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戦争プロパガンダへの対抗手段

2022-05-02 17:15:21 | 日記
2022年5月3日(火曜日) 憲法記念日

戦争プロパガンダへの対抗手段(1)
「法則」を、知っている

それでは、戦争プロパガンダに対して、
私たちはどのように対抗すればいいのだろうか❔

戦争から日用品の広告にいたるまで、
ありとあらゆる領域で行われるプロパガンダ、
情報操作に対して、
私たちはどのような心構えでいたらいいのだろうか❔

まず、(ポンソンピーが「10の法則」として示し、
アンヌ・モレリがまとめた📖)「戦争プロパガンダ10の法則』(翻訳版、草思社)の)
「10の法則」にあるようなプロパガンダの法則を知っている、
ということが大切だ。

プロパガンダが、「これがプロパガンダだ」とわかる形で行われることはない。
(👩プロパガンダだとわかる形で私たちの前にあらわれることはない。)

💀ひそかに頭のなかに忍び込むように行われる。

(👩「プロパガンダは、ひそかに頭(脳・意識・記憶)のなかに忍び込むように行われる」。
サイモン&ガーファンクルの🎵『サウンド・オブ・サイレンス』の難解で不可解な歌詞みたい……。
ポール・サイモンは感受性が強いから
1963年頃から世の中に
プロパガンダがはびこっていることを
感じていたのかしら❔)


したがって、
⚠️耳よりな情報を聞いたときには、
⚠️丸ごと信じ込むことはしないで、
🌕️自分なりにチェックしたほうがいい。
(「10の)法則は(耳よりな情報を)チェックするときの手がかりになる。

少々品のないたとえであるが、
⚠️ドロボーの手口を知っていれば対策が立てやすい。

少々古めかしい表現であるが、
「敵を知り、己(おのれ・自分)を知れば、
百戦危うからず(どんな事態にも対処できる)」

たとえば、法則の⑩に「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」とある。
対外的な緊張が高まるときに、
(=戦争を始めるぞという時に「もっと話し合いをしよう❗戦争は絶対にダメだ❗」と)反対する者を
「非国民だ‼️」とか「愛国心がないのか⁉️」と非難する声が高まる。

選挙のような政治的な戦いのときも、
反対する者は「改革に対する抵抗勢力だ‼️」一括(ひとくく)りにして押し切る。
(👧主語は❔
👩プロパガンダを言う人。)

法則⑩を知っていれば、
このように「敵」を非難する方法は、
プロパガンダの定法(おきまりの法則)であることがわかる。

そんな視点で情報をチェックすることで、
簡単に(相手に・敵に)乗せられて
後悔する愚(ぐ・愚かな行為=戦争してしまうこと)を避けることができる。

法則を知っていることは、
いわばプロパガンダに対抗するための、
自分自身の関所を持っているようなものだ。
(👩この道を通るか、通らないか❔
分かれ道があれば進行方向はどちらなのか❔)

しかし、ただ法則の文言(もんごん)を知っている、
というだけではいささか心もとない(=心配だ)。

「知っている」と、
「納得して理解している」、とでは違う。
つまり、裏付けとなる歴史上のできごとについての知識がないと、
あまり実際の役には立たない。
(👨その点、馬渕睦夫さんは、歴史上のできごとをよく知っておられるよなあ。)

私たち日本人は他の国々の国民に比べて、
客観的に見て自国の歴史の知識に乏しい。

特に明治時代から現在までの近代史、
現代史をきちんと学んでいない。
この期間に、日本は3回の戦争を経験した。
3回の戦争で行われたプロパガンダには、
ここ(この本)では詳しく触れないが、
(3回の戦争で行われたプロパガンダには、)
「10の法則」にあてはまる史実が溢(あふ)れている。

明治以降の歴史を集中的に学ぶ。
いちどは挑戦していいことだと思う。

(👨黒船でペリー来航。
明治維新の年表
1853年(嘉永6年) ペリーが浦賀に来航
1854年(安政元年) 日米和親条約締結
1858年(安政5年) 日米修好通商条約締結
安政の大獄が始まる
1860年(安政7年) 桜田門外の変で井伊直弼が暗殺される
1863年(文久3年) 8月18日の政変
1866年(慶応2年) 薩長同盟成立
1867年(慶応3年) 大政奉還
王政復古の大号令
1868年(慶応4年) 鳥羽・伏見の戦いを皮切りに、戊辰戦争が始まる
勝海舟と西郷隆盛の会談で江戸城無血開城が決定
新政府による五箇条の御誓文布告
江戸を東京に改称
元号を明治に改元
1869年(明治2年) 戊辰戦争終結により、新政府が日本全土統一
版籍奉還
1871年(明治4年) 廃藩置県
1876年(明治9年) 廃刀令、秩禄処分により、士族の乱が相次ぐ
1877年(明治10年) 西南戦争が起こるが、同年西郷隆盛自決により戦争終結
1889年(明治22年) 大日本帝国憲法発布
黒船来航と不平等条約
19世紀になると、産業革命に成功した列強諸国が市場を求めてアジアへ勢力を広げ、日本近海にも異国船が出没し、上陸して通商を求めてくるようになった。江戸幕府はその要求を拒んできたが、1853年、米国東インド艦隊司令長官ペリーが強硬な態度で開国を迫った。幕府の首脳部は開国やむなしと判断、翌1854年、日米和親条約を結んで下田と箱館(函館)の港を開いた。その後、英国、ロシア、オランダとも同様の条約を結んだ。

さらに1858年には日米修好通商条約を結んだが、条約には一方的な最恵国待遇、領事裁判権、協定関税制度など不平等条項が盛り込まれた。領事裁判権は罪を犯した外国人を駐日領事が裁く制度で、日本人は外国人を断罪できない。さらに日本側に関税自主権はなく、税率は非常に低く設定された。結果、生糸や茶が大量に海外へ流出して国内で品不足となり、連動して諸物価が高騰。その一方で、安い綿織物が日本に流れ込んだため、綿作農家や綿織物業は経済的に大きな損害を被った。


横浜の応接所に入るペリー一行(横浜開港資料館)
幕府の失墜と日本の混乱
こうした開国による混乱は外国人に対する憎しみとなり、孝明天皇が大の異人嫌いだったこともあり、天皇の下に結集して外国人を追い払えという尊王攘夷運動が高まった。大老の井伊直弼は運動を徹底的に弾圧(安政の大獄)したが、1860年、登城途中で攘夷派の浪士たちに暗殺(桜田門外の変)された。幕府の最高権力者が殺されたことで幕府の権威は失墜、尊攘派(主に長州藩士)が朝廷を牛耳るようになった。

しかしその後、尊攘派は会津・薩摩藩など天皇の権威を借りて幕府を立て直そうとした公武合体派によって朝廷から駆逐された(8月18日の政変)。これに激した長州軍は、大挙して京都御所に乱入しようとしたが、会津・薩摩軍らに撃退され、朝敵として幕府の征討を受けるはめになった。


桜田門外の変(茨城県立図書館)
外国の脅威と秘密の軍事同盟
薩摩藩は薩英戦争、長州藩は英国・米国・フランス・オランダからなる四国艦隊下関砲撃事件を経験し、外国の強大さをあらためて実感。攘夷は不可能だと悟り、日本が外国の植民地にならないためには、素早く近代国家をつくる必要性があると痛感したのである。かくして1866年、薩長両藩は秘密の軍事同盟(薩長同盟)を結んだ。

同年の第2次長州征討では、薩摩藩は参加を拒否、密かに長州藩に大量の武器を送って支援した。結果、幕府の征討軍は長州一藩に敗北したのである。これを機に倒幕の勢いが一気に加速していった。


『四境戦争図 大島ぐんの図会』(山口県立山口博物館) 第2次長州征討で幕府軍と戦う長州軍を描いている。現在の山口県の大島口、芸州口、石州口、小倉口の4つの藩境で戦いが行われたので四境戦争とも呼ばれる。
江戸幕府政権を返上するも、戦いが続く
対して将軍慶喜は1867年10月、平和的に政権を返上(大政奉還)し、新たに誕生する朝廷の新政権に参加しようともくろんだ。しかし薩長両藩はあくまで武力による倒幕計画を進め、同年12月、朝廷でクーデターを起こして強引に王政復古の大号令(新政府樹立宣言)を出させ、同夜の会議(小御所会議)で倒幕派は、慶喜の内大臣の職を奪い徳川家の領地を朝廷に返還させるべきだ(辞官納地)と主張。土佐・越前藩ら公議政体派(穏健派)の反対意見をねじ伏せた。

これにより薩長両藩は旧幕府方の暴発を狙ったわけだが、慶喜は二条城からおとなしく大坂城へ移り、事態を静観した。その後、新政府内で公議政体派が巻き返しを図り、倒幕派が失脚して慶喜の入閣が決定する。が、倒幕派の西郷隆盛らが浪人を送って江戸の治安を乱し、怒った旧幕府方が薩摩藩邸を焼き打ち。これを知った大坂城の旧幕臣は激昂し、彼らを抑えきれなくなった慶喜は京都への進撃を認めてしまう。こうして旧幕府軍と新政府軍(主に薩長両藩)の戦い(鳥羽・伏見の戦い)が起こり、旧幕府軍は敗北し慶喜は江戸へ逃亡した。


