。
一休宗純像 松花堂昭乗筆
団扇を持った右手で膝を抱えた姿の一休肖像。佐川田昌俊の依頼により昭乗が描き、沢庵宗彭が着賛したもので昌俊はこの画を一休ゆかりの酬恩庵に納めた。表具も佐川田昌俊好みのもの。
晩年酬恩庵の傍らに居した昌俊の一休尊崇の念は厚かったようだ。
踊布袋図 松花堂昭乗筆
頭に瓢箪を載せ、片足を上げた軽妙な姿の布袋像。大徳寺の玉室宗珀と沢庵宗彭が着賛している。
テレビ小説「あさが来た」で知られる広岡家(加島屋)伝来。

松花堂昭乗の書画を多く拝見する事が出来ました。中国の画家の影響を分かりやすく解説してあったのもポイント高いです。

1712 香雪美術館 利休と剣仲 後期

2018-02-21 | 探訪
兵庫は御影
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香雪美術館
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利休と剣仲 千利休と藪内剣仲-侘数寄の心
期間:10月7日(土)~12月17日(日)
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小倉色紙「たかさこの」 藤原定家筆
添状 千利休消息

定家が書し小倉山荘の障子に貼ったとされる色紙。
利休の添状には、この色紙を借りて茶会に用い大いに面目をほどこしたと感謝の意を表している。
細川三斎所持で、表具も三斎が行っている。
消息「筋痛みの文」 古田織部筆
藪内燕庵蔵。十二月十九日付、藪内剣仲宛。織部が剣仲の茶事に呼ばれた際に無断で鉈鞘籠花入(元利休所持)を持ち帰り、剣仲が返却を申し入れたところこの手紙を添えて息子の小平次に持たせ返却をした。
手紙の内容は「特に用件がある訳ではありませんが、小平次を遣わしますので手紙を差し上げます。小平次に諸事指南していただければ有り難いです。(中略)この間は筋を痛めましたが大したことは無いので安心してください。御用があれば心置きなく仰せください」といったもの。
全然謝ってないのが織部らしいところでしょうか。
消息「末期の文」 千利休筆
藪内燕庵蔵。細川幽斎宛。内容は家康・秀忠より心遣いをいただいたと感謝の気持ちを密かに幽斎へ伝えたもの。
その後に藪内剣仲の追書きがあり、それによれば利休が秀吉の勘気をこうむった際に徳川家康・秀忠が取成してくれた事。裂け破れた状態であったこの手紙を細川三斎より剣仲が譲り受けた事。この手紙が「末期の文」と呼ばれている事が記されている。
天正19年(1591)利休が死に至る過程で書かれたものだろう。
備前水指 銘「溜水」
岩肌の様な胴が特徴的な備前焼の水指。
北向道陳所持。箱表の「たまり水」は織田有楽筆とされる。また武野紹鴎が詠んだ歌を細川三斎が書した色紙が添う。
信楽 鬼桶水指 銘「賎女」
元来紡いだ糸を入れておく民具であったものを水指に見立てたもの。信楽焼独自の赤みのある荒々しい土肌が特徴的。
武野紹鴎所持でのちに利休が所持した。千宗旦が底裏に「シツノ女」と朱漆書きしている。
紀州徳川家伝来。
唐物 藤組 臑当 炭斗
魚籠であったものを炉用の炭斗に見立てたもの。「臑当」の名称はその見た目が甲冑の臑当に似る事から。
慶長元年(1596)蒲生氏郷より堺の万代屋宗安が拝領した事が箱書きされている。

織部の「筋痛みの文」は以前から拝見したいと思っていたので良かったですが、鉈鞘籠花入(個人蔵」もいつか見てみたいものです。

1712 岐阜県博物館 郡上ゆかりの茶道具コレクション

2018-02-18 | 探訪
今回は岐阜
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岐阜県博物館
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《齋藤美術館 移動展》郡上ゆかりの茶道具コレクション
期間:11月11日(土)~12月28日(木)
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一行書「夢」 江月宗玩筆
大徳寺の僧江月が書した一字。「夢」の字は父・津田宗及の茶杓の筒に江月が記した字でもある。
また同時代の大徳寺の僧・沢庵宗彭も臨終の際に書したとされる。
黒楽茶碗 銘 浅瀬 道入作
樂三代ノンコウの造った所謂「馬盥形」と呼ばれる平茶碗。
黒釉を二重掛けした幕釉の技法が用いられている。
竹茶杓 古田織部作
櫂先の曲げは緩く、露は丸形。節上右側に染みがみられる。
織部の茶杓としては大人しい形。
竹茶杓 銘 玉箒 小堀遠州作
下り節が特徴的な茶杓。筒の詰に「玉箒」とありその下に歌が二行に書かれている。

