6月の鶴岡の続き。
※便器の写真あり。食事中の方などご注意を(笑)

玄関からの廊下の途中で分岐した細い廊下を進むと・・・・うひゃ~~っ!!ここだここだ!!深井さんの写真で見たのは。
男子トイレの壁、床、いちめんタイルだらけ!!キャイ~ン!!

こちらの壁には銅版転写の青い本業タイルが四半張りに!奥の個室前の段はモザイクタイル貼り~~

床は人研ぎとマジョリカタイルのコラボ~~!

おまけに天井は折上げ格天井~~

あぁ、興奮で声がおかしい(爆)。ち、ちょっと心を落ち着けて、、、順番にじっくり見ていこう。
何と言ってもまず驚くべきはこの便器周りのタイル使い!!淡陶製であろう爽やかな緑色のマジョリカタイルが、
小便器の背後とそれぞれ左右の仕切り壁の合計3面にみっしりと貼られているのだ!!

このタイルは幾何学模様のはずだが、こうやって四半張りにすると花模様に見えるのが不思議。
四半張りは本業敷瓦や古い湿式のタイルでよく見られるが、このような乾式のマジョリカタイルを四半張りに
しているのも面白いなぁ。張り方によっても柄の印象が変わるなぁ。

あぁ~~美しい~~。トイレにしておくのはもったいない~~

そして仕切り壁の意匠も凝りすぎでしょ!人研ぎでこんな優雅な曲線を作り出すか!?

足元には八角形タイルと長方形モザイクも。

そしてこのトイレの最も特徴的なタイルは、いちばん奥の壁に施されたこの意匠。

竹の支柱に巻きついた朝顔のつる、そして鮮やかな紫色の朝顔の花が7つ。この花の部分がタイルなのだ!
洗い出し仕上げの背景の壁に、支柱とつるの部分をモルタルで造形、そこに淡陶製の朝顔型の形象タイルを
散らして埋め込んである。こんな絵画的表現、見たことない!!

深井さんが「形象タイル」と名づけられたこのタイプのタイルは、淡陶の輸出用カタログに載っており、日本では
あまり使われているのを見たことがないが、台湾では古い建物の扁額の周囲やファサードにマジョリカタイルと共に
貼られているのをたまに目にする。これも輸出用の製品として作られたのかもしれない。しかし、朝顔のデザインは
見たことなかった!台湾では朝顔の花はなじみがなかったのかもしれないな。

ここで使ったのはもしかして、男性用小便器を「朝顔」と呼ぶことに引っかけた洒落なのかも!?

朝顔のタイルは小便器の正面にもポツポツと単体で貼られている。あぁ、こんなかわいらしいタイルを眺めながら
用を足すって・・・どんな至福なんだ。なんか悔しいぞ(汗)

料亭のお客は基本的に男性なので、男性用トイレがこんなに広く豪華な作りになっているのだ。
さてこちらの壁は、瀬戸の本業タイル。こちらも四半張りだが、逆にこちらは遠目には縦横の格子状の模様に見える。


一枚もはがれも割れもなく完璧な状態で、使い続けられているのは、日々のお手入れの賜物だろう~
あぁ美しい。

人研ぎの床は、黄色地に赤色で細い格子状の模様が入り、その交点の部分にマジョリカタイルが配されている。
長年踏まれ、磨かれたため、チューブライニングの凸部の釉薬が剥げてしまっているが、割れや欠けはないのが素晴らしい。

そして一段高くなった個室の中にもタイルがある。和式と洋式どちらのブースも腰張りタイルの上にぐるりと
形象タイルが貼られているのだ。洋式の方はタンクがじゃまだが和式の方はきれいに見える。
朝顔のほかに、桜の花(?)と、小さなサイズの四角いレリーフタイルが散らされていた。

新茶屋の建物は明治39年築ということだが、このタイル貼りのトイレはもう少しあとにできたと思われる。
緑色のタイルは大正中期以降のもの、形象タイルは1935(昭和10)年のカタログに載っている
(但しその年の新作かどうかは不明)らしいので、大正末から戦前頃に増築されたか改修されたのだろう。

モザイクタイル貼りのブースの部分はさらにあとで、おそらく戦後に改修されたと思われるが、タイルは
改修前に貼られていたものを再利用したのか、新たに入手したのか、ストックしてあったものか。

おかみさんにもっと詳しく聞けばよかったのだが、写真を撮るのに夢中で聞き損ねた(汗)。


床のモザイクタイルは七宝つなぎ。これもかわいいなぁ。

続く。
※便器の写真あり。食事中の方などご注意を(笑)

玄関からの廊下の途中で分岐した細い廊下を進むと・・・・うひゃ~~っ!!ここだここだ!!深井さんの写真で見たのは。
男子トイレの壁、床、いちめんタイルだらけ!!キャイ~ン!!

