月の瓶詰~ブログ版~

こぼれゆく時の欠片を瓶詰に。

太宰府探訪記(後編)

2008-08-01 12:50:45 | 旅行記
いつの間にか、出口近づく。
今回のチラシで目立っていた旗は、鳥居強右衛門ドノを描いた物だったと知る。
あ、強右衛門さんか…と思ったけれど、これは吉川英治さんのお蔭。
『新書太閤記』を読んでいなかったら、きっと名前を見ても「?」で終わっていた。
「名作」は強し。

そして『台記』発見。どうも悪左府ドノとは親しくなれそうにない。
皆が気付いていながらふれずにいる部分を、びしりと指摘しそうだからなあ。
いや、あの頼長殿が、そもそも私のような小者に興味を持つはずはないから、
別に心配しなくても良いのだが。

最後に大河ドラマコーナーがあり、劇中衣装が展示されていた。
大奥の衣装はきらびやかだが、特に着てみたいという気は起きない。
装束といえばやはり直垂。
直垂で袖をさっと翻しながら座ったりしてみたい。
しかし直垂は結構なお値段で…とりあえず侍烏帽子から手をつけるか…と
考えを巡らせながら、パネルや映像でしっかり家定公をチェック。

なぜか人目をはばかってしまう。

きっと、『anan』で木村拓哉さんがずっと一位なのも、その辺りに関係しているように思う。
木村さんは、「好きな芸能人です」と言いやすい男前なのだ。
堺さんは素敵だけれど、何かこう…。
(映画「ジャージの二人」で気付いたけれど、どうやら私の口癖は「何かこう…」らしい。)

閑話休題。

通常展示をざっと見て、今回は終了。
夏休みで社会科見学組がいない分、随分ゆったり見られた。
ただ、毎回ながら年配の方々のエネルギーには圧倒される。
ちびっ子そこのけのはしゃぎっぷりで、あちこちで博物館の方に注意されていた。
この国の未来も明るい、か。

博物館を出て、暑さに驚く。

菅公の御命日にあたる毎月25日は、蓬風味の梅ヶ枝餅が販売されている。
(最近「復活」したものらしい。)
はっきり「よもぎ餅あります」と書かれていたのが「かさの家」だったので、
炎天下、行列して購入。うっすらと緑がかった餅は、ほのかに蓬の香りがする。
うっかり何個も食べてしまった。

昔から太宰府にはよく来ているが、最近の混み様はすごい。
次回は竈門神社まで足を伸ばして、平家人所縁の鹿を眺めながら
閑寂の中にあそんでみようか…。



太宰府探訪記(前編)

2008-08-01 12:46:32 | 旅行記
このところ休日出勤が続いたので、お休みを頂いて太宰府へ。

7月24日・25日は天満宮の夏祭りらしく、文芸灯籠なるものがたくさん飾られていた。
強い陽光の下で見る祭りの跡も、なかなかしみじみとした味わいがある。
心字池から辺りを望めば、すいすいと泳ぐ亀の姿。楼門前には茅の輪あり。
天神様にもしっかりご挨拶をして、九博へ向かう。

今回は暑さのためか出足遅く、開館時に行列なし。

確か年間スケジュールの段階では「東京大学史料編纂所名宝展」だったと思うが、
それを副題に下げて「島津の国宝と篤姫の時代」という看板を掲げた人は偉い。
断然、華がある。

さて、「懐かしい人に出会う」と占いに出ていたので多少期待せぬでもなかったら、
初っぱなから頼朝さんに尊氏さん、直義さんに高師直ドノ…と懐かしい名前のオン・パレード。
さすが島津家。
最近、南北朝時代にはとんとご無沙汰していたので、「観応」の文字にどきりとする。

古文書は説明板と見較べながらでないと理解が覚束ぬが、
一応実物の文字をじっくり見てみる。

直義さんはやっぱり堅そうだ、下についていくのはきついかもなあ、と思う。
尊氏さんはつかみ所がなさ過ぎて不安。師直さんは切れ者でちょっと怖い。
やっぱり頼朝さんかな、程々で安心できる…等々、今更どうしようもないことを
真剣にああでもないこうでもないと考え込んでしまった。
(もちろん、賭けるお方は清盛さんただ一人だが。)

風刺画に、篤姫さんを北条政子嬢に模した物あり。
他に描かれているメンバーは、「北条時政」「源義経」「源実朝」「大江広元」「江間小四郎」。
毛利さんにつながるからだろうが、広元さんが選ばれているのがちょっと嬉しい。
それにしても、「江間小四郎」なんだなあ、「北条義時」でなく。
すっかり心は中世へ飛んでしまい、大奥再現映像もすっ飛ばしてずんずん進む。

ああ、「篤姫の時代」のはずが…。