ライヴの美味しさ

ここ一年くらいサイコキのライヴは無闇にお客さんを煽ったり立たせたりしない、というスタンスでやっています。
単純に三時間も四時間も薄暗い部屋で爆音に曝されるのは苦痛だと思うからです。それから、ゆっくり座って観ても楽しめるクオリティにしたいという気持ちもあります。

ですが、本音を言えばぜひとも前に来てもらいたい。
自分達がライヴをやりやすいという理由ももちろんあります。前の方に居て反応してもらえれば気持ちも入りやすいですし、後ろのお客さんもわかり易いと思います。

でも、最大の理由は生のバンドの音を聴いて欲しいという事です。PAスピーカーから出る音はアーティストの管理の範疇外で、コントロール出来ないし、楽器から遠くなればなる程タッチやニュアンスは失われてしまうからです。スピーカーから出る大きな音と、バンドが演奏するデカい音の体感は全く違います。生きた良い音、リアルな良い音は正直で、どんなにデカい音でもしんどくならない。良いモノは良い、ダメなモノはダメとハッキリわかるし、トーンやタッチも全く違うので、実際に空気を振動させて伝わってくる情報量はスピーカーから出る音に比べモノ凄く多いのです。

特にサイコキは他のバンドと比べてもかなり音がデカいので、前の方に来るとそのまんまアンプから出る音を体感してもらえると思うし、同時にHIROCKの歌のパワーの凄さがよくわかると思います。
おれの理想のトーンは“どんなに大きな音でもうるさくない”トーンです。腹の底に響くようなデカい音なのに、耳が嫌にならない音。まだまだ理想とは程遠いですが、日々追い求める過程もリアルな音で楽しんで頂きたいです。

佐藤様☆