まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

西螺の老街を歩く。

2018-10-20 12:05:44 | 建物・まちなみ
斗六からの続き。

斗六でお昼を食べてから車で20分ほど走り西螺にやってきた。ここも古い街で、延平老街という日本統治時代に作られた
まちなみが残る。濁水渓という大きな川が近くを流れ水が豊富にあったことから醤油の醸造が盛んに行われた。
中でも丸荘醤油は台湾でいちばん有名な醤油の老舗醸造元だとか。

延平路の東寄りにある東市場は、現在はもう青果や生鮮品は売っておらず、カフェや雑貨屋などが入っていて
トイレや中庭にちょっとしたステージも備えたまちの核施設となっている。古い市場施設をうまく活用してあるな!
西螺は台湾内の観光地として斗六よりはメジャーなようだ。


その端の一角に、現在は営業していない市場時代の古い食堂の建物があり、床のタイルがそのまま残っていた。


これはセメントタイルかな。はげていないところを見ると象嵌タイルなのかもしれない。


連呼するような「明正食堂」の文字が味わい深い。
埃にまみれたガラスを指でこすって覗いてみると、中は物置と化していたが、同じタイルが敷き詰められていた。


モザイクタイルが貼り詰められた、近くの住宅のバルコニー裏。かわいい~~


アイスクリームでも食べて休憩する誘惑にもかられたが、、、先に老街を見よう。


東市場の向かいには、西螺の紹介写真には必ず載っている有名なビルディングがある。
1932(昭和7)年に建てられた廣合商行。林集山という人が200年前に広東の潮州から台湾に来て
貿易商として成功した。この林家は真理大学創設者や雲林県の議長などを輩出した名家で、西螺の発展を牽引
してきたといえる。


バロック風の商店建築は基本的に左右対称のデザインだが、ここはアシンメトリーで自由な曲線使いのデザインや
左端にそびえる時計塔が目を引く。これらは昭和初期に建てられたもので、モダンな印象を強烈に与えている。
以前見た鹿港でもこういうアシンメトリーな建物があったな。


三角の窓や桟が素敵~~


こちらも廣合商行の建物。バルコニーの手すりに「RINKIOGOSHAUKO」の文字が見られる。
モルタルで作られた文字の入った手すりはここの他でも目にしたが、こういうの好きだなあ~


延平路を歩いていくと、見ごたえのある古いまちなみがずっと続く。結構状態がよいのはまちなみ保存のために
修復等がなされたのだろうか。それにしても各家それぞれ趣向を凝らしたデザインを眺めて歩くのは楽しい楽しい!


尖頭アーチ形の窓がおしゃれなこちらの建物もバルコニーの手すりに文字が。「LIONGCHOAN」


こちらも間口が広く老街の中で目立っていた建物。1933年ごろに建てられたものとか。


貝殻のような模様。こういうモチーフがあるのも鹿港の表通りと似ている。


ここは昭和初期のまちなみなのでほとんどがモルタル塗りの建物であり、レンガレンガした建物はほとんどない中、
意匠として使われていると目を引く。


ゴージャスなレリーフが施された装飾壁のてっぺんには、今にも飛び立たんとする鳥が。飛躍を願ってのことだろう。


そしてこれは、、、パイナップル!?ここは果物商だったのかな(笑)


続く。
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斗六の建物をめぐる。

2018-10-18 22:17:07 | 建物・まちなみ
斗六の続き。

太平老街から歩いて来た、斗六行啓紀念館。青々した芝生の広場の奥に鎮座するレンガ色の建物は
駅舎か、学校か、お役所か、などとと思うが、日本統治時代の1923(大正12)年に、裕仁皇太子が台湾各地を
行啓されるときに台湾内で8ヶ所に建てられた記念館のうちの1つ。
集会場や講堂などとして使われた。


直線的なフォルム。大正の終わりにもなると装飾も少なめだな。この日は前の広場でイベントをやっていて
建物の全貌が撮れなかった。


現在は建物は一般公開されていて、中ではこの建物の歴史などについての展示がある。


当時の新聞記事の切り抜き。当時は結構なニュースだったのだな。


並んだ縦長窓からは南国の緑が見え、一幅の絵のよう。。


上へ上がって高い吹き抜けを俯瞰。おぉ♪
螺旋階段はおそらく後から取り替えられたものだが、スタイリッシュでカッコイイ!