江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜の肖像写真(福井市立郷土歴史博物館)
明治政府の始まり
新政府軍は5万の大軍で江戸を包囲したが、旧幕臣・勝海舟と新政府軍の西郷隆盛の会談により、江戸城を無条件で引き渡すことで総攻撃は中止され、慶喜の一命も保証された。一方、朝敵となった会津藩の救済を嘆願していた東北諸藩は、奥羽越列藩同盟を締結して新政府への敵対を明らかにし、各地で新政府軍と同盟軍の戦いが始まった。

この間、新政府は五箇条の御誓文を発して「開国和親、公議世論の尊重」方針を明らかにし、政体書を制定して米国の憲法を参考に三権分立制の新政府の政治組織を整えた。さらに天皇を江戸城に移して皇居とし、江戸を東京と改め、元号も明治に変えた。

(👦マンガでも歴史が学べる。)

美しく透き通った青い地球に、
ふたたびおびただしい人類の血が流されようとしている…❗
なんて悲しい宇宙のドラマだろう❗
本ものの戦争は、
戦争アニメや映画で見るようなかっこうのいいものではけっしてない❗
死の影におびえ、
敵を殺さなければ自分が殺されるという、
地獄絵の世界だ。
しかも、(戦争は)
殺さねばならない相手には、
個人的なうらみは全然ないのだから……。
科学の発達にともない、
第一次世界大戦では、飛行機やタンク、
それに毒ガスまでが登場して、
900万人もの人を地球上から消してしまった。
そしてこの巻では、ついに
大量殺人兵器「原爆」が登場し、
同じ人間に向かって投下されることになる。
(学研まんが世界の歴史⑭
第二次世界大戦と独裁者ヒトラー)




戦争プロパガンダへの
対抗手段(2)数字と予測は不確実

統計資料のデータ、数字は重要だ。インターネットを利用すると、多くのデータを手軽に入手できる。便利な時代の恩恵を存分に活用してゆくのはいいことだ。

たとえば、戦争では武器弾薬、物資などを輸送するために自動車が不可欠だが、対米戦争を始める前の日本の自動車の生産量はアメリカの数百分のいちに過ぎなかったという。

🌕️自動車は技術水準、工業生産力の水準を物語る。
🌕️その(アメリカと日本の自動車生産量の)差を冷静に判断すれば、
⚠️「に本は勇敢だ」、
⚠️「成せば成る」、
⚠️「神風が吹く」とか、
⚠️実態のない精神主義で無謀な対米戦争に、
⚠️突入する選択肢はなかっただろう。
(👩アメリカと日本の自動車生産量を比較して、
アメリカは自動車を使ってどんだけでも武器弾薬、物資などを輸送し続けられる。
それは戦闘機でも軍艦でも同様だろうと考えるべきだったんだ。
日本国民がどんなに竹槍で「エイエイオー❗」とやっても無理だったんだね。

「新疆ウイグル自治区で、テロに対抗するために、竹槍で「エイエイオー❗」とやるのと同じことを中ごく共産党が、商店街のウイグルの人々にやらせていた」というのを本で読んだ。
テロをどうやって竹槍で防ぐのだろう❔)

(戦争プロパガンダ)「10の法則」の①と②にあるように、
「われわれは戦争をしたくない」、
「しかし、敵側が一方的にそれを望んだ」のでやむをえず開戦したなど、
❌まるで戦争は人智を越えた宿命であるかのように主張する人がいる。
🌕️ほんとうは、(戦争は、)宿命ではなく、
🌕️選択の結果である。
🌕️敗戦は、精神主義で判断を誤って選択をした結果なのである。


しかし、統計データは大切だが、
同時に統計とは不確実であるということも、
また大切なポイントだ。
⚠️統計の数字は、かなり意図的に変えることができるからである。

東京都のある区は小学校で独自の学力テストを行っている。

その区内の小学校で、校長の指示により、
(全体の)平均点を下げる児童の成績を全体集計から除外したことが発覚した。
その小学校の成績は、前年は区内72校中44位だったのが、
除外することで、次年度はめでたく第1位になったそうである。

本来の狙いは別として、テストの結果から学校間の序列が明らかになる。
学校の当事者としては、
成績が悪ければよくない学校、
ひいては無能力な教師がいる学校とみなされ、
予算配分にも影響が出るかもしれないと考える。
競争が強調される時代になってきただけに、
この懸念はうなづける。
それ(よくない学校、無能な教師がいる学校とみなされてしまう懸念)を考慮してもオソマツな事件といえるが、
この例のように、統計の数字は一般的には操作可能なものであり、
一面の真実を示してはいるが、
見方を変えれば(統計の数字は)不確実なものなのである。

コンピューターによる予測となるとなおさらである。
使用する変数を変えることで予測結果はいかようにも左右できる。
ということは、
⚠️予測する当事者にとって望ましい結果を得ることができるわけだ。

⚠️下請けの会社は顧客の希望に合わせた「予測」を提供することで、利益をあげる。
(👩ええーっ((((;゜Д゜))))
👨ママ、今頃知ったの❔(冷静)) 

さらに、スーパーコンピューターによる予測、というと、
ほとんど神様の指し示す未来のように思われがちだが、実際は違う。
カタカナの数が増えるほど権威が増すような⚠️錯覚があるが、出てくる結果はその分、あいまいになる見てよい。
⚠️統計や予測の数字は、もっともらしいが、実はかなり、
⚠️意図的で不確実なのだ。


対抗手段(3)多様な側面から考える

(👨皆さん、いつも読んでくれてありがとうございます。
いま、写している最中です。
👩すぐに「いいね👍️」しに行けなくてすみません😣💦⤵️)


プロパガンダは概して1つの側面をことさらに強調する。
単純化して、できる限りワンフレーズに絞り込み、
⚠️繰り返す。
(👧プロパガンダは繰り返すんだ。)

これに対抗するには、
複雑だし分かりにくいという弱点があるものの、

🌕️物事を多様な側面から見ることである。
大体人間社会のことがらで、単純なことなどありえない。
(👴ホントホント。)
🌕️人間の数だけ意見があり、利害関係が入り組んでいるからだ。

少なくとも6つくらいの側面から考えてみたい。

💀1.政治的側面

(戦争プロパガンダ)「10の法則」の④は、
「われわれは領土や覇権のためではなく、
偉大な使命のために戦う」だが、
これは政治的側面を強調しているに過ぎない。

💀2.経済的側面

たとえば、経済的側面からイラク戦争を見れば、
経済社会を支えるエネルギー源の、
その中心である石油資源の利権確保が透けて見えてくる。
(👨あっ、ロシアは天然ガス。)

💀3.科学技術的側面

科学技術の側面を無視できない。
戦場で使用されるステルス攻撃機から偵察衛星、
暗闇に潜(ひそ)む敵を見つけられる赤外線暗視装置にいたるまで、
軍事科学技術の枠が駆使されている。
🌕️戦争は(それらの兵器の)技術テストの(実験)場であり、
それに高価な製品を大量消費することから、
💀大きな経済効果を期待できる場である。
💀それを期待する者がいる。

💀4.国際的側面

国際的側面がある。
国際世論をつくるためのメディア対策としての側面がある。
多国籍の同盟軍を構成するために欠かせない理由付けである。
(👩ここ、もっと詳しく教えてください。)

💀5.環境影響的側面

環境影響がある。
戦争は最大の環境破壊である。
戦争は勝利することが最優先だから、
大気汚染、
水汚染、
大地の汚染、
劣化ウラン弾による☢️放射能汚染……
(👨環境影響的側面を露呈示して、
戦争は絶対ダメだ‼️と言えるでしょ⁉️国連。
🌕️国連のSDGs(エスディージーズ)の改善リストに足りないのは、ここだよ。
戦争をやめるには、
この項目をプラスして、
ここををもっともっと責める(攻める)べきです。)

長期間にわたって多数の人命と健康、
自然の生態系を損なう。


💀6.ふつうの人々の立場的側面

ふつうの人々の立場、という側面むある。
連日のように、市街地で行われる戦争で、
(👦『ロシア・ウクライナ戦争』‼️)
無防備の市民が犠牲になったというニュースが(連日)伝えられている。
❇️この現実に対しては、
❇️戦争プロパガンダはほとんど説得力を持たない。

