量子力学と意識の変容(宇宙と人間の無限性について)

量子力学をどのように生活に活用するか、量子力学と意識の変容とタイムトラベル・パワレルワールドの究極の可能性を探求します。

マクスウェルのエーテル理論  03 エーテル: 「分子的構造体」 か 「連続体・流体」 か

2012-05-09 | 日記
マクスウェルは、エーテルを、
molecular 「分子的性質(構造)」 と
continuous 「連続体・つながった何か」とに分けて、
空気中のガスの運動形式や、
光の電磁波の伝播の形式でのあり方について考えています。

流体は、ひとつひとつの気体の分子、
水などの液体の粒子(分子)から成っています。

この流体の特徴は、
単独の分子を見ると、不統一、ランダムな動きであるけれども、
全体としては、ある規則性を持っていることです。

エーテルは、空気中のガス(気体)の運動と似ているとも考えられ、
流体=「連続体」のモデルとして研究されました。



James Clerk Maxwell
“Ether” in Encyclopædia Britannica (9th ed.), 1878.


「エーテル」 ジェームズ・クラーク・マクスウェル



(訳 鈴木てつや)


Physical constitution of the aether.
エーテルの物理的性質(構造)について




Mr S. Tolver Preston has supposed that the aether is like a gas whose molecules very rarely interfere with each other, so that their mean path is far greater than any planetary distances. He has not investigated the properties of such a medium with any degree of completeness, but it is easy to see that we might form a theory in which the molecules never interfere with each other's motion of translation, but travel in all directions with the velocity of light ; and if we further suppose that vibrating bodies have the power of impressing on these molecules some vector property (such as rotation about an axis) which does not interfere with their motion of translation, and which is then carried along by the molecules, and if the alternation of the average value of this vector for all the molecules within an element of volume be the process which we call light, then the equations which express this average will be of the same form as that which expresses the displacement in the ordinary theory.

S. Tolver Preston 氏は、エーテルがガスのようなものだと想像し、(そのガスの)分子がほとんどお互いに影響を与えることがないものとした。つまり、(宇宙間での)天体同士の(非常に)離れた距離について比べれば、(ガスの気体内での分子間の)取るに足らないような距離での影響力のほうが遥かに大きい(=ガス気体内での分子相互の影響がほとんど無いとすれば、遠く離れた宇宙間での距離では、まったく影響は無いとする考え)とした。

彼は、このような媒体が、いろいろな面でどのような性質を持っていればあり得るのか、という研究をしてこなかったが、「この分子体が、互いの運動に決して相互関与することなしに、しかし、すべての方面に光の速度で移動するものである」という(彼が考えていたエーテル)理論を形作るのは、簡単に推測できる。

更に、もっと言えば、この振動する物体(エーテルの分子群)が、軸を持って回転したりするようなベクトル運動(方向量)として、分子に型をつける力があるだろうと予測され、(振動は)こうした分子群によって伝えられることになる。そしてもし、ある容量の構成要素の中で、すべての分子群に対してのベクトルの平均値の交代数列が、私たちが「光」と呼ぶプロセスであるならば、この平均値を表した方程式は、今までの理論での変位を表した方程式とまったく同じものになるだろうということになる。


It is often asserted that the mere fact that a medium is elastic or compressible is a proof that the medium is not continuous, but is composed of separate parts having void spaces between them. But there is nothing inconsistent with experience in supposing elasticity or compressibility to be properties of every portion, however small, into which the medium can be conceived to be divided, in which case the medium would be strictly continuous. A medium, however, though homogeneous and continuous as regards its density, may be rendered heterogeneous by its motion, as in Sir W. Thomson's hypothesis of vortex-molecules in a perfect liquid (see Art. Atom).