屋根を支える小屋組は入り乱れているが基本キングポストトラスだな。


正面のベランダに出ると屋根がすぐ目の前に。この建物の屋根がセメント瓦であることがわかった。


ところでこの行啓紀念館のすぐ横に、レンガ造の小さな小屋が何軒かあった。日本統治時代の警察官舎らしい。
現在はリノベーションされ「哲美系 二手書店」というお店になっているようだ。おしゃれな古本屋か。






カフェもやってるのかと思ったが、イートインはできないようで、ペットボトルに入った果汁100%手絞りの
ジュースを購入。う~ん、さわやか!!


こちらの建物は使われていないようだ。


そしてその裏手に奇妙な小山が。これは何だ!?石垣が組まれた明らかに人工的な小山。これは雨よけ付の入口なのか!?


奇妙なのは、この山の上から臭突のようなものが、まるでつくしのようにニョキニョキと飛び出しているのだ。
いや、上だけではない。横からも土管が突き出している。


説明板などは見当たらなかったが、防空壕に間違いなさそうだな。


その手前には「雲林記者之家」と書かれた建物が。これは1960年代に建てられたもので、ジャーナリストの
交流の場であったらしい。雲林県における新聞事業の発展を見続けてきた建物として、歷史建築に登録されている。
※「歴史建築」とは、古蹟よりもゆるい日本で言う登録有形文化財にあたる。


大きなものから小さなものまで。日本統治時代に建てられた建物が今も大事にされて使い続けられているのを
目にすると本当にうれしいなぁ!

続く。
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斗六の老街

2018-10-17 23:40:02 | 建物・まちなみ
台湾の続き。

今回は来るとき台北から入ったが帰りは高雄空港からの予定。・・・というのは、連休の最終日、
台北便は少し高く高雄便の方が安かったから。まぁ、数千円の違いなのだが(爆)。
ピーチでオープンジョーのチケットを指定できることを発見して、喜んで取ってみたというのもある(笑)。

高雄で1泊する予定で新幹線で南下。その途中で、前から行きたいと思っていた斗六や西螺に立ち寄って
散策しようと考えていた。嘉義の花磚博物館の徐さんが案内してくれるというので、高鉄雲林駅で再会!

車でまず斗六へ向かい、太平老街を歩く。


うわぁ~~、古い商店がずらりと並んでいる!!
斗六は雲林県の中心地で、交通の要衝として昔から栄えた場所。この太平老街は、日本統治時代に建てられた
バロック商店建築が600mも連なり、台湾最長の老街なのだとか。
レンガや石で飾り立てられたファサードには、寺廟などでよく見られる台湾の伝統的な装飾「剪黏」も
使われていて、華やかさをを添えている。


あっ、こんなところにタイルが!


こちらも素敵なファサード。2階の窓には面格子もついている。


台北の迪化街や剥皮寮、三峡や大渓、新化など、いろんなところでこういう日本統治時代のバロック風商店が
ずらりと並んだ老街を見てきたが、ここの老街は全く観光化されておらず、車はガンガン走るし、
現役のお店が入っていて看板がデカデカと掲げられていたりと、とてもナチュラルだ(笑)。
ちょっとジャマにも思うが、生きた建築と言えるだろう。




ここは比較的新しそうな3階建ての商店だが、モルタル塗りのファサードにマジョリカタイルが使われていた。




その隣の建物にもタイルが。右側は絵付タイルだが左側は何?見たことない絵柄のタイルだな。
下の2枚一組の龍のタイルはよく見かけるもので日本製だ。こういうマジョリカタイルが使われた建物はごく少数。




こちらの商店の装飾壁には丸いものが・・・時計!?
これを掲げ持っている2人の子供は天女の羽衣のようなものをまとい、両側には獅子が描かれているのも
西洋っぽくなく、中洋ミックスされた雰囲気。