政治、
経済、
科学技術、
環境、
国際関係、
ふつうの人々。

少なくともこのような6つの側面から考えてみれば、
プロパガンダのいうような、
「正義」の危うさがよく分かる。


防衛省の初代大臣であった久間章生防衛相が、
「原爆投下はしようがない」
という信じられない発言をして、
辞任に追い込まれた。
アメリカはソ連を牽制(けんせい)するために
原爆投下したという説に基づく発言だったらしいが、
それにしても原爆投下に関する多くの側面のなかの、
「1つの側面」の、そのまた一部に過ぎない説をもとに発言するセンスには、あきれるほかはない。
アメリカの代弁をしたつもりだったら、
ことに『アメリカに関する限り思考停止状態にある』ことを明らかにしたといえる。
(👩アメリカに味方した発言だね。)
その上、辞任の理由が、
「参議院選挙に影響するから」と、
ただ1つの側面だけを述べて、
二重に恥をさらした。
🌕️物事は多様な面から考えることが大切である。


戦争プロパガンダへの
対抗手段(4)選挙にはきちんと参加する

ふだんからトレーニングしていないと、
いざというとき力が出ないのは、
プロパガンダに対抗するときも同じである。

どうしたら、「ふだんの練習」ができるだろうか❔
🌕️そのいちばんいい機会は、選挙である。
選挙になると政党や候補者がマニフェストを発表する。
具体的な政策を数値目標を掲げて選挙民に示す主旨である。

項目を並べただけで内容的には不十分なマニフェストがまだ残るが、
しだいに定着してきたようだ。

⚠️マニフェストは、ある種のプロパガンダである。
そこで、マニフェストの内容を自分なりにチェックして、
ほんとうのところ実現化可能な政策なのか❔
単なる票目当ての美辞麗句なのか❔
真偽を自分なりに考えてみる材料として、たいへん都合が良い。

また、新聞紙上の候補者や政党の広告には、
推薦人として有名人が名を連ねている。
(戦争プロパガンダ)「10の法則」の⑧、
「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
を実行してことが分かる。

私たちは、候補者の政見放送や選挙公報、
ポスターを見て考えて投票するわけだが、
投票する前に候補者をきちんとチェックすることは、
プロパガンダに対抗する上で、
もっとも効果的で実利的なトレーニングになる。

推薦人の有名人を、
有名人だからという理由で支持するわけにはいかない。

(選挙で投票する人を決めるとき)
ひとりで結論を出すのが手に余る(できない)ときには、
🌕️他の人の意見を聞く。

🌕️討論することも大切だ。
👆️
🌕️そのとき、「他の人」が有名人であるよりも、
🌕️信頼できる人であることが重要だ。
👇️
🌕️ふだんから自分なりに信頼のおける人を見つけておくことにも気を配りたい。

そもそも情報とは、人間が発するものである。
ある対象について、人間が五感を通じて得た感覚を
主に言語にして伝えるものが「情報」である。
したがって、情報にはつねに人間が絡(から)んでいる。

つまり、送り手の脳細胞が、
記憶や推理を駆使(くし)して、
意味づけしたものが情報で、
受け手はそれを受け取っているのである。
そこで、(情報の)送り手が信頼できるかどうか❔
❇️(情報の送り手が信頼できる人か❔そうでないか❔)
それが(戦争プロパガンダを見破る)決定的(決定打)である。
❇️信頼できる人が、
直接の知り合いであれば言うことはない。
著書、
テレビ、
新聞など、
メディアを通じても、
❇️アンテナさえ張っておけば、
❇️信頼できる人を見つけることはできる。

🌹好奇心を忘れない精神の若さと、
アンテナに錆(さび)が出ないように繕(つくろ)っておくメンテナンスが大切、ということである。



戦争プロパガンダへの
対抗手段(5)やはり、「知は力なり」

イギリスの政治家で哲学者だったフランシス・ベーコン
(1561~1626)は、「知は力なり」
という名言を残した。

当時は(現代と)時代背景が違うし、
(同じ言葉でも当時と現代では)意味する内容も異なるが、
それでも言葉としては現代に通用する。
❇️プロパガンダに対抗するための、
❇️もっとも有力なパワーは、
❇️やはり、「知は力なり」なのだ。

いうまでもないことだが、
「知」を身につけるのは学校教育だけではない。
およそ常識と考えられることはすべて「知」といってよい。

その意味では、
❇️豊かな常識を持つように努(つと)める(努力する)ことに、
❇️これで十分という終着点はない。
❇️長寿命の時代だが、
❇️それでも(豊かな常識を持つことは、)
❇️生涯の努力目標といってよいだろう。

さらに付け加えれば、
🇨🇷コスタリカの人々のように、
(👧この本と関係してるね❤️)
多様性の尊重という価値観を持つことは素晴らしいと思う。

生物の多様性から文化の多様性まで、
❤️ひとりひとりの生命、
🍀個性を大切にする社会は、
💀プロパガンダに対する免疫力、
👐🙅防衛力のある社会である。
👨‍👩‍👦👨‍👩‍👧‍👦👨‍👩‍👦‍👦👨‍👦👨‍👦‍👦👨‍👧‍👧👩‍👦👩‍👧‍👦👩‍👧👨‍👨‍👦👩‍👩‍👧‍👧


出典:
📖『戦争する国、平和する国』
ノーベル平和賞受賞者
🇨🇷コスタリカ大統領 オスカル・アリアス・サンチェス氏と語る
平成19年9月30日 初版第1刷発行

著者  小出五郎(科学ジャーナリスト。
元NHK解説委員。
1941年、東京生まれ。
1984年、NHK特集「核戦争後の地球で」で、
芸術祭大賞、日本ジャーナリスト会議賞大賞、
イタリア賞大賞ほか、受賞。)
発行者 横田幸雄
発行所 佼成出版社





その他、考えさせられる本、歌の歌詞です。


📖『戦争』大岡昇平 著
岩波現代文庫 (社会155)
「われわれは(日本人は)昔から『なんとかなるだろう』とたかをくくる癖がある。
実際それで戦後二十九年、なんとかやってきたのだが、この順応性の底にあるのは、自分一人なんとかなりさえすれば、他人はどうなってもいいというエゴイズムである。ところがこんどの危機はめいめいが勝手なことをしていては、とうてい乗り切れそうもない。柄にない説教めいたことはいいたくないが、何らかの意味で、他人といっしょに自分も助かる、という心構えがなければ、自他ともども一層ひどいところへ落ち込んでしまうような気がする」(『朝日新聞』1974.1.1)





📖『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』 (NHK出版新書655 )
堤未果 著

レビュー

🌕️私が「ショックドクトリン」という言葉に初めて出会ったのも、東京大学の鈴木教授が新自由主義を「今だけ金だけ自分だけ」と表現されていることを知ったも、この方の著書でした。
一国の大統領の発言を、民間企業がフェイクと決めつけてデジタル空間から抹殺し、ドイルのメルケル首相は猛烈に批判をしたが、日本では政府もマスコミも全く危機感が無い。
Lineの情報漏洩が問題になり、日本政府が韓国政府に文句を言っても韓国政府に取り合ってもらえず泣き寝入りしたにも関わらず、東京ワクションではLineのプラットフォームを使ってマイナンバーカードの画像を登録させるという危機感の無さ。
この本に挙げられている事例は氷山の一角でしかなく、デジタル化という名のもとに、日本人のプライバシーが外国政府や企業に垂れ流しになっている状況には、背筋が寒くなります。


🌕️デジタル庁ができ、マイナンバーなどあらゆるものをデジタル化すれば、便利で安全な世の中に! などウソっぽいとは思っていたが、国内やアメリカなどの先行事例を見ると、ウソでは済まず、個人情報や教育の権利までも脅かされる。
そしてまた、今だけ金だけ自分だけのグローバル投資家が政治を動かして高笑い。

外国での立ち向かった例が少し心強いが、日本で全く話題にならず、地に落ちたマスコミと共に将来に不安しかよぎらない。


🌕️TIKTOKは、生体識別情報を自動的に収集する。
スーパーシティ法案には3つのグレーゾーン=企業をどうやって決めるか、だれが責任を取るか、個人情報の取り扱い。

韓国は、カード決済レシートに宝くじがついている。クレジットカードと国民登録番号が紐づけられているので、消費行動は丸見え。カードが15歳以上、制限なしのため多重債務者が増えた。

クレジットカードの決済には電話回線が必要。全銀システムも負担になる。
PAYPAYに給与を振り込めれば、ATMも不要になる。
外国人労働者は3か月未満では住民票が取れず銀行口座が作れない。
○○ペイには、預金者保護法はない。現在は出資法の関係でできない。

ドルの支配から逃げ出したい国は、デジタル通貨になびきやすい。
2019年の世界中央銀行国際会議で、新しい国際通貨が提案された。「グレートリセット」

スウェーデンは99.9%がキャッシュレス。4000人が手の甲にマイクロチップを埋め込んでいる。現金は闇経済をつくりだす。ATMは撤去、現金で預金できない。しかし詐欺事件は増えた。