こちらの壁には銅版転写の青い本業タイルが四半張りに!奥の個室前の段はモザイクタイル貼り~~

床は人研ぎとマジョリカタイルのコラボ~~!

おまけに天井は折上げ格天井~~

あぁ、興奮で声がおかしい(爆)。ち、ちょっと心を落ち着けて、、、順番にじっくり見ていこう。
何と言ってもまず驚くべきはこの便器周りのタイル使い!!淡陶製であろう爽やかな緑色のマジョリカタイルが、
小便器の背後とそれぞれ左右の仕切り壁の合計3面にみっしりと貼られているのだ!!

このタイルは幾何学模様のはずだが、こうやって四半張りにすると花模様に見えるのが不思議。
四半張りは本業敷瓦や古い湿式のタイルでよく見られるが、このような乾式のマジョリカタイルを四半張りに
しているのも面白いなぁ。張り方によっても柄の印象が変わるなぁ。

あぁ~~美しい~~。トイレにしておくのはもったいない~~

そして仕切り壁の意匠も凝りすぎでしょ!人研ぎでこんな優雅な曲線を作り出すか!?

足元には八角形タイルと長方形モザイクも。

そしてこのトイレの最も特徴的なタイルは、いちばん奥の壁に施されたこの意匠。

竹の支柱に巻きついた朝顔のつる、そして鮮やかな紫色の朝顔の花が7つ。この花の部分がタイルなのだ!
洗い出し仕上げの背景の壁に、支柱とつるの部分をモルタルで造形、そこに淡陶製の朝顔型の形象タイルを
散らして埋め込んである。こんな絵画的表現、見たことない!!

深井さんが「形象タイル」と名づけられたこのタイプのタイルは、淡陶の輸出用カタログに載っており、日本では
あまり使われているのを見たことがないが、台湾では古い建物の扁額の周囲やファサードにマジョリカタイルと共に
貼られているのをたまに目にする。これも輸出用の製品として作られたのかもしれない。しかし、朝顔のデザインは
見たことなかった!台湾では朝顔の花はなじみがなかったのかもしれないな。

ここで使ったのはもしかして、男性用小便器を「朝顔」と呼ぶことに引っかけた洒落なのかも!?

朝顔のタイルは小便器の正面にもポツポツと単体で貼られている。あぁ、こんなかわいらしいタイルを眺めながら
用を足すって・・・どんな至福なんだ。なんか悔しいぞ(汗)

料亭のお客は基本的に男性なので、男性用トイレがこんなに広く豪華な作りになっているのだ。
さてこちらの壁は、瀬戸の本業タイル。こちらも四半張りだが、逆にこちらは遠目には縦横の格子状の模様に見える。


一枚もはがれも割れもなく完璧な状態で、使い続けられているのは、日々のお手入れの賜物だろう~
あぁ美しい。

人研ぎの床は、黄色地に赤色で細い格子状の模様が入り、その交点の部分にマジョリカタイルが配されている。
長年踏まれ、磨かれたため、チューブライニングの凸部の釉薬が剥げてしまっているが、割れや欠けはないのが素晴らしい。

そして一段高くなった個室の中にもタイルがある。和式と洋式どちらのブースも腰張りタイルの上にぐるりと
形象タイルが貼られているのだ。洋式の方はタンクがじゃまだが和式の方はきれいに見える。
朝顔のほかに、桜の花(?)と、小さなサイズの四角いレリーフタイルが散らされていた。

新茶屋の建物は明治39年築ということだが、このタイル貼りのトイレはもう少しあとにできたと思われる。
緑色のタイルは大正中期以降のもの、形象タイルは1935(昭和10)年のカタログに載っている
(但しその年の新作かどうかは不明)らしいので、大正末から戦前頃に増築されたか改修されたのだろう。

モザイクタイル貼りのブースの部分はさらにあとで、おそらく戦後に改修されたと思われるが、タイルは
改修前に貼られていたものを再利用したのか、新たに入手したのか、ストックしてあったものか。

おかみさんにもっと詳しく聞けばよかったのだが、写真を撮るのに夢中で聞き損ねた(汗)。


床のモザイクタイルは七宝つなぎ。これもかわいいなぁ。

続く。
いつも貴重な写真を拝見させていただいております。
このトイレは圧巻ですね。これだけ見るためにも鶴岡まで足を運びたくなりました。
>日々のお手入れの賜物
料亭ということで使う側の品格もあるのでしょうが、これだけの状態で維持するのは並大抵のことではありませんね。
ここは本当に圧巻でしたよ~~
これだけのために鶴岡へ行く価値は十分ありますし、
鶴岡や酒田は1泊2日ではまったく見切れないほどの
近代建築もありますので、是非ゆっくり行かれることを
お勧めしますよ~~
本当に、建物は使われてこそですから、商売繁盛!するように
皆新茶屋でお食事しましょう(笑)