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美しい姿勢・歩き方は腰痛・膝痛・肩こりを改善する

腰痛は体の使い方を少し間違えていただけ-昔のおじぎと現代人のおじぎの違いを解説します

大殿筋エクササイズ

2016-01-13 09:42:54 | 鍛えるex(おじぎex)
現代人は「座位(股関節屈曲)の時間が長いため、大殿筋(股関節を伸展する筋肉)があまり働かず弱っている」人が多いです。
中には「大殿筋が存在しないように感じる」と訴える方もいます。
大殿筋がとても弱っている場合は、「大殿筋エクササイズ」を行い、「大殿筋の収縮・弛緩」を思い出してゆく必要があります。

1 おなかの下にクッションを入れ、うつぶせになります。うつぶせが大変な場合は「横向きになり両脚を曲げた姿勢」でもよいです。
2 大殿筋の表面を触り、力が抜けている(=やわらかくだらんとしている)ことを確認します(注1)。
3 おしり(仙骨下部)を足の方向に下げ、仙骨を後傾します。
その際、①「肛門をしめ頭頂方向に引き上げながら」②「左右のおしりを中央に寄せるように力を入れ」大殿筋を収縮させます。
ただし、力を入れすぎると梨状筋・大腿裏の筋・腸腰筋などが収縮してしまうので、収縮は50%位の強さにします(注2)。
4 表面を触り、力が入っている(筋肉が隆起し硬くなっている)ことを確認します。
5 5秒くらいしたら、力を抜きます。
6 表面を触り、力が抜けていることを確認します。

※1セット2回程度、1日2~3セット、週3~5日を目安に行います(注3)。朝・昼・晩など間隔をあけてください。

(注1)大殿筋に力が入りにくい人は、力を抜くのも苦手なことが多いです。
筋肉は「しっかり弛緩できないと、収縮もしにくくなってしまう」ので、「収縮の前後に弛緩しているか確認する」ことは、重要です。
筋肉が弛緩できないときは、「筋肉に乳酸・カルシウムがたまり、短縮・収縮したままになっている」ことが多いです。
ですから、筋肉が弛緩できないときは、「深呼吸をしたり、大殿筋の表面を軽くさすり血行をよくすることで、大殿筋に酸素を供給する」と、乳酸・カルシウムが分解・分離され、弛緩しやすくなります。
血行をよくするには、「ビニールで包んだ蒸しタオル」をあて、温めてもよいです。

(注2)大殿筋が収縮すると、「股関節は伸展するかもしくは動かない」はずです。
しかし、腸腰筋が収縮すると、「股関節が屈曲するかもしくは動かない」となります。
見た目では分かりにくいので、大殿筋の表面を触り、「大殿筋が収縮しているか否か」を直接確認するとよいです。

(注3)うまく収縮しない・弛緩しない場合は、「大殿筋エクササイズ」の回数を減らし、「呼吸エクササイズ」などを先に行ってください。

うつぶせでの筋力強化NG例

2016-01-13 09:30:18 | 鍛えるex(おじぎex)


図17-1 ×1は、「大殿筋を収縮させることで仙骨後傾すべきところを、腹筋を収縮させることで仙骨後傾してしまう」例です。
大殿筋が収縮すると、「仙骨後傾すると同時に、股関節は伸展するかもしくは動かない」はずです。
ところが、×1の場合は、「腹部を高くすることで仙骨後傾させている」だけなので、「股関節は屈曲するかもしくは動かない」となります。
見た目では分かりにくいので、大殿筋の表面を触り、「大殿筋が収縮しているか否か」を直接確認するとよいです。
×1の場合は、「大殿筋エクササイズ」を行ってください。

図17-2 ×2は、「大殿筋を収縮させることで仙骨後傾すべきところを、梨状筋を収縮させることで仙骨後傾してしまう」例です。
これもまた見た目では、大殿筋が正しく収縮した場合との違いはほとんど分かりません。
しかし、続けていると、そのうち梨状筋症候群の症状が出てくるので、分かります。
梨状筋は大殿筋と同じような働きをする筋肉ですが、大殿筋の代わりとして働きすぎると疲労→短縮し、硬くなってしまいます。
すると、梨状筋のすぐ下にある坐骨神経を圧迫してしまうことがあるのです。
そのため、坐骨神経の領域である「おしり~大腿裏~足」がしびれてしまいます。
これが梨状筋症候群です(詳しくは「梨状筋を鍛えれば梨状筋症候群がなおるのでは?」の項をご覧ください)。

梨状筋症候群になってしまうと、やっかいなことに大殿筋を収縮させようとするほど梨状筋が収縮してしまいます。
ですから、×2の場合は「うつぶせでの筋力強化」などは中止し、「大殿筋エクササイズ」を行ってください。


図17-3 ×3は、「椎骨を持ち上げる際、脊柱起立筋群が強く収縮してしまう」例です。
脊柱起立筋群が収縮すると、短背筋群が収縮したときよりも「高く持ち上がったり、弓なりに反ってしまう」ので、分かります。
特に、「最後にあごを引く」ところであごが引けず、逆に「頭が上がり、頚椎が反ってしまう」人が多いです。