ドイツでは監視されない自由のためにキャッシュレスには反対。
政府か必ずうそをつく=ハワードジン。
貨幣のデジタル化が進むと、預金封鎖がしやすくなる。

改正銀行法では銀行が非上場企業の株式を100%持てる。

GIGAスクール構想=タブレット配布。検索履歴がGoogleに利用される。
on-line授業では教員の数が少なくて済む。過疎地の教育も同じレベルにできる。が本当だろうか。
教師が非正規労働になる。
タブレットの弊害=考える前に調べる。
読売新聞では新入社員に半年間手書きで記事を書かせる。


🌕️ほんとに何もかもを儲けの対象にする金の亡者軍団の悪辣さに歯噛みする。きれいなことばに釣られないようにしなければ。
公教育の解体はじわじわと進んでいるが、まさかここまでとは! アメリカの事例を知り驚愕した。
公が信用ならんのが我が国だが、民(大企業)はもっともっと汚い。子どもたちから遠ざけなければ。





📖『平和ってなんだろう
「軍隊をすてた国」コスタリカから考える』
(岩波ジュニア新書 )
足立力也 著


感想レビュー

🌕️まさかこんな国があるとは!想像を遥かに超えていました。骨を抜かれて屍と化した日本ではここまでの外交手腕を発揮するのは無理でしょうが…一つの例として、これからのお手本になる部分はたくさんあるなと感じました。特に自分と同世代(30代)やもっと若い人たちに、読んで欲しいなぁと思った次第です。


🌕️中米で軍隊なしでやっていくのには、どうやらパクス・アメリカーナに刃向かわず、それを受け入れた上で、かつ、それをうまく使ってやるという老獪さと外交のうまさがあったみたいです。そして、コスタリカは民主主義や人権に重きを置く国民性を持っていることも、対アメリカ外交での強いポイントになったようです。1980年代に永世中立国になる宣言をしたコスタリカをアメリカは無視したが、ときのコスタリカ大統領は欧州を説き伏せて支持を集めて、アメリカに再度迫り認めさせたとのこと。パワーを持つ国をいかに使ってやるか、という感じ。アメリカはなにせ、民主主義や人権などをかかげて、それを強要していくような戦略で世界を制覇しようするので、コスタリカが欧州からの支持を受けた上でアメリカに対して逆に、「民主主義と人権のためだ」と迫ったのはけっこうなものだったのではないか。日本もコスタリカの猿真似をしよう!というのではないし、こういう形の平和の築き方っていうのも、広いこの地球上にはあるのだ、というように読むといいのではないかと思いました。また、あらゆる立場の人が、圧力を感じずに思ったことが言えることが民主主義の前提だと、本書に出てくるコスタリカの少女が言っている。それでこそ、同じ目線での話し合いである「対話」ができる。つまり、自由・公正・公平が保証されてできるのが「対話」というわけで。これって日本じゃ希薄な価値観ではないでしょうか?大切なことなんですけどね。


🌕️経済的に先進国ではない=民主主義的ではない場合が多い、という先入観があったが、その考えに面白い問題提起をしてくれた本。
司法、刑務所、医療、選挙については日本や他国も示唆が得られるのでは。
国家予算をどうやりくりしているか気になる。


🌕️日本に軍隊がないのは成り行きだ。他にも軍隊を捨てた国があるなんて思ってもみなかった。
少し調べればわかることだけれど、その「少し調べる」こともとっちらかった日常の中では難しいこともある。
自衛隊は軍隊の一種だし、憲法で軍隊を放棄している国は他にもある。
日本国憲法は確かにGHQに与えられた憲法だけれど、成り行きで生まれた憲法で何が悪い?という気もする。
表現の自由、環境を整えること、民主主義、人権。軍隊のない平和な世界。
現実から乖離しているように見える理想でも、唱え続けることで社会全体で共有する価値観となる。
子供を政治に参加させることで、政治によって世の中を変えることができると教えることになる。ゲーム感覚でもかまわないのだ。
「選挙に行かないことは権利の放棄」だって脅しも、アイドルグループに選挙へ行くよう呼びかけさせる必要もない。
システムに振り回されるのではなく、心に根付いた価値観や文化からシステムを構築する。
平和という概念は本質的に「肯定する」性質を持つ


🌕️軍隊を捨てた国として注目をあびるコスタリカの人々が考える平和とはどのようなものだろうか?あらためて平和を考える本である。
* 民主主義と軍隊は相容れないものだ。もし軍隊があるのであれば、そこに真の民主主義はない
* 平和問題や環境問題などに対するコスタリカの国家政策や社会システムを評価することは意味がない。それ以上にコスタリカ人の頭の中、つまりそのシステムを運用するひとびとの思想や価値観、文化が大切である。私たちにとって「軍隊をすてた国」としての平和国家を維持するコスタリカを参考にできるヒントがそこに隠されている。
* コスタリカにおける軍隊の廃止は、ある意味では、歴史の流れの中で生まれた必然の産物である。なぜなら、軍隊は捨てたのではなく、わすれられた存在だからだ。
* 学校の生徒に「平和とはなに?」というし質問をなげかけてかえったきた答えは「民主主義、人権、環境」であった。民主主義を「対話で問題を解決すること」と定義している
* モンテベルデ自然保護区。コスタリカで最も早く自然が組織的に保護された場所のひとつである。
* コスタリカ人がどこに向かおうとしているのか。そして彼らの考える平和を一言で表すとすれば、「プラ・ビタ」という言葉である。この言葉は、日本の「ワビ・サビ」のようにコスタリカ人が共有する深層文化を端的に表現している。直訳すると「純粋で素朴な生活や人生」という意味である。
* 私たちは、自分たちがもつアドバンテージをないがしろにしているのではないかと思うことがある。これらのアドバンテージを最大限に発揮するためには、自らがもつ思想が重要になってくる。いくらすばらしいシステムや技術を持っていたとしても、それらを使う人間の思想が停滞してしまうと、無用の長物とかしてしまうためである。





🎵『サウンド・オブ・サイレンス』(サイモン&ガーファンクル)
歌詞と和訳・意訳

ずっと昔、ポールサイモンが作った「ザ・サウンド・オブ・サイレンス」という歌に触れ、その意味をしみじみと味わった時、背筋が凍るような思いをしたことがある。

その歌は、こんな感じで始まる。

The sound of silence (Simon & Garfunkel)

1
Hello darkness, my old friend( こんにちわ暗闇くん。君は僕の古くからの友人だ)
I've come to talk with you again(また君と話しに来てしまった)
Because a vision softly creeping (その訳は、ひとつの幻想がやさしく忍び寄ってきて)
Left its seeds while I was sleeping (僕が眠っている隙に一粒の種残していったからだ)
And the vision that was planted in my brain (そしたらその種が僕の脳の中で大きく成長し始めたのだ)
Still remains (だけど幻想はまだ沈黙の音の中でじっとして動かないままでいる・・・)
Within the sound of silence

一番の歌詞は、作者(人間)が眠っている隙に、
幻想(vision)が、人間の中に忍び寄ってきて、種を蒔いていったというのである。
つまりこの歌は、夢の中での出来事ということになる。
作者の頭に、幻想が蒔いた種とは何か。
作者は、自分の頭に幻想という異物を蒔かれたことで、違和感を持った。
今までと感覚が違うのである。
どうもおかしいと思い、どんな種か、それを確かめるために、
暗闇の中で、幻想の種のなんたるかを探ろうとする。

とかく人間の脳というものは無防備だ。
ひとつの言葉、ひとつの音楽、ひとつの祭、ひとつの恋が、心の中で大きく膨らんで、
その人間そのものを支配してしまうほど、巨大化してしまうことがある。

種というものを考える時、そこにはDNAによって、
成長すればどのようになるかという神の設計図のようなものが書かれている。
つまり種とは、目的を持った何ものかということになる。
さてこの「the sound of silence」とは何か。
これは「沈黙の音」あるいは「沈黙という音」というように訳して構わないと思うのだが、
沈黙には、そもそも音がないのだから、実に不条理な表現だ。
それに定冠詞の「THE」を付けているのだから、作者のポール・サイモンにとっては、
自己の中では明確に意識された「沈黙の音」ということになる。
次に闇の中で、ポール・サイモン自身と思われる男が、
沈黙の音に触れ、いよいよ「沈黙の音」の正体が少しだけ明かされる。

2
In restless dreams I walked alone (落ち着かない夢の中で、僕は独りで歩いていた)
Narrow streets of cobblestone (敷石の狭い通りに差し掛かり)
Neath the halo of a street lamp (街灯の円い光に近づいた時、)
I turned my collar to the cold and damp (思わず寒気がして僕はコートの襟を立てたのだ。)
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light (その時だ。僕の目はネオンのフラッシュに射抜かれ、)
That split the night (夜は、引き裂かれてしまった)
And touched the sound of silence (そして、僕は沈黙の音に触れたのだ。)

一見、何のことやら、分からない。少しイメージを拡げて考えて見よう。
「ネオンの光」は人工的なものを象徴していると仮定する。
そして「夜」というものを、自然の摂理とみる。とすると、
ネオンは「夜の暗闇」を引き裂く光となる訳で、文明を象徴していると考えられる。

