まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

服部亭(旧服部家) その2

2018-11-13 23:51:50 | 建物・まちなみ
飫肥の続き。

服部亭でランチを食べたあと、「2階から飫肥の街が見渡せますよ、どうぞご覧になって下さい」との
声がけを頂き、階段を上る。
おお?階段の天井がこんな。傘天井というか、くもの巣天井!?(笑)凝ってるなぁ。


2階は三方が窓でとても開放的!座敷はちょっと数寄屋風の意匠が取り入れられていた。


広いお庭と、その向こうに飫肥の城下町が広がり素晴らしい眺め!
この棟は庭の方へ張り出した離れのような感じで、お庭を囲むようにコの字型に建物が配置されている。


レンガの煙突も見えた。


1階へ降りて、つっかけを履いて庭へ出てみる。さっきいたのはこの建物の1階。
玄関のある中央の棟の続き間座敷にいた団体さんがちょうどはけたようだな。そちらも見せてもらおう。


これは出窓?


縁側から座敷へ上ろうとしたときに目についた庭石が・・・気持ち悪い!!鳥肌・・・(爆)
これは、あれだな。青島駅でも使われていた海岸の石。・・・面白いけど気持ち悪い。オモキモ!?


さて主座敷はさすがに立派!建具を取り払って庭全体を見渡せるこの開放感!!日本の家はすごいなぁ~~
細い木の柱だけで屋根を支えているのだから。


リアルな冨士山と三保の松原が両面から彫られた欄間。素晴らしい!




表の庭に面した座敷も静かでいいなぁ。


そして廊下を回り込むと正面に見えるのは手洗い場だ。あぁ、ここが出窓のように壁から張り出していた部分か。


磁器製の水タンク、手拭いを吊るすハンガーも古いまま。なんて素敵な手洗いだろう~


さっき向かい側に見えていた棟は宴会用大広間のようだ。


こっちにも玄関があった。トイレ付近は改修されているようだったが、この玄関は古そうだ。


ポーチの天井はさっきの擬洋風の玄関と同じラチス格子。


六角形の窓に、高橋家の手洗い場の窓のデザインと同じマークがあしらわれているが、服部家の家紋でも
なさそうだし、どういう意味があるのか。


縁の下にこんな刳り船がおいてあった。川で実際に使っていたものだろうか。


あぁ、見どころ多すぎる服部亭だった。1620円でこんなに満喫できるとは。ランチ予約しておいてよかった!!
しかし旧服部家の建物に関する情報がネットでは見つからず、分からないことだらけで想像するばかりなので、
ボランティアの人による解説とかあればいいのにな。

続く。
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服部亭(旧服部家) その1

2018-11-12 23:19:22 | 建物・まちなみ
飫肥の続き。

今日のランチは飫肥武家屋敷のいちばん上手の筋「横馬場」にある、服部亭にて。
ここの建物も素晴らしそうなので、見学しやすいように11時オープン早々で予約しておいたのだった。


うわ~~こんなお屋敷で食べられるってわくわくする!


門を入って正面の玄関を目指して歩いて行くが、ふと左手を見ると、おや、これは・・・擬洋風?
和館の入口にアーチ型の扉がついている。


そして壁も、ラチス格子!?変わっているなぁ!あとで見学させてもらおう~~


係りの方について廊下をくねくね進み、いちばん奥の座敷の視界の開けた席に案内された。
うわぁ、いいな!1人だと変な端っこの席にやられることも少なくないが、ここは特等席じゃないの!

服部家は飫肥杉の山林経営で財をなした豪商で、飫肥の御三家のひとつと言われた。
高台に建ち下手に向かって広大な庭が開けたこの邸宅からは飫肥のまちを一望できる。

さて、お料理が出てくるまでの間、洋室を見せてもらう。
おぉ~~っ、外観は入口部分を除いて全く和館としか思えなかったが、これは完全な洋室だな!
外と内のギャップがすごい。。。


中央にぶら下がる照明の座の部分は葉っぱをモチーフにしたこんな木製の装飾がついている。


腰高窓が洋室らしい。欄間部分はラチス。


あちらのドアは玄関へ続く。


玄関がこれまた面白い!玄関と部屋との間には垂れ壁で仕切られた1畳ほどの小さなスペースがあり、
部屋との40センチほどの段差を緩和するための踏み台が設置されていた。


見上げると、アーガイル模様みたいなひし形の変わり格天井だ!


仕切りの垂れ壁にはくるんくるんと巻いた飾りがついている。


面白い形。


玄関ホールの上も、格天井。こちらも斜め45度のラチス格子。格間に貼られた板もデザインされている。


玄関先へ出てみる。この踏み石は、さっきの踏み台と同じデザインで石造だな。あちらは木製。




外へちょっと出てみよう。ポーチの見上げも、またラチス格子だった。


お料理ができたと呼ばれて席へ戻る。1620円の服部膳は品数も多くて満足!甘~い卵焼きも味わえた。


何とスイーツとドリンクまでついていた。野の花が添えられているのが素敵・・・
お抹茶とコーヒーの二択だったので、ちょっと気分を変えてコーヒーを頼んでみた。我ながら珍しい(笑)。
最近、大丈夫なコーヒーがあると気づいたのだ。


食事のあとも、建物内を見学させてもらう。かなり広そうだな!