図17-3 ×4は、「椎骨を持ち上げる際、広背筋が収縮してしまう」例です。
この場合は、「腕に力が入ったり、腕で床を押してしまったりする」ので、分かります。

×3、×4は、「短背筋群に力を入れようとしすぎたり、椎骨を高く持ち上げようとしすぎる」と起こります。
ですから、×3・×4の場合は、短背筋群の収縮を50%位の強さとし、高く上げすぎないようにしてください。

うつぶせでの筋力強化の方法

2016-01-09 10:17:34 | 鍛えるex(おじぎex)
座位や立位のように「体幹が地面に垂直」だと、椎骨を積んでおくだけでも姿勢を保てますが、前かがみ、四つ這いと「体幹が地面に平行」になるほど、「姿勢保持のための筋収縮」が必要になってきます。
うつぶせも「体幹が地面に平行」ですが、クッションなどに接している部分が多いので、その分負荷(筋肉の負担)は少なくなります。
短背筋群が弱っている人でも、負荷が少ないと、収縮しやすくなります。


1 おなかの下にクッションを入れ、うつぶせになります。
最初から最後まで、両腕には力を入れないでください(注1)。

2 おしり(仙骨下部)を足の方向に下げ、仙骨を後傾します。
その際、①「肛門をしめ頭頂方向に引き上げながら」②「左右のおしりを中央に寄せるように力を入れ」大殿筋を収縮させます。

3 腰椎の一番下(L5)あたりをわずかに持ち上げます。
このとき、「下腹をへこませ、腹横筋下部を収縮させる」と、持ち上げる力をサポートすることができます(注2)。

4 なるべくL5のすぐ上(L4)あたりをわずかに持ち上げます。

5 先ほど持ち上げた部分のすぐ上あたりをわずかに持ち上げます。それを繰り返します(注3)。
今までに動かした部分は、なるべく最後まで力を抜かないでください。

6 頚椎まできたら、あごを引きながら顔を床から少し浮かします。顔面は床と水平になります。

7 5秒位保持したら、力を抜きます。


(注1)腕に力を入れると、短背筋群の代わりに広背筋が収縮してしまいます。

(注2)ただし、「力を入れすぎたり、高く持ち上げすぎたりする」と、図17-1 ×1(次回掲載予定)のようになり、かえって短背筋群が働かなくなってしまうので、気をつけてください。

(注3)椎骨(特に胸椎~頚椎)を高く持ち上げすぎると、図17-1 ×3・×4のようになってしまうので、NGです。
それに、胸椎は元々後弯しているため、持ち上げると後弯を助長してしまう場合があります。
ですから、胸椎の部分だけは、「持ち上げず、逆にへこませる」ようにしましょう(図16-1を参照)。

胸椎を伸ばす方法

2016-01-06 11:14:19 | 鍛えるex(おじぎex)
胸椎後弯↑(猫背)で固まっている人は多いため、胸椎の伸展は難しいです。
胸椎後弯↑になると、後方に出っ張りがちになります。
ですから、胸椎の部分だけは、「単に椎骨をのせるようにするだけでなく、やや前に押し出す」ようにすると、胸椎伸展しやすくなります(図16-1 胸椎の部分を参照)。

ただし、胸椎を前に押し出そうとするあまり、腰椎まで前に押し出してしまうと、腰椎前弯↑となり、図15-2 ×7のようになってしまうので、気をつけましょう。

それでも胸椎伸展が難しいのであれば、「おじぎエクササイズ」は「腰を起こすところまで」にとどめておきましょう。
「呼吸エクササイズ+セルフストレッチ」を行い、胸椎がやわらかくなったら、胸椎伸展も行ってください。


おじぎエクササイズNG例

2016-01-06 11:02:46 | 鍛えるex(おじぎex)
正常であれば、脊椎を守る本能が働くので、「おじぎエクササイズ」は簡単にできます。
子供のうちに習慣にしてしまえば、簡単にできる人が多いと思います。

しかし、すでに「鍛えたい筋肉」が弱っている人、「緩めたい筋肉」が短縮している人は、NGになりやすいです。
また、意気込んで力が入りすぎる場合も、NGになりやすいです。
NGになっていると気づいた場合は、なるべく修正してください。


図15-1 ×4は、「仙骨を十分起こせない」例です。
大殿筋がとても弱かったり、腸腰筋が短縮していたりすると、仙骨を十分起こすことができません。
すると、短背筋群が働きにくくなるため、脊柱起立筋群を収縮させることで起きてしまいがちになります。
これでは腰椎前弯↑になってしまうので、NGです。
このような起き方は、「座位(股関節屈曲)の時間が長いため、腸腰筋は短縮し、大殿筋は伸ばされ弱っている」現代人に多いです。
「腸腰筋の短縮」が強い場合は、「呼吸エクササイズ+ストレッチ」を行い、腸腰筋が緩むのを待ちましょう。

図15-1 ×5は、「仙骨を起こしすぎ」の例です。
逆に、仙骨を起こしすぎ後傾しすぎてしまうと、やはり短背筋群がうまく働かなくなってしまうので、NGです。


図15-2 ×6は、「胸椎を伸展するところで伸展できないため、代わりに腰椎後弯(仙骨後傾)することで胸椎が伸展したように見せかけてしまう」例です。対処法は、「胸椎を伸ばす方法」の項をご覧ください。

図15-2 ×7は、「胸椎を伸展できないため、代わりに腰椎前弯↑(仙骨前傾)することで胸椎が伸展したように見せかけてしまう」例です。
対処法は、「胸椎を伸ばす方法」の項をご覧ください。