それにしても、作者ポール・サイモンは、何故ネオンが眩しいと思った瞬間に、
沈黙の音に触れたと実感したのだろうか・・・。

3
And in the naked light I saw (僕は見てしまった。裸電球の下で、)
Ten thousand people, maybe more (一万か、いやもっと多くの人が、)
People talking without speaking(口を動かすこともなく語っている姿や )
People hearing without listening (耳をそばだてることもなく聞いている姿や)
People writing songs that voices never share (歌われることもない歌を書いている姿を)
And no one dare Disturb the sound of silence. (だけど、誰も沈黙の音というものを遮ろうとするものはいない・・・。)

作者は、恐怖の夢の中をさまよい続けている。
次のヴィジョンは、裸電球の下で、様々な矛盾と無意味と不条理の人生を送る現代人の姿だ。
その現実を垣間見て愕然としている。

裸電球に象徴されているものは、
作者ポール・サイモン自身の幼い頃の文明の光の原始的なイメージだ。
いつしか人類の文明は、暗黒の夜の中で、ほんの少しばかり、
明るくしていた裸電球を大きく発展させている。
そして今や夜そのものを引き裂くほどのまばゆさに変わっている。
つまり裸電球は文明の原初の姿。
ネオンは文明が高度に発展してしまった究極の姿を暗示していることになるであろう。

文明によって、蒔かされた種子は、
いつしか夜という絶対の価値すらも危うくするほどに成長してしまったのだ。
その中で、無批判に人々は無価値・無意味・不条理な人生を送っている。
その状態をポールは沈黙の音(ザ・サウンド・オブ・サイレンス)と規定しているのだ。
すなわち沈黙の音とは、文明の中の「あるもの」(物質)を指すのではなく、
文明の変化過程における「ある状態」(時間)を指していることになる。
その状態とは、コミュニケーションというものを喪失した社会における人間の有り様と言えるだろう。
ここにおいて作者が「ザ・サウンド・オブ・サイレンス」(沈黙の音)というタイトルに込めた意図が明らかになる。
つまりこのタイトルは、現代の文明が、
日常はき出している騒音か雑音つまり「ノイズ」ということに単純化することも可能となる。

その現代文明が、日々はき出すノイズに対し、作者は怒りすら覚え初めている。

4
"Fools" said I, "You do not know (「馬鹿」って言うよ。君たちは何も分かっちゃいないのだ。)
Silence like a cancer grows (沈黙の奴が癌のように大きくむしばんでいるのを。)
Hear my words that I might teach you (僕が諭す言葉をよく聞くのだ)
Take my arms that I might reach you (僕が差し伸べる腕をしっかり取るのだ )
But my words like silent raindrops fell (しかし、僕の言葉は沈黙のままで滴り落ちる雨粒のようなもの。)
And echoed In the wells of silence (沈黙の井戸に、落ちて、ポチャリと、こだまするだけだ。)

「And echoed・・・」というフレーズを「沈黙の井戸に落ちてポチャリとこだまするだけ・・・」
と意訳した時、私の中では、芭蕉の名句「古池や蛙飛び込む水の音」が響いていた。
自分の発する言葉が、次から次と自分の口から湧いてきて、
蛙のようにして、閑かな古井戸に飛び込んで行く。
しかしそれは豊饒の井戸ではなく、沈黙と名付けられた絶望の井戸なのである。
何という孤独。自分の生み出した言葉の力のなさと無意味を感じる時、
作者ポール・サイモンは、世の中の不条理という秘密を知ってしまったのだろうか。
その時の作者の孤独と悲しみは、計り知れないものがある。
そしてここにはある種のニヒリズムが漂っている。
キリスト教的な解釈では「洗礼」という意味も込められている。
しかしその豊饒であるべき源泉がブラックホールのように側にある
自分の生み出す言葉というものすべてを呑み込んで、沈黙に換えてしまうのである。
何を言っても誰もその言葉が届かないままでポールは夢の中でぼう然と立ちつくしているのだ。

更に作者の悪夢は続く。

5
And the people bowed and prayed (人びとは、ぬかずき祈りを捧げていた。)
To the neon god they made (自分たちが勝手につくり出したネオンという神に。)
And the sign flashed out its warning (すると、ネオンの掲示板に、ふいに警告の言葉が現れた。)
In the words that it was forming (光が織りなすその言葉で)
And the sign said (ネオンの掲示板は次のように語る。)
"The words of the prophets are written on the subway walls (「予言者の言葉は地下鉄の壁にも」)
And tenement halls.(「そして安アパートの廊下にも書かれてある」と)
And whispered in the sound of silence (それでも沈黙の音の中で人々のささやきは続く・・・) (日本語訳:佐藤)


現代の神話がここにはある。
ネオンの神という概念は、文明に対する無批判な依存関係を指す。
産業革命以降、西洋の文明が、この地球にもたらしたものは、
人間という種によるコロニー化(植民地化)であり、自然破壊という明々白々たる現実でしかなかった。
そのために、森林は伐採後に焼かれ、地球の砂漠化には加速度が付いている。
このままの傾向で進めば、人口爆発によって、百年か二百年後には、
地球の生態系は完全にバランスを失って人類に滅亡の危機が訪れると警告する未来学者もいる。
それでも現代人は、空虚なネオンの神にぬかずいて祈りを捧げているとすれば、
これは現代の戯画化(カリカチュア)そのものだ。
それは一面滑稽ではあるが、けっして笑うことでは済まされない怖い場面がここにはある。
今、空虚なネオンの神は、新たに進化し、テレビ文化というものを造り出した。
無知な人間の前を光が流れることによって、情報の洪水が、
あたかも人間を知識あるものに見せかけている。しかしそれはとんでもない幻想だ。■■■人は何も分かってはいない。現実はもっと暗く。真実はもっと奥に隠されている。そのことを人は知るべきだ。
自分の心の中すら触れたことのない人間が、どうして世の現実を理解できるだろう。
私たちは、結局自分すら。自分の周囲で起こっている現実すら、分かっていないのである。
その証拠に、この「サウンド・オブ・サイレンス」という曲は知っていても、
その中身を深く知っていた人は、世界中でもほんの一握りの人に限られていたはずだ。
この現実が、「People hearing without listening 」(耳をそばだてることもなく聞いている姿を)という我々の日常に潜む「沈黙の音」の恐ろしい現実なのだ。
ポール・サイモンがこの歌を書いたのは1963年であった。
それから既に40年の歳月が流れている。
しかしこの中で歌われている歌詞の現実は、
ますますリアルな光芒を放ちながら、我々の耳に響いてくる。
この歌の真の意味を人類が理解するのは、百年後か二百年後かもしれない。
大体私も含めて、この「サウンド・オブ・サイレンス」の歌詞を真剣に考えた人間が何人いるだろうか。
たいていは、意味不明、まあ、良いメロディだから何となく聴いている、
といった人間がほとんどではないのか。
それでいい。という考え方もある。
しかし人は、時には立ち止まり、頭が割れそうなほど、
そこに込められた意味を考えることが必要だ。
それが結局このどうしようもない「沈黙の音」という現代文明の放つ
「ノイズ」を打ち破る唯一の方法であろう。
更にこのテレビ文明の後に続いて起こっていることは、インターネットによる情報ノイズの大洪水■■■だ。
テレビ文明とインターネット文明の違いは、
情報の一方通行状況から、双方向に情報が行き交うということになる。
しかしどうも情報は一元的に管理される方向に意図的に流れていることは確かだ。
その根底には、「情報を支配するものは、世界を支配できる」、という暗黙の思考があり、
これがまた「沈黙の音」(サウンド・オブ・サイレンス)が「ノイズ」として流され続ける原因ともなっている。
その意味で、この歌は、どこかにいるかもしれぬ知恵の神が、
ポール・サイモンという現代の霊媒の口を借りて放つ警告の歌と言えるであろう。
このサウンド・オブ・サイレンスの作者ポール・サイモンと同世代のフォーク歌手にボブ・デュランがいる。
彼は、名曲「風に吹かれて」の中で、戦争など、世の中の矛盾を直接的に、鋭く突きながら、
最後の結論において、「友よ、その答えは、風に吹かれている」と、お茶を濁した。
それに対しポール・サイモンは、現代人の心に潜む幻想を、
「沈黙の音」という形で暗喩的に表現しながらも、結論においては、
現代人が心に持つこの幻想という不条理を打ち破る方法を明確に指し示した。
それはネオンの神、すなわち文明を疑うことから始まる。
そして夜が夜本来の暗闇を取り戻した時、幻想としての沈黙の音は打ち破られると言った。
しかしそれは極めて哲学的な修辞(レトリック)に満ちているために、
ほとんど理解されないままほぼ四十年が過ぎてしまった。
もしかして、作者のポール・サイモン自身も、この歌の普遍的な意味に
気づいていないことだって十分考えられる。だとしたら、尚更この歌の持つ意味は深いことになる。
ともかく、いつの日か、人類が、「沈黙の音」という不条理を打ち破る日が来ることを祈念しつつ、
筆を置くことにしよう。佐藤弘弥