スタイルはほんとにばらばらで、各家でデザインを競ったのだろう。


こちらは2階から突如円柱がそびえている(笑)。


あっ、よく見るとこんなところにもタイルが・・・




古い薬屋さんの薬の棚は風格を醸している。


白いタイルを使った建物はまちなみの中でも新鮮に映るな!白の鮮やかさが目を引く。




梅に鶯をモチーフにしたモルタル装飾。立体的に表現された花びらはタイル片だろうか?美しい~~




こちらはずっと時代が下るモザイクタイル貼りの建物だが、右端の部分がかわいいデザインだな!


続く。
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鶯歌をふらふら歩く。

2018-10-16 22:22:12 | 建物・まちなみ
台北の続き。

台北故事館でタイル展を見たあとは友人と別れ、ひとりでふらっと鶯歌へ行ってみる。
鶯歌は焼き物の町で2度ほど行ったことがあるが、まちなかにあまり古い建物はなく、タイルも見当たらなかった記憶がある。
陶瓷博物館も行ったことあったと思うのだが記憶が薄く(汗)、もう一度行ってみようと。
台北から台鉄の列車で30分ほど。停まった貨車や機関車を横目に見ながら駅を出ると、観光客が多い。
しかし駅前はこんなんだったっけ・・・記憶が全然ない(汗)

博物館へ行く途中にある汪洋居。煉瓦造で間口の広い建物だ。中央部に装飾壁が立ち上がり、「汪洋居」の文字が。


しかしかなり老朽化しており人の気配は感じられなかった。。。


こちらは陶磁器店だろう。柱にモザイク画があしらわれていた。もちろん新しいものであるが、玉石タイルを使って
立体的なレリーフに仕上げてあり見事。写真には写っていないが、玉石タイルを立体的に使って鳩の羽を表現
してあったりするのが台湾っぽいなぁ。


さて、やってきた陶瓷博物館は名前が2つ書いてある。2000年から2010年以前は台北県立だったのが
2010年以降は新北市立になったということのようだが、変更前の名前を併記してあるというのも珍しい。
さらに、同じ「鶯歌」の読みが、昔は「Yingko」だったのが今は「Yingge」となっている。
中国語の発音も変わったりするんだろうか。


めちゃくちゃ立派な建物で3階分の高さの吹き抜けホールが圧巻。のんびり歩いてひと通り見ていく。


いろんな種類の窯の模型も焼き物で作られていたりして、作品を見るように展示を見る。


瓦や透かしブロック、磚などの建材の焼き物がやっぱり興味を引かれるなぁ~






マジョリカタイルの展示も少し。しかし・・・シミがひどくて汚いなぁ。。ちょっと、クリーニングしてあげて~~(苦笑)

3階は全部現代アートの展示となっていて、結構、美術館として力を入れている感じなのだろうか。

鶯歌の老街はもうずいぶん昔から観光地化していて、表には古い建物は全くと言っていいほど残っていないが
細い路地の奥には古いレンガの建物があった。そこでやっているモザイク体験のお店はとても賑わっていた。


こちらの土産物屋兼体験工房には、「古早窯」と書かれたこんなレンガのトンネルがあった。
トロッコのレールが敷かれているところを見ると、これはトンネル窯だったのか?


中へ入ってもいいらしいので進んでいく。復元かと思いきやどうも本当に古いようだ。


この穴から熱気が吹き込まれたのだろうか。


奥まで行くとお土産屋。商品の並んだ棚の後ろにあのトンネル窯があるのだ。パイプ類がニョキニョキ突き出ていて
やっぱり本当に使っていた窯なんだろう。いったいどういうつくりになっているのか、興味津々!
もとはこの店舗部分が作業場だったんだろうな。


鶯歌のまちかどで見つけたモザイクタイルたち。
こちらは豆タイル貼りの橋、重慶橋。


笹の葉みたいなレリーフ模様入りのモザイクタイル。2つの点々が雪うさぎの目みたい(笑)


水色の糸くずタイル。


モヤモヤとニュアンスのある色合いのモザイクタイル。オーロラみたいで美しい~

帰りは鶯歌駅の北口の方から戻ってきた。駅前に陶器市場の跡地みたいなところがあり、昔来た時は
まだここで店をやっていたような記憶がうっすらよみがえった。
普通のまちなかを歩いてみようと思っていたのだが、ちょっと疲れてきたので早めに台北へ戻る。

夕方また友人と落ち合って食事を。友人の子供たちがつい1年ほどの間に大きくなっていてびっくり。成長が早いなぁ!