齋藤美術館は郡上八幡にある美術館。郡上八幡に行ったときは寄ってみたいと思っていたのですが、なかなか行けず。次回は是非美術館で拝見したいと思います。

1712 妙喜庵 待庵

2018-02-15 | 探訪
京都は山崎
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JR山崎駅前にあるのが
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妙喜庵
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妙喜庵には書院(対月庵)そして国宝茶室「待庵」があります。
今回は「待庵」を拝見しに伺いました。
※見学には事前の予約等が必要です。
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待庵は千利休の遺構として唯一残る茶室で、茶室建造物としても最古のもの。
ただこの妙喜庵に移築されるまでの来歴ははっきりとしていません。

内部は撮禁です(下は戴いた「妙喜庵略記」と購入したポストカードより)
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最初は書院(対月庵)です。ここには仏間があり、本尊の聖観音、左側に千利休像が安置されていました。
次はいよいよ待庵です。書院から茶室西側を通り正面の躙口へ。そこから内部を見ます(入室は出来ません)。
内部は二畳。正面には隅や天井を塗りまわした「室床」が見えます。室内はやや薄暗い印象。
ここに利休が座っていたのかとの想いが脳裏に過ぎります。

数多ある茶室の中でもここは特別なのでしょうか。
妙喜庵の門を出るとなんだか異世界から生還したような奇妙な感覚を受けました。


1711 大山崎歴史資料館 千利休とその周辺

2018-02-12 | 探訪
京都は山崎
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大山崎歴史資料館
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企画展 千利休とその周辺
期間:10月21日(土)~11月26日(日)

2度拝見しました
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宝積寺絵図
山崎にある寺院・宝積寺を描いた絵図。17世紀後半に描かれたとされる。
絵図の左側には、天正10年(1582)秀吉が宝積寺に「杉の庵」を構え茶席を設けたと記されている。
また絵図中左手には「利休」書かれた張り紙と屋敷の絵があり、ここに利休の山崎屋敷があった事が分かる。さらに下部には「妙喜庵」「かこひ 袖すり松」と張り紙があり、妙喜庵に囲い(茶室)が存在し、これが現在の待庵と思われる。
待庵は移築説が有力で、宝積寺や利休屋敷などさまざまな説があるようです。
千利休書状
正月十四日付、休庵宛。休庵なる人物が利休の所を訪ねたが、利休が多忙の為会えなかったようで今日の午後に時間が出来そうなので人を遣してほしいと述べている。当時の利休が多忙であった様子が窺える。
古田織部書状
浅野幸長宛。昨夕の茶会の礼状で、茶室を掃除された事に恐縮している。また文中には紀州藩家老で織部の門弟でもあった上田宗箇の名も見える。
浅野幸長も織部を師としており、宗箇を介して茶の湯について尋ねた「茶道長問織答抄」なる文書が現存する。
馬図 細川三斎筆
馬の背姿をさらりと描いた絵。武士の子である海北友松や剣豪・宮本武蔵も馬の絵を残しているが、武士にとって最も近しい動物であったのだろう。そして何故か背姿を描いている。

他には「土佐派絵画資料」より堺ゆかりの人物の肖像が多数出展されていました。

さてさて今回の企画展中呈茶が行われていました。
長野在住の方が作られた「待庵」の原寸大模型の中でお茶を飲む事が出来ます。
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外観
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躙口
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内部
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天井

模型とはいえなかなかの雰囲気でした。

1711 奈良八窓庵

2018-02-11 | 探訪
今回は
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鹿!
ってことで奈良です
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奈良国立博物館の奥の庭園へ
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池の向こうにある茶室「八窓庵」が今日の目的地ですが、
その前に
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寄付待合
元は奈良帝室博物館の事務所の一部
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腰掛待合
藪内燕庵の腰掛を写したもの
そして
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八窓庵
元は興福寺大乗院に江戸中期に建てられた茶室で、含翠亭と呼ばれていた。慈眼院の六窓庵(東京国立博物館に現存)、東大寺四聖坊の隠岐録(焼失)と共に「大和三茶室」と称された、古田織部好みを取り入れた茶室です。
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刀掛
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躙口
早速中へ
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間取りは四畳台目。横長の三畳台目に逆L字に貴人座が付く。
奥の点前座には色紙窓が設けられ織部好みとなっています。
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貴人座と床
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赤松の床柱に黒漆塗の床框は武家好み。左側には墨蹟窓が。
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点前座
正面に風炉先窓、入隅に雲雀棚を吊っている。こちらも織部好み。
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相の間の円窓

奈良国立博物館に来るたびに外観は見学してきましたが、今回は入室見学。
貴人席の配置などから三畳台目の燕庵形式を一歩進め、より武家茶に合った茶室を創り上げた感じです。