『不条理』とは道理が通らないさま。
📽️『地下水道』。戦争の不条理の映画。
🎵『サウンド・オブ・サイレンス』の「沈黙の音」という不条理。
戦争自体が不条理。
「戦争はもうやらない」という法律をつくる。
すると、武器兵器はただの鉄屑に。
銀行と通貨と株を廃止して物々交換に。
核はどのように処分するのだろう。
「それじゃ、まったく儲からん❗」と、
憤慨する人たちが闇の支配者。
闇の支配者は1人なんだろうか❔
複数なんだろうか❔

SDGs(エスディージーズ)の本に
「上位の26人、われわれが、
貧しい38億人(世界人口の下位半分)と、
同じ金額のお金を持っているんだよ。」
と書いてあったから、
この、『世界で最も豊かな26人』の中に居る可能性もあるんじゃない❔
(国際協力団体オックスファムの調査による)

そうしたら、
世界の闇の支配者は、
世界一の富豪である米アマゾン・ドットコムの創業者ジェフ・ベゾス氏になってしまうよ⁉️
ジェフ・ベソス氏の資産は昨年、1120億ドル(約12兆2800億円)に増えた。オックスファムによればベゾス氏の総資産のわずか1%が、人口1億500万人のエチオピアの保健医療予算全額に匹敵するという。


NEWSWEEK
「世界中が怒りを感じている」
上位26人が下位38億人分の富を保有。
富裕層があと0.5%でも多く税金を払えば、
(世界の)貧困問題は解決するのに‼️
2019年1月22日(火)12時59分
ジェイソン・レモン


<国際慈善団体オックスファムが年次報告書で
貧富の格差がまた拡したと指摘。
各国政府に富裕層や企業への増税を呼びかける>

新たに発表された報告によると、
世界で最も裕福な26人が、
世界で所得が最も低い半数38億人の総資産に匹敵する富を握っており、
しかも貧富の格差は拡大し続けているという。


ジェフ・ベソス氏は昨年の長者番付第1位。
2022年の長者番付第1位は、イーロン・マスク氏。


フォーブス世界長者番付・億万長者ランキング(2022年版)
ランキング企業・長者番付
更新:2022-04-06
アメリカの経済誌『Forbes(フォーブス)』が発表している長者番付、1位は誰なのか。



世界長者番付
2022年4月5日、フォーブス誌が発表した2022年版の世界長者番付(World's Billionaires)によると、1位となったのはイーロン・マスク氏だった。 資産額は2190億ドル(約26兆9400億円)で、初めてトップとなった。 イーロン・マスク氏は、電気自動車(EV)メーカー・テスラのCEO・初期出資者、航空宇宙事業を手掛けるスペースXの創業者。

2位はネット通販 Amazon.com の創業者ジェフ・ベゾス氏。 前年まで4年連続1位だった。 資産額は1710億ドル(約21兆300億円)。

番付常連のマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は、資産額が1290億ドル(約15兆8700億円)で4位。 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏、グーグルのラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏もトップ10に入っている。

動画共有サービス「TikTok」を運営するByteDance(バイトダンス)の創業者・張一鳴氏は、前年(39位)から順位を上げて25位にランクイン。

30位のマッケンジー・スコット氏はジェフ・ベゾス氏の元妻。

次にトップ30の新しい顔ぶれを紹介する。

19位のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao, 趙長鵬)氏は、世界最大の仮想通貨(暗号資産)取引所であるBinance(バイナンス)の創業者。 2019年は12億ドルで1818位、2021年は19億ドルで1664位だったが、今回大幅に順位を上げた。 資産額は650億ドル(約8兆円)。

29位の曾毓群(Robin Zeng)氏は、CATL(Contemporary Amperex Technology Co. Limited)の創業者。 CATLは、電気自動車のバッテリー(電池)を製造している中国の会社で、世界最大手。 資産額は448億ドル(約5兆5100億円)。

いずれも時代を反映した顔ぶれとなっている。

フォーブス誌によると株式市場の低迷などにより、億万長者は前年から87人減り、2668人となった。 10億ドル(約1230億円)以上の資産を保有している人物が対象。 保有資産の合計は、前年より4000億ドル減り、12兆7000億ドル(約1562兆円)。 初ランクインが236人、女性が327人。 国別では、最も多いのがアメリカで735人。 2位は中国(香港とマカオを含む)で607人となっている。

日本円は 1$ = 123円 で換算した。

世界長者番付トップ30
順位 名前 関連 国 年齢 資産額
(10億$) 資産額
(兆円)
1 イーロン・マスク テスラ アメリカ 50 219.0 26.94
2 ジェフ・ベゾス アマゾン アメリカ 58 171.0 21.03
3 ベルナール・アルノー LVMH フランス 73 158.0 19.43
4 ビル・ゲイツ マイクロソフト アメリカ 66 129.0 15.87
5 ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイ アメリカ 91 118.0 14.51
6 ラリー・ペイジ グーグル アメリカ 49 111.0 13.65
7 セルゲイ・ブリン グーグル アメリカ 48 107.0 13.16
8 ラリー・エリソン オラクル アメリカ 77 106.0 13.04
9 スティーブ・バルマー マイクロソフト アメリカ 66 91.4 11.24
10 ムケシュ・アンバニ リライアンス・インダストリーズ インド 64 90.7 11.16
11 ゴータム・アダニ アダニ・グループ インド 59 90.0 11.07
12 マイケル・ブルームバーグ ブルームバーグ アメリカ 80 82.0 10.09
13 カルロス・スリム テレフォノス・デ・メヒコ メキシコ 82 81.2 9.99
14 フランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ ロレアル フランス 68 74.8 9.20
15 マーク・ザッカーバーグ フェイスブック アメリカ 37 67.3 8.28
16 ジム・ウォルトン ウォルマート アメリカ 73 66.2 8.14
17 鍾睒睒 農夫山泉 中国 67 65.7 8.08
18 アリス・ウォルトン ウォルマート アメリカ 72 65.3 8.03
19 ロブ・ウォルトン ウォルマート アメリカ 77 65.0 8.00
19 チャンポン・ジャオ(趙長鵬) Binance(バイナンス) カナダ 44 65.0 8.00
21 チャールズ・コーク コーク・インダストリーズ アメリカ 86 60.0 7.38
21 ジュリア・コーク コーク・インダストリーズ アメリカ 59 60.0 7.38
23 アマンシオ・オルテガ インディテックス(ザラ) スペイン 86 59.6 7.33
24 マイケル・デル デル アメリカ 57 55.1 6.78
25 張一鳴 ByteDance(TikTok) 中国 38 50.0 6.15
26 デイヴィッド・トムソン トムソン カナダ 64 49.2 6.05
27 フィル・ナイト ナイキ アメリカ 84 47.3 5.82
28 ディーター・シュワルツ シュワルツグループ ドイツ 82 47.1 5.79
29 曾毓群 CATL(Contemporary Amperex Technology) 香港 53 44.8 5.51
30 マッケンジー・スコット アマゾン アメリカ 51 43.6 5.36
日本の億万長者
世界長者番付に掲載された日本の人物は前年より8人減り、40人となった。

日本で1位は、ユニクロを展開するファーストリテイリングの会長兼社長・柳井正氏で、資産額は261億ドル(約3兆2100億円)。 世界全体では54位にランクインした。

2位はキーエンスの滝崎武光氏、3位はソフトバンクグループの孫正義氏となっている。

ZOZOの創業者、前澤友作氏は今回も番付入りし、資産額は19億ドル(約2300億円)。

次に新しい顔ぶれを紹介する。

柴原慶一氏(Keiichi Shibahara)は、医療・ヘルスケア事業を手掛けるアンビスホールディングスの創業者。

中谷忠子氏(Tadako Nakatani)は、電気機器メーカーTOAから分社したシスメックスの創業者・中谷太郎の妻。



南壮一郎氏(Soichiro Minami)は、ビズリーチの創業者。 転職サイト・ビズリーチなどを運営している。 持株会社のVisional(ビジョナル)が2021年4月に東証マザーズに上場した。

吉田嘉明氏(Yoshiaki Yoshida)は、化粧品や健康食品を製造しているDHCの創業者。

丹下大氏(Masaru Tange)は、ソフトウェアの品質保証やテストを行っている会社・SHIFTの創業者。

日本で最年少は、フリマアプリ・サイトを運営するメルカリの創業者・山田進太郎氏で、44歳。 最年長は、イトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパンの創業者・伊藤雅俊氏で、97歳。 あと3年で100歳となる。

