経済なんでも研究会

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市場が「岸田新首相と距離を置く」理由 (上) 

2021-10-12 07:42:27 | 政治
◇ 金融課税は延期したが = 岸田新首相の登場を、株式市場はやや冷めた目で見ているようだ。エネルギー価格の高騰や中国の恒大集団問題など、市場を取り巻く環境は決して明るくはない。だが、それにしても岸田氏が自民党総裁に選出された9月29日から先週末までに、日経平均は2100円も下落した。新内閣が発足しても、ご祝儀の雰囲気などは全く感じられない。なぜだろう。

1つは金融課税が強化される可能性。いま給与などの所得税は累進制だが、金融課税は一律20%となっている。このため合算所得が1億円を超えるあたりから一律20%の税率が利き始め、高所得者ほど税の負担率が下がってしまう。このことは“1億円のカベ”と言われ問題視されていたが、安倍元首相は株価の下落を警戒して手を着けなかった。

岸田首相は経済の分配面を重視、看護師や介護師、保育士などの収入を上げようとしている。その財源として、金融課税の引き上げを考えているとも伝えられた。市場としては、全く頂けない話である。ただ岸田首相は初めての所信表明演説で、この問題には一言も触れなかった。さらにはテレビ番組で「来年度はやらない」と言明している。おそらく選挙前には触りたくなかったのだろうが、将来的に懸念は残る。

“1億円のカベ”が、貧富の差を広げる一因となっていることは事実だろう。だから多くの国民にとっては、早めにカベを取り払うことが望ましい。たとえば年収3000万円以上の投資家については金融課税の税率を累進制にし、それ以下の投資家については逆に税率を下げたらどうか。先送りしたことで市場は一安心したが、一般の国民は岸田首相の豹変にがっかりしたのではないか。

                           (続きは明日)

        ≪11日の日経平均 = 上げ +449.26円≫

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫   
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