続く
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旧高橋源次郎家 その2

2018-11-11 23:40:19 | ディテール
飫肥の続き。

めくるめくお風呂を見たあと、隣のドアを開けてみたら、手洗い場だった。丸窓の格子は、家紋なのだろうか?


主屋から再び前庭に戻り、今度は奥へ続く軒下の通路を進む。通路沿いには部屋があるようで、何とも
変わった造りだなぁ。。


それに通路の床がレンガ敷き。しかも六芒星の刻印レンガだ。このマークは時々見かけるがどこのだっけ・・・


進んで行くと正面に蔵、左手奥に広い空き地が見えてくる。蔵の手前に台所があった。


おぉ、ここにも!さっきお風呂場で見た瀬戸の磁器製レリーフタイルが流しまわりにびっしりと貼られている。




台所のタイル貼りは素人仕事のように見える。お風呂場用に多めに買っていたタイルを自分で貼ったのだろうか。


かまどが4口もあるとは、当時かなり大所帯だったのだろう。
ところで半屋外に台所があるというのは、宮崎という南国の民家の特徴なのだろうか。
アジアの中国式の民家では中庭に面してこんな感じで台所があるのをよく目にしたが、、、日本では冬寒すぎる。


右手と左奥の2つの蔵や右奥の納屋はいずれもかなり老朽化していると見え、内部公開はしていなかった。
奥の蔵の前には氏神の祠もあった。




玄関から入って来たレンガ敷きの通路は左へ折れて続いている。こんな広場に面して屋根付きの通路があると
いうのも不思議な感じなので、この空き地には建物が建っていたか、それとも手入れされた庭園だったのかも
しれない。


通路の途中にポツンとこんなタイル貼りの水場があるのも不思議な感じ。ここにもまた同じレリーフタイルが
使われている。


ここは石鹸入れ??ここには例の色なしマジョリカタイルが。


足元を覗いてみると浴室と同じ菊花レリーフタイルとトルコブルーのタイルが貼られていた。


下にタライが置いてあって、その中にはがれたタイルが何枚か入っていた。手にとって裏返して見てみると
ブルーのタイルの裏足に佐治のマークが入っていた。へぇ~、ダントーかと思ったが佐治タイルだったのか!!
そしたら高橋家と山本家のタイルはすべて名古屋から運ばれたのだろう。色なしマジョリカも佐治と推測。




さて、11時にランチを予約してあるのでもうタイムリミット!高橋家はこのぐらいにして切り上げよう。

続く。
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旧高橋源次郎家 その1

2018-11-10 23:32:01 | ディテール
飫肥の続き。

旧山本猪平家から今度は旧高橋源次郎家にやってきた。国道222号に面したこの場所は実は伝建地区から
少し外れており、建物は指定文化財にはなっていないのだが、登録有形文化財になっている。


通常は山本家や飫肥城松尾の丸や豫章館などと共に7館共通で600円必要な入場料が、今回は飫肥祭りの
ため無料開放されていた。ラッキー!


高橋源次郎は県会議員や貴族院議員などを歴任し、また県内財界の重鎮でもあった。
この家は明治中期に建てられ、大正4年に改修されたようである。


門を入るとすぐ左手に建物がある。中庭を横目に細い通路を通って入口を入ると、続き間の座敷がある。
離れのような雰囲気だがこれが主屋。実は前の国道222号が拡幅されたときに、前庭が3.5mほど削られた
のだとか。建物はセーフだったが、門からアプローチの雰囲気はだいぶ変わったようだ。


廊下の突き当たりにある見事なクジャクの杉戸絵。


日本画の描かれた襖絵も。


そして今度は廊下を右の方へ入っていくと、奥にお風呂場があった。うわーっ!ここか!一面タイル貼り。


上を見上げると折上げ格天井で豪華仕様。一部に竹が使われている。


四方の壁に貼られたこの青磁色のレリーフタイルは瀬戸の磁器タイルだ。西脇の来住家の湯殿の床にも
あったのと同じデザインだが、こちらの方がレリーフがやわらかいと言うか、なだらか。
このタイプのレリーフの「甘い」ものは瀬戸の品野地区で作られていたらしい。


そう言えば少し前に車で品野を通ったときに、このタイルが塀にずらりと貼られた家を見つけて急遽車を止め
見に行ったのだが、そこは瀬戸最大の陶商、山善の柴田善右衛門邸だった。


そして浴槽には白無地と、内側にはトルコブルーの無地タイル。きれいな色!


浴槽の内側の腰掛け部分には、色付きの3インチ角のマジョリカタイルも貼られていた。




浴槽の外側の段の部分は、一見白無地タイルに見えるが線状の陽刻がある。色なしのマジョリカタイルだな。
色をつけていないこういうタイルは時々見かける。京都のマジョリカタイル祠の土間にも1枚貼ってあった。


足で踏む部分なので滑り止めの意味で凹凸のあるタイルを貼ったのだろうか。


洗い場の床がまた素晴らしい。青磁のレリーフタイルが!四半貼りと広い目地にもうクラクラ(笑)。


菊の花が対面したデザイン。やはり滑り止めの意味で床にこのタイルが選ばれたのか。


こちらのスノコの下を確認したら、ここは白のマジョリカタイルを敷瓦風に広い目地を取って四半張りしてある。
珍しい使い方だな!!


