量子力学と意識の変容(宇宙と人間の無限性について)

量子力学をどのように生活に活用するか、量子力学と意識の変容とタイムトラベル・パワレルワールドの究極の可能性を探求します。

光が宇宙空間を伝播するのに不可欠なエーテル:絶対空間の座標を持つもの

2012-04-23 | 日記
ニュートン、マクスウェル、プランク、アインシュタインと続いた
19世紀(後半から20世紀)の物理学は、大きな問題に差し掛かっていました。

それは、「エーテル」です。

この「エーテル」という概念は、
もともとは、ギリシア時代に発しています。

そして、ギリシア語のアイテール(αiθήρ)は、
人間の住む地上世界(目に見える物質世界)に対して、
神ゼウスと神々が住む「目に見えない天の国の領域(天国)」を指します。

(つまり「エーテル」は、形而上学的=「神の世界」を意味します。)

エーテル (神学) - Wikipedia

エーテル、アイテール(古希: αiθήρ)とは、古代ギリシャにおける輝く空気の上層を表す言葉であり、アリストテレスによって四大元素説を拡張して天体を構成する第五元素として提唱された。これはスコラ学に受け継がれ、中世のキリスト教的宇宙観においても、天界を構成する物質とされた。

アリストテレス以前より古代ギリシアにおいてアイテールは、大気の上層、雲や月の領域、あるいはゼウスの支配する領域を意味する言葉として用いられた。これに対して下層の空気はアーエールと呼ばれた。語源上、アイテールは「つねに輝きつづけるもの」を意味しており、そこから消えることのない空の輝きを表現した。パルメニデスはアイテールを大気の上の炎、「穏やかかつ希薄で、一面に均一に広がるもの」と表現し、暗く濃く重い大地の物質と対比した。またピュタゴラス教団は人が死んだ後に魂がたどり着く永遠の汚れのない領域だとした。これらいずれにおいてもアイテールは、地上の死すべきものの世界に対して、永続的な世界を指し示している。

元素にはそれぞれ固有の性質があるとされ、アイテールは天体の動きに見られるように、変形せず永遠に回転し続ける性質をもつとされた。 こうしたアリストテレスの考えによってエーテル(アイテール)は天界を満たしている物質として後世まで広く認知されることになった。


光が波の性質を持っていることから、
宇宙空間を伝播するために、媒質があるはずです。

ということで「エーテル」は、
理論的に不可欠なものとして古来から考えられて来ました。

そして、デカルト以後、
(神学的思考でなく)科学的思考において、この「エーテル」が、
「世界と宇宙のすべてを満たしているもの」とされたわけです。


しかし、「エーテル」には、幾つか問題がありました。

それは、

1 「エーテル」を誰も見たことがなく、物質として確認されたことがない。
2 マクスウェルの電磁方程式から、電磁波(=光)は、
  相対速度で動くデカルト座標系に無関係で、
  常に一定の 3.0×10の8条[m/s]となる。
3 光速 3.0×10の8条[m/s]は、何の座標系に対する速度か不明。
4 電磁波(光速)が(何かの座標系に対して)不変であることから、
  媒体としての「エーテル」が絶対座標である可能性があり、
  その場合、宇宙の中で相対的に動いている地球の周りには、
  「エーテルの風」が吹いていることになる。
5 光に偏光の現象がある。
6 ホイヘンスの言うような、空間に充満している「エーテル」が、
  ガス状である場合、流体エーテルは縦波しか伝えられない。
7 横波を伝えるためには、「エーテル」は
  格子結晶のような、強く結合した紐状の形態と予想される。
8 「エーテル」は、透明で、
  宇宙のどの場所にも一様に分布し、連続していることになる。

という問題です。


※ニュートンの「絶対空間、絶対時間」も、

「エーテル」の特徴である

「天界を構成する物質」
「ゼウスの支配する領域」
「永続的な世界」
「絶対静止系の座標」

から考慮されています。

ニュートンの「時間」と「空間」と「座標」の定義 5 『神の座標 絶対空間 絶対時間』


" Ether " by MunDoSow


エーテル (物理) - Wikipedia


エーテル (aether, ether, luminiferous aether) は、主に19世紀までの物理学で、光が伝播するために必要だと思われた媒質を表す術語であった。

このエーテルの語源はギリシア語のアイテール (αιθήρ) であり、ラテン語を経由して英語になった。アイテールの原義は「燃やす」または「輝く」であり、古代ギリシア以来、天空を満たす物質を指して用いられた。英語ではイーサーのように読まれる。

