さて次は、、、まだコロナなど全く他人事と思っていた2019年の秋に行った旅のことを書くことにしようか。
いきなりクライマックスから(笑)
金曜の夜に夜行バスで大阪を出発し、新潟県の燕三条に降り立った。目指すは長岡市の楽山亭である。
以前新潟の北方文化博物館(豪農の館)で、あの館を建てた伊藤氏がいろんな邸宅や庭園を参考にしたという話を
聞いたときに楽山亭の名も挙がっていたので、見に行ってみたいとチェックはしていたのだが、タイル友の会の
メンバーからそこに敷瓦があるという情報を得て、確認するために速攻で駆けつけたのである(笑)。
燕三条でレンタカーの安いプランを予約していたのだが、行ってみるとかなり大きな車が用意されていて、
しかもスバルって乗ったことない(汗)。軽に変えてもらう手続きに手間取って、楽山苑についたのは10時すぎ。
目の前に立ちはだかる断崖の上に楽山亭はあった。上っていく途中の石垣は六方積みと呼ばれる強靭な積み方とか。
新しく積み直されているところもあるが、やはり古い石垣は迫力があるし安定感が違う。
露地口門をくぐって庭園へ入ると、与板のまちが眼下に広がる絶景!おそらくこのまちで一番いいロケーションに
この建物は建っている。この庭を含めた敷地全体が楽山苑と呼ばれている
楽山亭は、国政に参加した大坂屋三輪家11代当主三輪潤太郎が客人をもてなすために1892(明治25)年に建てた
茶室風別荘。大坂屋三輪家は、信濃川を利用した船運で繁盛し、金融業で財をなした大豪商であった。
建物をひと通り外から眺めたあと玄関から上がりこむ。
・・・と、カ、カ、カメムシ!!(恐)。予想していたことではあったが、やっぱりか!!私の死ぬほど嫌いな
カメムシが玄関の窓や壁に何匹も張りついているのだ。あぁ~~~しかしタイルを見るためには前進あるのみ!
幸い、少し前に行ったという害虫駆除の効果か、朝係の方が掃除をしていただいたおかげか、玄関より中には
あまりいなかった。。。おそるおそる目当てのトイレに向かい、覗き込んでみると・・・・
うわぁ~~~っ!!すごい!!
鉄絵に織部の斑点を施した敷瓦が、格子状に敷き詰められている!これは瀬戸の本業敷瓦だな。
茶道具の風炉にこういう白地に織部をかけたデザインが結構あるので、茶道具の転用なのかもと思っていたが、
側面は釉薬が覆っていないので茶道具ではないだろう。
それに寸法がずいぶん小さい。20.5cm角というのはあまり見ない中途半端な大きさだ。
そんな敷瓦がトイレの床に計32枚!!(踏み石の下にもある)
太い目地はモルタルではなく漆喰か土のようだ。建物は修復されているが、ここは当時のまま保たれているように見える。
そして、茶色い線で絵が描かれているのだが、これが全て違うのだ!
モチーフは菊や桜などの花、松やモミジなどの草木、貝やカニや亀などの動物のほか、鼓や扇や瓦、糸巻などの
モノもあってとてもユニーク!!源氏香模様まである。
絵は結構稚拙な感じのものもあり、何人かでおしゃべりしながらモチーフをいろいろ考えながら絵付けしたんじゃ
ないかと、そういう光景が思い浮かんでくる。
瀬戸製の敷瓦は、印花文の本業敷瓦や、手書きの染付本業敷瓦、銅版転写の本業タイル、磁器製敷瓦などがあり
それらが床に敷かれているのをあちこちで見てきたが、この織部のタイプがぎっしり床に敷き詰められているのは
たぶんこれまで見たことがなかった。
そして、さらに面白いものがある。
手洗い場の足元には白い玉石が敷き詰められているのだが、その中に何やらいろんな形をしたものが混ざっているのだ。
ここに速攻でやって来たのは、もちろん四角い敷瓦にも惹かれたのだが、この妙なものがタイルなのか、
何なのかを今すぐ確かめたい衝動に駆られたからだ(爆)。
近づいて眺めてみると、これも釉薬のかかった焼き物である。厚みは2cmほど。そして、床に固定されていた。
これらも材質は四角い敷瓦と同様に瀬戸の本業敷瓦と同じように思えるが・・・どうなのだろうか。
たけのこ、なす、木の葉、魚、ひょうたん・・・・ほんとに面白い、いろんな形をした縦横10数cmほどの焼き物。
何と素朴で愛らしいんだろう!!こんなの初めて見た。「形象敷瓦」と名づけたい。
ここでは目地の代わりに玉石を敷き詰めてあるが、本来は普通のタイルのように埋め込むように作られたのだろうか?
いくつかは同じ型を使って作ったと思われるものがあるが、色柄違いなどでほぼ全て違うデザインとなっている。
特注で作ったのか?あぁ、謎めいている。。。
四角い敷瓦が敷き詰められた床の端の方にも、この形象敷瓦がいくつかあった。
軒丸瓦のモチーフ。なんか和菓子みたいじゃない?
後日、瀬戸蔵ミュージアムの武藤さんに写真を見せたところ、とても興味を持たれたようだ。
瀬戸製だろうということで、やはり和菓子の型を転用して作ったのではないか、とのことだった。面白いなぁ!!