洗い場に据えられた手洗いシンクもまたタイルに囲まれていた。


あぁ、このタイル風呂にゆっくり浸かって過ごしたいなぁ~~!


続く
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旧山本猪平家 その2

2018-11-09 23:52:22 | ディテール
飫肥の続き。

旧山本猪平家はまだまだすごかった。


玄関から上がると座敷がいくつかあり、一番奥にトイレがあった。あっ、ここにも敷瓦が!
廊下から踏み込む個室前の廊下と、男性用小便所があったであろうブースの壁の足元に埋め込まれている。


まず男性用小便所には、玄関の床にあったのと同じ印花文の敷瓦と。見慣れない模様のタイルが2段で。
すでに便器は撤去され新しい板で床を貼られているので、写真を撮るのに安心して這いつくばれる(爆)
床はタイル敷きだったのかどうか気になるところではあるが。。。


下の段のは新しいプリントタイルかと思うが、よく見ると釉薬が盛り上がっているし、微妙にはみ出しが
あったりと、それなりに手作業で作られているようだ。スタンプを使っているのか?また、寸法や形の
ばらつきもあり、湿式の敷瓦っぽくも見え・・・?正直よく分からない。


そして廊下の足元の方にも2段でタイルが。上段の45度斜め方向に貼られたものは銅板転写で、中央に花、
四隅に四神が描かれている。こちらは表面がすべらかでヒビも全くなく新しそう。磁器タイルかもしれないな。

そして下段のは、ステンシル?模様の部分をマスクして釉薬を吹き付けたのだろう。こちらも新しそうに見えるな。
外れかけている部分があって断面を少し見ることができたが、厚みは1cm未満のようだ。乾式タイルだな。
サイズも160mm角と聞いたことのない寸法。尺寸でもインチでもなさそうなのでかなり後年のものと見る。

個室の方も覗いてみたがそちらはタイルは貼られていなかったが、かわいらしい雀が描かれた染付便器があった。
これも瀬戸のものだろう。


便所の廊下の絵入りガラス。こういうガラスがあちこちの建具にはまっていた。


座敷の欄間も素敵!扇形や三階菱や長丸の枠の中に、松竹梅やあやめや菊の模様の透かし彫りをしてある。




裏へ出てみると敷地は広く、裏庭を囲むように附属屋が建っていた。主屋から続くこの建物は、覗いてみると
左側は台所だった。


その隣に五右衛門風呂、さらに隣にはこれまた染付便器が。さっきと同じ雀のデザインだ。


離れへのアプローチとしてコンクリートの通路が作られており、そこにも敷瓦がぽつぽつと埋め込まれている!


これは瀬戸の銅板転写タイルで見たことある柄。


こちらは・・・見たことないなぁ。



これらも踏まれてバリバリになっているもの多数。

敷地の最奥にある離れは飫肥古道具館になっていて、古い焼き物、ガラス、金属製品などが展示されている。
川越耐介という人がコレクションを寄贈したものらしいが、おびただしい数!!
ひとつひとつ職人が手作りした生活道具は、高級品ではないが素朴な美しさがある。あまり時間もなくさらっと
見ただけだったが、見ごたえあった。じっくり見たかったな。。


主屋をぐるりと回って前庭へ出た。おや、縁側の下に何かあるな。


近寄ってみると、こんなところにも敷瓦が!


玄関にあったものと似たタイプの印花文だが、デザイン違い。踏まれる頻度が低いせいだろう、こちらは
比較的状態がいい。サイズを測ってみると153~4mmあった。玄関のよりも微妙に大きい。
三角形のは、小便所の壁に貼られていた謎タイルの1/2バージョン。


あっ、縁側の床下に1つだけ大型の印花文敷瓦もあった!これは240mm角のよくあるタイプだ。
このサイズの敷瓦はここでは他に全く見当たらず、サンプルとして取り寄せたものだろうか。




床下の奥の方に通り土間にあった緑釉のタイルも点々と計10枚も貼られていた。こんな目立たないところに、
もったいない。縁側の下に半分もぐりこんで写真を撮る(笑)。他のお客がいる時間帯だとこんなことしてたら
白い目で見られそう・・・朝イチでよかった(爆)


瀬戸蔵の武藤さん曰く、ここの敷瓦は瀬戸以外のものも混じっている可能性がある、と。そして小さい印花文の
などは大正時代頃に復刻されて作られたものの可能性もある、と、実に興味深いお話。。。もっと詳しく知りたい!

1時間半ほど旧山本家でほぼ独占見学させてもらって、敷瓦好きの私は朝っぱらからもう満腹!!
しかしそろそろ次へ行かなければ。外は徐々にお祭りのお客が増えてきた。

続く
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