2017年 国宝陶磁器を全て見る

2018-02-10 | 徒然
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前回紹介の「不二山」でなんと年間での国宝陶磁器14点の拝見が完了しました。

・藤田美術館「ザ・コレクション」展
曜変天目茶碗(藤田美術館)
・石川県立美術館 常設展
色絵雉香炉 仁清作(石川県立美術館)
・東京国立博物館「茶の湯」展
曜変天目茶碗(静嘉堂文庫美術館)
油滴天目茶碗(大阪市立東洋陶磁美術館)
青磁下蕪花生(東京・アルカンシエール美術財団)
大井戸茶碗 喜左衛門井戸(孤篷庵)
志野茶碗 銘 卯花墻(三井記念美術館)
・承天閣美術館「禅林美術」展
玳玻天目茶碗(相国寺)
・京都国立博物館「国宝」展
曜変天目茶碗(龍光院)
青磁鳳凰耳花生 銘 万声(和泉市久保惣記念美術館)
飛青磁花生(大阪市立東洋陶磁美術館)
・MOA美術館「茶の湯の美」展
色絵藤花文茶壺 仁清作(MOA美術館)
・東京国立博物館 常設展
秋草文壺(慶應義塾)
・サンリツ服部美術館「大名茶人の系譜」展
楽焼白片身変茶碗 銘 不二山 光悦作(サンリツ服部美術館)

最初から狙っていた訳ではなく、龍光院の曜変天目の出展から「これはもしかして」と思い調べたところ残りも見学が可能と分かり達成出来た次第。
そもそも最初の藤田美術館の曜変天目は何度も観ているので見に行くつもりは無かったのですが、美術館が長期休館になるとの事で急遽行ったもの。次の色絵雉香炉も長次郎の「北野黒」を見に行ったついで。
「茶の湯」「国宝」2つの大規模展が重なったのもラッキーでした。
なかなかこんな機会は無いと思うので2017年の良い思い出になりました。

1711 サンリツ服部美術館 大名茶人の系譜

2018-02-09 | 探訪
長野は諏訪
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サンリツ服部美術館
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大名茶人の系譜 古田織部・小堀遠州・片桐石州
期間:10月9日(月)~12月14日(木)
daimyou
白楽茶碗 銘 不二山 本阿弥光悦作
国宝。直線的な四角の茶碗。雪を冠した富士山を想わせる景色が素晴らしい。
「光悦七種」「光悦十種」に挙げられる。別名「振袖茶碗」。
黒楽茶碗 銘 初午 道入作
撫四方の胴部に高い高台が付いた馬上杯形の茶碗。
「馬」上杯からの連想で「初午(はつうま)」と銘名された。
万暦緞子袱紗
添状(片桐石州筆 稲葉正勝宛)

明時代万歴年間に織られた伝わる緞子。
附属の石州書状によれば、千道安・桑山宗仙そして石州と伝わり大切にしていたが、正勝に譲る旨が記されている。

今回は久々に不二山を拝見に来ました。実はこれで(次回へ続く)

1711 東京国立博物館 室町時代のやまと絵

2018-02-08 | 探訪
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東京国立博物館
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室町時代のやまと絵-絵師と作品-
期間:10月24日(火)~ 12月3日(日) 
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清水寺縁起絵巻 土佐光信筆
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源氏物語図扇面 伝土佐光元筆
土佐光元は織田信長の仕えていたが、永禄12年(1569)8月但馬攻めに従軍し戦死。これにより土佐宗家は断絶した。
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足利義政像 伝土佐光信筆
521
桃井直詮像 伝土佐光信筆
幸若舞の祖とされる人物
529
牡丹花肖柏像
建仁寺の常庵龍崇が記した賛より大永7年(1527)4月肖柏没後製作された遺像。常庵龍崇の父・東常緑は宗祇に古今伝授を行った人物。

ここから常設展示
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秋草文壺
陶磁器部門の新国宝指定の第1号
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刀 相州正宗(名物 石田正宗)
伝来は宇喜多秀家、石田三成、結城秀康、津山藩松平家
453
脇指 相州貞宗(号 石田貞宗)
石田三成所持
441
太刀 福岡一文字貞真
久留米藩有馬家伝来
447
太刀 福岡一文字助真
国宝。紀州藩徳川家伝来
470
秋冬山水図屏風 円山応挙筆
477
四季花鳥図巻 酒井抱一筆
484
和歌巻 本阿弥光悦筆
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大石良雄(内蔵助)書状

牡丹花肖柏の肖像画は師の宗祇にも同様の構図のものが存在していますが、どちらも歌聖と呼ばれる柿本人麻呂の肖像画を下敷きにしています。江戸時代になると肖柏像は金の角の牛に乗った姿で描かれることになります。人麻呂の写しからキャラ立ちした肖柏の姿がそこにあります。