日本のみの番付は 日本の富豪50人 をご覧ください。



戦争プロパガンダ3

2022-05-02 10:56:14 | 日記
(👩自分の理解に多少間違いがあるかもしれませんが、
忘れてしまうから、備忘録として記しておこう。
ロシアとウクライナは十分に話し合いで戦争を回避できたのに、まあたアメリカが仲に入って、
ウクライナには最新兵器を送り、ロシアには戦争を焚き付けた。
アメリカは軍需産業と、ロシアの暴落株で儲ける。
表面上、アメリカが最新兵器で戦争の仕方を教える方法で応援するウクライナ。
ロシアの大富豪オリガルヒの資産で戦うロシア。
ロシアには天然ガスがあり、ロシアは自給率が高い。経済制裁されても我慢強いロシア国民。
お互いに強く、停戦もままならない。
ロシアは核兵器を使うかも知れないとメディアは言う。
ウクライナは核を手放したばかりだ。「おお、戦争するとこんな風に悲惨な状態になるのか‼️自分の国も防衛費を増額しなければ‼️自分の国も核を保有して自分の国を守らなければ‼️」と感じてそのようにする国が出ている。
核兵器なんて使ったら敵国が放射能汚染されるだけでは済まないの。プーチン大統領が本当に核のボタンを押したら世界の大部分は終わる。
世界各国に軍備を増強させ、核を保有させるため、
世界各国の国民を恐れさせるために最高の(最低の)例となってしまったロシアvsウクライナ戦争、ではないだろうか❔
いったいどのくらいウクライナとロシア両国から利益を得たら
ディープステート、ネオコンたち、つまりアメリカは、ロシアとウクライナの戦争をやめさせるつもりなのだろうか❔すでに泥棒化して、アメリカでさえも停戦させられない事態に陥ってしまったら、いったい誰が責任を取るのだろう❔)




生物はDNAを次世代に伝えて進化するが、
人間は後の世代にDNAだけではなく文化を伝える。
🌕️文化を伝えることが教育の大きな意義である。

若者こそ、人類の存在価値を示せる人々です。
今日、世界の平和を阻(はば)んでいるのは、
飢餓、
社会的不平等、
教育機会のないこと、
多くの病気、
環境破壊、
麻薬問題………なのです。

若者たちは、新しい価値観、新しい倫理観を造(つく)り出す責任を背負っているのです。
実践を伴(ともな)わないお説教は、実に危ういものです。
ダブルスタンダード、二重基準はあってはならないのです。
たとえば、中ごくでは人権が脅(おびや)かされていると非難しながら、
サウジアラビアでの人権侵害は放置する。そのようなことはあってはなりません。
一方で環境保全を説きながら、
他方ではオゾン層を破壊してはなりません。

民主主義が世界全体の共通な制度になるべきだと言いながら、
一方では、独裁者に武器を売る。

世界は、厚顔無恥(こうがんむち)と偽善に(溢れてその状態に)疲れていると思います。
そうした状態を改めて欲しいのです。

また、若者は透明で清潔な政治を目指し、
いかなる腐敗にも反対して戦わねばならないと思います。

さらに、特に若者に知って欲しいことがあります。
腐敗のなかで最悪なのは、人々が聞きたがっていることを言うだけで、
(人々が)知る必要があることを言わないことです。
これこそ腐敗の最たるものです。

人間はみなひとりひとり違っています、
違っているからこそ、社会をつくっている意味があります。

違っているひとりひとりが、
特に若者には、
🌕️ひとにへつらうことなく、
🌕️おもねることなく、
🌕️自分自身の良心に従って、
🌕️(自分自身の)主義主張に従って、
🌕️行動する勇気を持って欲しいと思います。
多様性。
生きものは、それぞれに持ちつ持たれつの関係があります。
だれもが主張しながらそれぞれに認めあう。
❇️平和の基礎は多様な人間の尊重にあると
教育の場でもはっきりと掲(かか)げています。

多様性があるということ。それは、
国際社会の問題、
地球環境問題を考え、
行動するときにも、欠かせないことです。
『多様性』を保つということ、
21世紀を開く大切な考えだと思います。

人間はなぜ戦争をするのだろうか❔
人間は「正義」を信じることによって戦争の悲惨を繰り返し経験してきたにもかかわらず、
なぜ同じ道に踏み込むのだろうか❔

戦争の「正義」は、ほんとうの正義なのか❔
「正義」に騙(だま)されないためには、どうしたらいいのだろうか❔

戦争の「正義」とは❔

戦争する国はつねに「正義のための戦争」と主張する。
政府が国内の反対勢力を武力で鎮圧するときにも、「正義」を主張する。

イラク戦争でアメリカのブッシュ政権は「テロとの戦い」を正義の旗印(はたじるし)として掲(かか)げた。(中略)
しかし、正義とは何だろうか❔
🌕️正義とは、実はつくられたものなのだ💀
💀自国の正義を正当化するために、
💀世論を誘導して国民の同意をとりつける。
国民の同意という明確な意思表示まで行かないまでも、
💀反対できない雰囲気をつくりあげる。

👆️このように情報によって世論を誘導することをプロパガンダという。

プロパガンダ(propaganda)の意味を辞書で調べると、
主義や信念の宣伝、宣伝活動、とある。
さらに見てゆくと、カタカナのプロパガンダもあり、これには「悪い含みをもって用いる」という注釈がついている。つまり、ある主義主張によりそった目標を達成するための宣伝活動をさす。目指すところは、狙(ねら)った通りの世論をつくることにある。

イギリスの政治家で平和主義者のアーサー・ポンソンピーは、1928年(昭和3年)『戦時の嘘』という本人を著(あらわ)した。そのなかで戦争目的のプロパガンダの、まるで階段を上るような世論操作のやりかたを「10の法則」に集約してみせた。戦争指導者が発するプロパガンダの言葉を「法則」としている。

ポンソンピーの「10の法則」に従って、
歴史学者のアンヌ・モレリは、
2001に📖『戦争プロパガンダ10の法則(翻訳版、草思社)』という本を書いた。
20世紀の戦争で行われた世論操作をまとめ、
21世紀になった世界で、
「また、プロパガンダが始まった」
と警告している。

ポンソンピーが示し、モレリがまとめた「戦争プロパガンダ10の法則」はたいへん分かりやすい。
ここで、その『法則』を紹介しておこう。

①「われわれは戦争をしたくない」
②「しかし、敵側が一方的に戦争を望んだ」
③「敵の指導者は悪魔のような人間だ」(プーチン大統領)
④「われわれは領土や覇権のためではなく、 
偉大な使命のために戦う」
⑤「われわれも誤(あやま)って犠牲を出すことがある。
だか、敵はわざと残虐行為に及んでいる」(ウクライナ)
⑥「敵は卑劣な兵器や戦略を用いてくる」(プーチン大統領)
⑦「われわれの受けた被害は小さく、
敵に与えた被害は甚大」(太平洋戦争時の日本政府)
⑧「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」(ロシアの芸術家は戦争を支持してません。)
⑨「われわれの大義は神聖なものである」
⑩「この正義に疑問を投げかけるものは裏切り者である」(太平洋戦争時日本は一家総動員しないと村八分)


プロパガンダの階段を上る

①から⑩までの間に、
プロパガンダは一歩一歩、
まるで階段を上るかのようにエスカレートしてゆく。

この法則を現代のイラク戦争に当てはめてみよう。
(他の戦争(たとえばロシア・ウクライナ戦争)の場合は、
皆さんが当てはめてみてください。)

まずは、
①「われわれは戦争をしたくない」と
②「しかし、敵側が一方的に戦争を選んだ」であった。 
アメリカのブッシュ政権は、2001年9月11日のニューヨークの世界貿易センタービル攻撃を、真珠湾攻撃に匹敵する奇襲攻撃として、「テロとの戦い」を宣言、
テロリストの背後にアメリカの安全を脅(おびや)かす無法者国家がいるとした。

その後、アフガニスタンのタリバン政権、イラクのフセイン政権攻撃を世論が支持する伏線をつくるために、
①と②の法則を利用したといえる。

アメリカは世界最強の軍事国家である。
(アメリカは、)アメリカの正義のために軍事力を行使する国である。
ブッシュ政権は、国内世論だけでなく国際社会の世論の支持を得るためにも、プロパガンダに力を惜しまない。

プロパガンダはエスカレートした。
③「敵の指導者は悪魔のような人間だ」、そして、
④「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」。

サダム・フセインは、国内で残虐非道、人権無視の独裁的な恐怖政治を行い、
一方では、核兵器、生物兵器、化学兵器を製造、保有し世界の平和を脅かしている。
サダム・フセインを倒すことは正義の戦いである、とした。

日本の小泉政権は無条件にアメリカを支持した。
しかし、フランス、ドイツを中心に、イギリスを例外としてヨーロッパ諸国は、ブッシュ政権のプロパガンダに冷淡であった。国際世論は1色ではない。
国連決議のないまま、それでもブッシュ政権のアメリカと同盟国は、イラク戦争に突入する。

フセイン政権を短期間で崩壊させることには成功した。アメリカの軍事力の大きさを改めて世界に示したといえる。しかし、イラク国内の抵抗はやまなかった。イラク市民とアメリカ兵の犠牲者は増大した。