続く
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台北故事館でタイル展を見る

2018-10-10 22:12:23 | イベント
台北の続き。

台北ではちょうど今、嘉義の「台湾花磚博物館」による「老花磚的故事」展が、台北故事館で開催されているので、
それを見るのも楽しみの一つだった。

相変わらず青空にくっきりと映える台北故事館。美しい~~


1階と2階に3部屋ずつのこじんまりとした洋館で、今は、この建物についての常設展がある1階の一部屋を除いて
全館が「老花磚的故事」仕様になっていた。


高い天井、暖炉、大きな縦長窓。純洋風のクラシックな空間は美しいマジョリカタイルの展示にぴったりだなぁ!!


2ヶ国語で書かれた解説パネルはゆったりと配置されている。スペースの都合で日本語は省略されたらしく残念。。。


タイルの実物がはめ込まれたパネルは、タイルが落ちないように傾斜がつけられた特製の台に載せられている。


つやつやと光るタイルを間近で眺め、手で触ってその滑らかさを確かめることもできる。


台北市内でも市街地から少し離れた場所にある台北故事館だが、次々とお客がやって来て賑わっていた。
以前も書いたとおり台北故事館では洗面所や暖炉に実際にマジョリカタイルが貼られていて、展示と共に使用例を見る
ことができる。


ただし、台湾のマジョリカタイルは、このような使い方をされているのは例外中の例外と言ってよい。
こんな純洋風の邸宅建築は台湾には数えるほどしかない。だいたい台湾に暖炉など不要だ(笑)




これまでこのブログでも何度も紹介してきたが、台湾ではマジョリカタイルは伝統的民居や商店のファサードや
屋根の棟や軒まわりや室内の壁などに貼られている。
そしてそういった建物は老朽化して近年どんどん取り壊され、急速に失われつつあるのだ。


解体現場からタイルを救い出す、台湾花磚博物館館長の徐さんたちの活動の映像を、若い子たちも食い入るように見ていた。
三合院民居に住んだことのないだろう彼女らにも大きなインパクトを与えたに違いない。


マジョリカタイルがはめ込まれた古い家具の展示とともに、復刻タイルを使った新しい家具の展示もあった。
魅力が十分に伝えられるゆったり贅沢な空間の使い方。


そしてもう1つのお楽しみはショップでのお買い物。ここのショップはセンスがよくてほしくなるものがたくさん!
台湾花磚博物館オリジナルグッズも、嘉義の博物館で1月に見たときに比べても格段にラインナップが増えていた。
パッケージもセンスよくて、日本でも売れるだろうな!




この「台湾花磚竹茶盤」は、中華民国外交部により、2018年の台湾外交礼品に選ばれている。
国際交流の推進において、台湾文化をアピールできる優れたお土産品として推奨されるもの。


あぁ、マジョリカタイル展にぴったりな会場での、素晴らしい展示だった!
嘉義の台湾花磚博物館まで行く余裕がない人でも台北のここなら気軽に行けて美しいタイルを堪能できるね!


台湾花磚博物館公式サイト

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そして、日本でも・・・
常滑のINAXライブミュージアム「土・どろんこ館」で、11/3(土)から来年4/9(火)まで、
企画展「和製マジョリカタイル-憧れの連鎖」が開催されます!!その一部で、台湾花磚博物館のことも紹介されます!!
11/2(金)には、徐嘉彬館長が来日されオープニング講演会も行われます。先着20名。是非どうぞ!!

LIXILプレスリリース
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