染付の便器も瀬戸製と思われる。かなり細かく描き込まれている。
そして個室の大便器も同じく瀬戸製の手描き染付である。個室内はタイル貼りではなかった。
興奮しすぎて夢中で写真を撮っていたら時間が過ぎていくのも忘れてしまった。。。
こんな風雅なトイレ、いつまでもこもっていたい。カメムシさえいなければ、、、(汗)
そして楽山亭は、トイレ以外もいろいろと見どころのある建物だ。
続く。
いきなりクライマックスから(笑)
金曜の夜に夜行バスで大阪を出発し、新潟県の燕三条に降り立った。目指すは長岡市の楽山亭である。
以前新潟の北方文化博物館(豪農の館)で、あの館を建てた伊藤氏がいろんな邸宅や庭園を参考にしたという話を
聞いたときに楽山亭の名も挙がっていたので、見に行ってみたいとチェックはしていたのだが、タイル友の会の
メンバーからそこに敷瓦があるという情報を得て、確認するために速攻で駆けつけたのである(笑)。
燕三条でレンタカーの安いプランを予約していたのだが、行ってみるとかなり大きな車が用意されていて、
しかもスバルって乗ったことない(汗)。軽に変えてもらう手続きに手間取って、楽山苑についたのは10時すぎ。
目の前に立ちはだかる断崖の上に楽山亭はあった。上っていく途中の石垣は六方積みと呼ばれる強靭な積み方とか。
新しく積み直されているところもあるが、やはり古い石垣は迫力があるし安定感が違う。
露地口門をくぐって庭園へ入ると、与板のまちが眼下に広がる絶景!おそらくこのまちで一番いいロケーションに
この建物は建っている。この庭を含めた敷地全体が楽山苑と呼ばれている
楽山亭は、国政に参加した大坂屋三輪家11代当主三輪潤太郎が客人をもてなすために1892(明治25)年に建てた
茶室風別荘。大坂屋三輪家は、信濃川を利用した船運で繁盛し、金融業で財をなした大豪商であった。
建物をひと通り外から眺めたあと玄関から上がりこむ。
・・・と、カ、カ、カメムシ!!(恐)。予想していたことではあったが、やっぱりか!!私の死ぬほど嫌いな
カメムシが玄関の窓や壁に何匹も張りついているのだ。あぁ~~~しかしタイルを見るためには前進あるのみ!
幸い、少し前に行ったという害虫駆除の効果か、朝係の方が掃除をしていただいたおかげか、玄関より中には
あまりいなかった。。。おそるおそる目当てのトイレに向かい、覗き込んでみると・・・・
うわぁ~~~っ!!すごい!!
鉄絵に織部の斑点を施した敷瓦が、格子状に敷き詰められている!これは瀬戸の本業敷瓦だな。
茶道具の風炉にこういう白地に織部をかけたデザインが結構あるので、茶道具の転用なのかもと思っていたが、
側面は釉薬が覆っていないので茶道具ではないだろう。
それに寸法がずいぶん小さい。20.5cm角というのはあまり見ない中途半端な大きさだ。
そんな敷瓦がトイレの床に計32枚!!(踏み石の下にもある)
太い目地はモルタルではなく漆喰か土のようだ。建物は修復されているが、ここは当時のまま保たれているように見える。
そして、茶色い線で絵が描かれているのだが、これが全て違うのだ!
モチーフは菊や桜などの花、松やモミジなどの草木、貝やカニや亀などの動物のほか、鼓や扇や瓦、糸巻などの
モノもあってとてもユニーク!!源氏香模様まである。
絵は結構稚拙な感じのものもあり、何人かでおしゃべりしながらモチーフをいろいろ考えながら絵付けしたんじゃ
ないかと、そういう光景が思い浮かんでくる。
瀬戸製の敷瓦は、印花文の本業敷瓦や、手書きの染付本業敷瓦、銅版転写の本業タイル、磁器製敷瓦などがあり
それらが床に敷かれているのをあちこちで見てきたが、この織部のタイプがぎっしり床に敷き詰められているのは
たぶんこれまで見たことがなかった。
そして、さらに面白いものがある。
手洗い場の足元には白い玉石が敷き詰められているのだが、その中に何やらいろんな形をしたものが混ざっているのだ。
ここに速攻でやって来たのは、もちろん四角い敷瓦にも惹かれたのだが、この妙なものがタイルなのか、
何なのかを今すぐ確かめたい衝動に駆られたからだ(爆)。
近づいて眺めてみると、これも釉薬のかかった焼き物である。厚みは2cmほど。そして、床に固定されていた。
これらも材質は四角い敷瓦と同様に瀬戸の本業敷瓦と同じように思えるが・・・どうなのだろうか。
たけのこ、なす、木の葉、魚、ひょうたん・・・・ほんとに面白い、いろんな形をした縦横10数cmほどの焼き物。
何と素朴で愛らしいんだろう!!こんなの初めて見た。「形象敷瓦」と名づけたい。
ここでは目地の代わりに玉石を敷き詰めてあるが、本来は普通のタイルのように埋め込むように作られたのだろうか?
いくつかは同じ型を使って作ったと思われるものがあるが、色柄違いなどでほぼ全て違うデザインとなっている。
特注で作ったのか?あぁ、謎めいている。。。
四角い敷瓦が敷き詰められた床の端の方にも、この形象敷瓦がいくつかあった。
軒丸瓦のモチーフ。なんか和菓子みたいじゃない?
後日、瀬戸蔵ミュージアムの武藤さんに写真を見せたところ、とても興味を持たれたようだ。
瀬戸製だろうということで、やはり和菓子の型を転用して作ったのではないか、とのことだった。面白いなぁ!!
染付の便器も瀬戸製と思われる。かなり細かく描き込まれている。
そして個室の大便器も同じく瀬戸製の手描き染付である。個室内はタイル貼りではなかった。
興奮しすぎて夢中で写真を撮っていたら時間が過ぎていくのも忘れてしまった。。。
こんな風雅なトイレ、いつまでもこもっていたい。カメムシさえいなければ、、、(汗)
そして楽山亭は、トイレ以外もいろいろと見どころのある建物だ。
続く。
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