プロパガンダは、⑤、⑥、⑦へと進む。「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為に及んでいる」、「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」、そして、
「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害とアメリカ甚大」。


複雑に人種とイスラム教の宗派が入り乱れるイラクは、
かつての敗戦日本のように、軍国主義から民主主義への変わり身の早さは期待できない。終わったはずの戦争は、泥沼化した。
敵味方がよく分からない状況で、同盟国への誤爆が起きる。
多数の市民が巻き添えになって死亡する。
同盟国、特にアメリカ軍の兵士の死者は、すでに「9.11」の死者を超えた。
さらに、その何十倍、何百倍のイラク人死者が出ている。
(中略)
泥沼化して抜き差しならない状況に陥り、味方の被害が増大すればするほど、敵の残虐行為を強調し、敵の被害は過大に味方の被害は過小に、希望と期待をまじえて評価するようになる。

プロパガンダはさらに
⑧「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」、
⑨「われわれの大義は神聖なものである」、
⑩「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」、
と続く。

いつの世にも、政権に都合のよい意見を表明してくれる、御用芸術家や御用知識人はいるものだ。
有名人が登場するCMと同じ効果を、戦争のプロパガンダでも期待できる、というわけだ。

イラクでは、開戦の理由であった非人道的兵器は見つからなかった。非人道的兵器が存在するという理由そのものが、そもそもプロパガンダの一部であったこと7判明している。

「非人道的兵器が発見できなかったとはいっても、存在しなかったとはいえない」と詭弁(きべん)を弄(ろう)する政治家がまだいるが、(イラク戦争の)開戦の理由が薄弱だったことははっきりした。
そこで持ち出したのが、
イラクに民主主義をもたらす、という「正義」である。
(中略)


民間会社が一役  

いま世の中では、経営を効率的にするということで、アウトソーシングが日常的に行われている。
アウトソーシングとカタカナで書くと、何か最先端の経営戦略のように聞こえるが、要するに外注すること、業務の一部を下請け、孫請けに出すことである。大小の企業、中央と地方の官公庁、大学から小学校まで、いまやアウトソーシングしていない組織は、まずないのではないだろうか。

そのアウトソーシングが戦争でも行われている。
昔から外人部隊はあった。フランスの外人部隊が有名だ。外国人を雇(やと)って部隊を編成し、自国のために働かせるもので、最前線の危険なところに派遣されるのが常だった。雇い主は国家、雇われるのはプロの兵士、だった。

ところが最近の戦争アウトソーシングは違っている。民間会社が戦争の業務代行をするのである。
戦争の業務代行は戦闘だけではない。兵站(へいたん)が重要だ。
兵站とは、武器弾薬をはじめ戦闘員の生活を支える食料から医薬品までの、すべての軍需品の補給、修理、輸送、連絡などの業務全体を指す。
戦場はいつも人手不足だが、正規軍の増派には世論がうるさい。そこでお金を払って、世論を気にする必要のない民間会社に業務を代行させるのである。

兵站だけではない。重要人物の護衛も任せる。特にイラクでは敵味方が判別できないような状況だから、外国人には護衛が欠かせない。正規の兵士に人数の余裕がないから、いきおい民間会社に委託する。刑務所のスタッフも民間委託になっているという。
💀戦場はお金が儲かる場所なのだ。
(👩若者にそういう仕事をしなさいとすすめているのではないよ❗
殺人と殺人関連を仕事にしてはダメだよねって言っているの。)
(中略)
そうしたなかで、プロパガンダのためのアウトソーシングがあり、そこに民間の広告宣伝会社が関わっていないわけがない。
一例を挙(あ)げる。
ボスニア紛争は死者20万人、難民200万人を出した大規模な民族紛争である。
1992年に始まり、95年まで続いたが、
この紛争の勝敗を決した(決めた)大きな要素に、ある民間会社による戦争プロパガンダがあった。
旧ソ連崩壊後の1991年から92年にかけて、かつてのソ連の影響下にあり、ユーゴスラビア連邦を構成していた国々が相次いで独立を宣言する。
ボスニア・ヘルツェゴビナもその1つだった。しかし、その独立こそが、隣人同士が憎しみ合い殺し合う内戦の発端になった。
人口400万人余のボスニア・ヘルツェゴビナには、3つの民族が暮らす。人口の4割強がモスレム人、3割強がセルビア人、2割がクロアチア人。このうちモスレム人が他の民族の反対を押し切って、強引に独立を宣言した。
クロアチア人は西隣にクロアチア、
セルビア人は東隣にセルビアが、それぞれ共和国として独立したが、モスレム人にはそうした「母国」のようなところがない。その事情が強引な独立の背景にあったようだ。

これに激しく反発したのがセルビア人である。政府や議会から代表を引き揚げた。
クロアチア人もセルビア人と行動をともにした。
ボスニア・ヘルツェゴビナの政府も議会も、人口の半分に満たないモスレム人主体となり、民族間の緊張が高まった。そして、EU(欧州連合)の承認をきっかけに三つ巴(みつどもえ・しっちゃかめっちゃか)の戦闘が始まった。
内戦ははじめセルビア人が優位に進んだ。セルビア人勢力は隣国の支援を受け、たちまち国土の6割を占領、首都サラエボを包囲する。

そうしたなかで、プロパガンダによって国際世論を味方にすることの重要性に気がついていたのは、モスレム人の政府だった。自身もモスレム人であるシライジッチ外相は単身アメリカに飛び、知人の伝(つて)をたどってベーカー国務長官に会う。

シライジッチ外相は、
「セルビア人がモスレム人を殺戮している」
と本国の窮状(きゅうじょう)を訴えた。
ベーカー国務長官はシライジッチ外相の弁舌(べんぜつ)に感動し、部下のタトワイラー報道官にアドバイスをさせた。
「主要なメディアを通じて欧米の世論を動かせ」
さらに紆余曲折(うよきょくせつ)があったが、アドバイスに従ったシライジッチ外相の最終的にたどり着いた先が、アメリカのPR会社、ルーダー・フィン社のジム・ハーフである。
ハーフは、シライジッチ外相の依頼を受け入れた。そして、このあとハーフの指導の下に、モスレム人のボスニア・ヘルツェゴビナを支持する国際世論が形づくられてゆく。

世論を決めたワンフレーズ
(👨いま、中ごく共産党による新疆ウイグル自治区のウイグル人への人権侵害と混ざりそうなので、
著者のかたへ、申し訳ありません。せっかくの文章ですがどうか割愛させてください。)
(中略)
欧米諸国は憤慨した。1994年になると、モスレム人とクロアチア人はアメリカの仲介で手を結び、セルビア人と対抗する。それでも、セルビア人の勢力は衰(おとろ)えない。そこでNATOは激しい空爆を行う。セルビア人は、国際社会のなかで孤立に追い込まれた。
1995年に入って一時停戦、9月はじめのNATOの大規模な空爆を経て、10月に和平交渉が始まる。結果は、セルビア人の敗北であった。
(👩戦争なんか始めてはいけないということ。)

ここまでの経緯についてさらに詳しいことは、高木徹さんの著者『ドキュメント・戦争広告代理店・情報操作とボスニア紛争』(講談社)を参照して欲しい。
(👨👩👧はい。)

ところで、プロパガンダには、創作がある。捏造がある。これはプロパガンダの常識である。
民族紛争の憎悪と報復の連鎖のなかで、各地で虐殺やレイプガあっただろうことは推測できる。(中略)
しかし、セルビア人だけが悪の権化(ごんげ)であった証拠はない。
だが、結果は明らかだった。プロパガンダの勝利であった。

(👩欧米諸国の人々がプロパガンダをそのまま信じて憤慨したから。)

プロパガンダではエピソードを捏造(ねつぞう)する。
特に残虐行為のエピソードは効果的だ。

「(戦争プロパガンダ)10の法則」の③と⑤、すなわち、
「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
「われわれも誤(あやま)って(間違えて)犠牲者を出すことがある。
だが、敵はわざと残虐行為に及んでいる」ということを裏付けるために、やはりエピソードが必要になる。そこで誇張(こちょう・大げさに)した物語、ときには逆手(さかて)に取った感動的物語がメディアを通じて流される。
(👩👨パパも私も感動物語には弱い。)

しかし、断っておくが、捏造もありうるからといって、
🌕️歴史の上ではっきりしていることをなかったとするような、
💀国家主義的思惑(しわく)を秘めたプロパガンダを正当化できるものではない。それは曲解(きょっかい)というものだ。

進行中の事態を左右するプロパガンダが行われ、そのプロパガンダで成功報酬を得る民間企業が暗躍(あんやく・闇で活躍する)時代になっている。
(👩そうゆう企業で働かないでね。)

プロパガンダの内容には創作、捏造(ねつぞう・ないことをあることにする)が多々含まれる。
情報化社会と言われる現在、
プロパガンダは手を変え品を変えて(👩色んなやり方で形を変えて)、利益の上がる商売としてますます盛んになって行く。
そういった点(👩を知ることが)重要なのだ。