空間に何らかの物質が充満しているという考えは古くからあったが、17世紀以後、力や光が空間を伝わるための媒質としてエーテルの存在が仮定された。その端緒の1つはデカルトに見られ、デカルトはぶどうの樽のぶどう酒のようにあらゆる物質の隙間を埋める「微細な物質」を想定してそれが光を伝達させるのだとした。また惑星はその渦に乗って動いていると考えた(渦動説)。

ニュートンは、光の実体は多数の微粒子であると考えた。これは、光が直進することや物体表面で反射されるという事実に基づく仮定であった。しかし、光が粒子であると仮定すると、屈折や回折を説明することが難しいという問題があった。屈折を説明するために、ニュートンは『光学』(1704年)で「エーテル様の媒質 (aethereal medium)」が光よりも「速い」振動を伝えており、追いこされた光は「反射の発作」や「透過の発作」の状態になり、結果として屈折や回折が生じると述べた。

後年、マクスウェルの方程式から電磁波の存在が予想され、さらにヘルツは電磁波の送受信が可能であることを実験的に示した。マクスウェルの方程式によれば、電磁波が伝播する速さcは誘電率εおよび透磁率μとの間に



の関係があり、この速さは、実験的に知られていた光の速さと一致した。この事実から、光は電磁波の一種であると推定された。しかし、ニュートン力学の基準系、つまりガリレイの相対性原理に従うならば、光の速さは、その光と同じ方向に進む観測者からは遅く、逆方向に進む観測者からは速く見えるはずである。上式によれば、観測者の運動にかかわらず光の速さは一定である。従って、上式のような関係は一般には成立できないと考えられた。そこで、エーテルの運動を基準とした絶対座標系が存在し、その座標系でのみマクスウェルの方程式は厳密に成立すると推定された。

しかし、これらのモデルでは、エーテルが持つ機械的性質は、実に奇妙なものにならざるを得なかった。すなわち、空間に充満していることから流体でなければならないが、高周波の光を伝えるためには、鋼よりもはるかに硬くなければならない。さらに、天体の運動に影響を与えないという事実から、質量も粘性も零のはずである。さらに、エーテル自体は透明で非圧縮性かつ極めて連続的でなければならない。

エーテル仮説の最たる困難は、ニュートンの力学とマクスウェルの電磁気学の整合性であった。ニュートン力学はガリレイ変換の下で不変であったが、マクスウェルの電磁気学はそうでなかった。従って、厳密には、少なくとも一方の理論は誤りであると考えざるを得ない。

ガリレイ変換とは、観測者の視点を変えることである。例えば時速80キロメートルで走る電車の中を、進行方向に向かって時速4キロメートルで歩いている乗客は、別の乗客からは、もちろん、時速4キロメートルで動いているように見える。しかし、電車の外にいる人からは、この乗客は時速84キロメートルで動いているように見える。見る人が変われば運動も異なって見える、その見え方の違いを定式化したものがガリレイ変換である。そしてニュートンの運動方程式は、ガリレイ変換をしても、つまり誰から見ても、成立する。このように、常に成立することを「不変」という。

しかしながら、マクスウェルの方程式によれば、光の速さは誘電率と透磁率から定まるのであるが、この値は、観測者の運動に依存しない。つまり、電車に乗っている人にとっても、外にいる人にとっても、光の速さは同じでなければならないことになる。すなわち、マクスウェルの方程式はガリレイ変換について不変ではない。全ての物理学理論はガリレイ変換について不変であるべきだと考えられていたため、「エーテルに対する絶対座標系」が存在し、マクスウェルの方程式はこの座標系においてのみ厳密に成立すると考えられた。

そこで、地球の、絶対座標系に対する運動に関心が持たれるようになった。マクスウェルは1870年代後半に、地球の運動が光の速さに及ぼす影響を調べることで、地球の絶対座標系に対する運動を知ることができると述べた。光の進行方向が地球の進行方向と一致すれば光は遅く見え、逆方向であれば光は速く見えるはずである、と考えたのである。季節あるいは昼夜が変化すれば観測者の運動の方向が反転するが、この運動の変化は光の速さに比べて小さいものの、検出不可能なほど小さくはないと考えられた。すなわち、地球はエーテルの中を進んでいるのであるから、地上ではいわば「エーテルの風」が吹いていることになり、これは光速の変化として捉えられると考えたのである。


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