よく主張されるのが、「この媒体(エーテル)が、伸縮自在で圧縮性のあるということは、エーテルが連続体でないということであり、間に空虚な空間を持つ幾つかの部分に分かれているものから成っている、とするのは、儚い事実に過ぎない」というものである。しかしながら、伸縮自在、または圧縮性があることが、どの(エーテルの)部分でも該当する性質であることを示すことが、矛盾であるわけではない。どの部分でも、たとえそれが小さくとも、分割できるのであれば、その場合この媒体は、厳密に「連続体」であるということになる。ある媒体が、その密度の点から、均一で、連続体であっても、その運動様式から、不統一なものであると、解釈されることになるのは、Sir W. Thomson 氏の仮説、理想(完全)流体における渦動分子理論で示されている。



Fluid Mechanics


Von Karman Vortex Street behind a flat plate (Laminar).mov


Lec 27 | 8.01 Physics I: Classical Mechanics, Fall 1999


Mercedes-Benz SLS AMG Developement and Testing Wind tunnel




ウィリアム・トムソン - Wikipedia


初代ケルヴィン男爵ウィリアム・トムソン(英: William Thomson, 1st Baron Kelvin OM, GCVO, PC, PRS, PRSE、1824年6月26日 - 1907年12月17日)は、イギリスの物理学者。ケルヴィン卿(Lord Kelvin)の通称で知られる。特にカルノーの理論を発展させた絶対温度の導入、クラウジウスと独立に行われた熱力学第二法則(トムソンの原理)の発見、ジュールと共同で行われたジュール=トムソン効果の発見などといった業績がある。これらの貢献によって、クラウジウス、ランキンらと共に古典的な熱力学の開拓者の一人と見られている。このほか電磁気学や流体力学などをはじめ古典物理学のほとんどの分野に600を超える論文を発表した。また、電磁誘導や磁気力を表すためにベクトルを使い始めた人物でもある。

ケンブリッジ大学在学中の1842年からトムソンは独自の研究を開始した。この年発表した、熱の分布と静電気力の分布の比較研究による論文は、電磁場と非圧縮性弾性体の間の類似点を指摘していた。1845年の論文では、電磁誘導を何らかの媒体(現在「場」と呼ばれているもの)によるというファラデーの考えに数学的な表現を与えた。これらは後のマクスウェルに重大な示唆を与えるものだった。

1849年から10年間、トムソンはファラデーが発見した常磁性と反磁性、およびその理論を一般化するための研究を行った。ここで透磁率と磁気感受率という概念を導入し、磁石のもつ全エネルギーを表す式を導いた。電気においては、電流の流れる回路のもつエネルギーを表す式を得、1853年に振動回路の理論を発展させた。これは1857年に実験で確かめられ、後にヘルツによって電波を発生させるのに使われた。


流体 - Wikipedia
流体(りゅうたい、fluid)とは静止状態においてせん断応力が発生しない連続体の総称である。固体でない連続体のことであり、物質の形態としては気体と液体およびプラズマが流体にあたる。

流体に共通の性質は流動性である。これは体積一定で準静的な変形には力を要しないことであり、さらに言い換えると、静止状態において接触面に平行な(せん断的・接線的な)内部の力(応力)が発生しないこととなる。これより、上述の「静止状態においてせん断応力が発生しない連続体」という流体の定義が得られる。

連続体力学の巨視的な視点において、気体と液体には定性的な違いはない。定量的な違いとして密度以外に圧縮性(圧力変化に対する密度変化の比)の大小があげられるので、液体のモデルとして非圧縮性流体、気体のモデルとして圧縮性流体、あるいは密度が圧力のみの関数であるという単純化をしたバロトロピック流体、が考えられる。ただし、特徴的な速さが音速より小さい場合は気体も非圧縮性流体として考えてよい。


ケルビンの渦原子仮説・古典物理学による初代スーパーストリング理論
(マックスの科学館)



気体分子運動論 - Wikipedia


マクスウェルは気体中の分子は衝突するたびに速度が変化するが、定常な気体中では多数の衝突の結果、運動エネルギーは分子間に規則的に分配され、定常な速度分布関数が存在するとして、ある関数方程式を解いて、マクスウェル分布を導いた(1860年)。また同時に粘性係数の式を得、これが気体の密度によらないという当時の常識に反する性質を持っていたが、それが事実であることが実験で確かめられ、理論の信頼性が高まった。そしてさらに後に一般的な輸送現象の理論を展開し、粘性係数の温度依存性が分子間の距離の逆5乗に比例する中心力(マクスウェル模型)が働くとして説明されることを示し、この分子間力を用いてにいろいろな輸送現象を論じた(1866年)。



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