ブログ・オブ・タナザキ

空想地図 多奈崎市を作っている人らのブログです

お久しぶりです 多奈崎のこれまで(前編)

2022-10-31 21:36:44 | 日記
お久しぶりです。

筆不精が過ぎて最後の更新から2年が経過してしまっていました。2年まえ、最後の記事は2020年に書いたものですが、これを書いた頃はまだ大学卒業前で、そして今はもう社会人2年目になっており、流れる季節の真ん中でふと日の長さを思い出すものです。

最近twitterすらもまともに動かせてない中で、多奈崎ってもう終わったのかなと思われても(あるいは忘れられてすらいても)不思議ではないなと思うものですが、実は大学を卒業してからちょっと動きがありまして。



こちらは2019年に公開した多奈崎市全図です。
 
続いて、多奈崎市の最新地図データがこちら。



まあよく見ないとわからない違いのような気もしますが、つまるところこれまでで一番大規模な「描き直し」に着手しております。例えば川の流れが結構変わってたり、城の場所がちょっと移動してたりします。

そもそも空想地図を「描き直す」って何ぞやという話ですが、(ほら絵画って普通徐々に描いて描いて一枚完成、また別の絵じゃないですか、いやわたしは絵画を描いたことがないのでよくわかりませんが…)地図を描き終えてからまじまじと見返してみると、地図の形にはなっているんだがなんか釈然としない、なんか違和感しかない、歴史的にこれ整合性取れてなくない?こういう街ってできあがる?或いはなんか言語化できないけど納得行かない、といった"違和感"が積もり積もることがあります。

空想地図作家には細かく分けるとまあ実は様々なタイプがおり、ひとつの町や地域を描き続ける人もいれば、ある地域の一枚の地図を描き終えたら全く別の地域の地図に着手する、みたいな人もいて、かくいう私は今のところ「多奈崎市」をひたすら描き続けている前者のタイプな訳ですが、そういう人は特にこの「描き直し」を行う傾向にあります。なんせ一つの地域に数年〜十数年という年月をかけて創作しつづけているわけで、地図を描いた当時よりも知見や経験が溜まってから見返してみるとうーむ、となるタイミングがあり、さらにその溜まったインプットがアウトプットに落とし込めるぐらいまで腹落ちしてくると、"再測量"(地図の当初の"測量"が間違っていたという解釈)と銘打った描き直しをすることが結構あります。

多奈崎市の話ばかりですが(まあ多奈崎のブログなんでね😉)、市街地を中心としたこの詳細都市地図の創作の歴史を少し話させてもらうと、まず、今の多奈崎市の詳細な地図をパソコンで描き始めたのは2013年5月に遡ります。(それより前に広域な地図をちゃっちゃと描いていたりはするのですが、長くなるので今回は割愛)1ヶ月ほど、6月ごろにはこんな地図になっていました。中学3年の春から夏にかけてのことです。



この頃はフリーソフトで描いていて、また文字や記号類も途中で一掃するタイミングがあったので、今とはかなりデザインのトンマナが違ってますが、城下町から発展した地方の県庁所在地というコンセプトや、川が街を囲むように流れ込んでいる点は今日まで継承されています。



1年ほど経ってから。配色やデザインなど改めつつも、地図の中身は大きく変わっておらず。

この1ヶ月後、作業していたPCが突然お釈迦になり、泣く泣くPDFから気合でデータの復元が試みられましたが、それもかなり大変な作業で結局復元は放棄していました。2015〜17年にかけては実はほとんど地図なんか描いておらず、高校生活を人並みにしたり受験勉強したり大学入ってたりしました。

そして突然訪れる転機。大学入学後に賜った新しいPCとAdobeのIllustrator、これを使って地図の復元が試みられまして。



ある程度の規模までは作り上げた多奈崎を放棄するのはあまりに勿体なかったのか、せっかくならもう少し規模を広げて人様に開陳しておきたいような気持ちで復元したのでしょうか、今となっては実はあまり覚えていません。

とはいえ基本的には以前描いたものの復元+それより外側の拡張を当初は念頭に描き進めていたわけですが、翌年・2019年に「空想地図をマニアフェスタに出してみては」と、既に先行してブースを出していたパイオニアである地理人先生(あえてこの敬称をつけますが)にありがたいお話をいただき、大判の紙に印刷してお客さんに恐れ多くも己の作品を売るという体験をするに至ることになります。

併せて、大学に入ってからは時間と金銭的な余裕が高校時代と比べて増え、すなわち自由が増え、創作の参考となる「地方都市」を実際に己の目で見てみようと全国の主要都市を手当たり次第に回り始めたのもこの頃です。街に関するインプットの量が高校時代までと比べて数倍多く流入するようになり、また作り始めて5年そこらで当初より知見も若干たまりつつあり、入稿前に少し整えておこうということで目立たない部分ですが道路を修正したりしました。



2019年の印刷した際はこんな感じ。もうかなり今の地図です。どちらかというとフォントを実物と揃えたり、文字や記号や配色の類を実際の地図に近づけたりビジュアルをちゃんと「地図」らしくするという段階でした。

……と、ちょっとここ数ヶ月取り組んでいる描き直しのことを書こうと書き始めたのですが、その前段に当たる部分でかなりの文字数を割いてしまいました。前編後編にするとだいたい後編を書かないので書き上げておきたいのですが、しかしこのへんで一区切りさせておきます。また長くなるような気がする。

・・・

2013年の描き始め〜2019年の最初の販売までの6年をすごく簡単に綴りましたが、そしてここから先ちょっと脈絡がないですが、2022年4月から展開している新たな多奈崎グッズの紹介です。

「空想旅行帰りセット4」
"多奈崎からの旅行帰りに持って帰ってしまいがちな小物類"…と銘打って、マップや番組表など展開してきましたが、第4弾は「まちづくりシンポジウムのフライヤー」「喫茶店のコースター」「個展の案内DM」3点セット。いよいよこの人はどういう旅行をしてきたのでしょうか。そしてコースターはちゃんとコースターとして使えます(伝わって)。

4弾目にして初の「実用性ある空想グッズ」が登場しました。

この機会に是非どうぞ。

Ranoでした