月の瓶詰~ブログ版~

こぼれゆく時の欠片を瓶詰に。

映画「クヒオ大佐」感想

2009-10-13 12:09:00 | モノガタリ
映画「クヒオ大佐」を見た。


クヒオ大佐という人は、どうもよく分からない。

だまし取ったお金で贅沢な暮らしをする訳でもなく、
自転車操業さながら、お金は手元を通り過ぎてゆく。
(そもそも、あまりお金がなさそうな女性から、ちまちまお金を集めている。)

いつも軍人の格好をしている割に知識は古くて、
しかし中佐から大佐に昇格していたりもする。

苦労の多い少年時代を送ったのか、
その回想もまた、大佐の(本人すら欺く)作り話なのか。

掴み所がない。


クヒオ大佐は、「詐欺師」というより、
「ダメな男の人」と表現した方がしっくりくるような気もする。

きれいな女性を見たらすぐ好きになって、
そのデート費用を他の女性に出させてしまう。
大きな夢を語っては借金を繰り返す。そういう男の人。

一方、女の人も、
その夢が叶うことはないと薄々気付きながら、
「その夢を応援する自分」に対してお金を出し続けてしまう。

これはきっと、オトナの恋愛映画なのだ。


ところで、クヒオ大佐のたどたどしい日本語が、とても自然。
「たどたどしい」と「自然」が両立するとは思いもしなかった。


私もクヒオ大佐に騙されてしまったのだろうか。


コメント (4)
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