◇ 市場の不安はまだまだ続く = ニューヨーク市場の株価は先週、大幅に下落したあと急速に反発した。下落の主たる原因は、4月の消費者物価が予想をはるかに上回って前年比4.2%の上昇となったこと。これでFRBの金融緩和見直しが早まるだろうという観測が強まり、売りが殺到した。反発の主たる原因は、FRBがこの観測を強く否定したこと。市場の不安感が鎮まり、買い戻しの動きが活発になった。しかし市場の不安は、一掃されたわけではない。
実は4月の消費者物価が大きく上昇することは、前々から予想されていた。というのも昨年4-6月期はコロナの感染が激しく、アメリカの主要都市では人々の行動が厳しく規制されていた。このため物価は上がりにくく、たとえば昨年4月の物価上昇率は0.3%に抑制されている。このような特殊事情から、FRBも「4-6月の物価上昇は一時的。それで緩和政策を修正することはない」と、たびたび宣言していたほどである。
昨年5月の物価上昇率は、前年比0.1%。6月は0.6%だった。したがって、ことし5-6月の上昇率はやはり高くならざるをえない。だが、それにしても4月の上昇率は予想以上に高かった。5-6月はもっと上昇率が広がるだろう。さらに7月以降は景気の急拡大が見込まれ、物価も上昇する。それでもFRBは、緩和政策を維持できるのか。市場の不安は一向に払拭されない。
特殊事情は7月になると、ほぼ解消する。その7月の消費者物価は、8月に発表される。だから8月までは、現在の金融緩和政策が続けられる。市場では、こういう考え方も強い。しかし、それまでにインフレ傾向が明確に出てくれば、FRBは緩和政策の修正どころか、金融引き締めまでを視野に入れる。市場の大勢がそう考え始めれば、株価はもっと早い時点で大きな調整を余儀なくされる。それは、いつなのか。市場の関心は、この一点に集中している。
(続きは明日)
≪17日の日経平均 = 下げ -259.64円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
実は4月の消費者物価が大きく上昇することは、前々から予想されていた。というのも昨年4-6月期はコロナの感染が激しく、アメリカの主要都市では人々の行動が厳しく規制されていた。このため物価は上がりにくく、たとえば昨年4月の物価上昇率は0.3%に抑制されている。このような特殊事情から、FRBも「4-6月の物価上昇は一時的。それで緩和政策を修正することはない」と、たびたび宣言していたほどである。
昨年5月の物価上昇率は、前年比0.1%。6月は0.6%だった。したがって、ことし5-6月の上昇率はやはり高くならざるをえない。だが、それにしても4月の上昇率は予想以上に高かった。5-6月はもっと上昇率が広がるだろう。さらに7月以降は景気の急拡大が見込まれ、物価も上昇する。それでもFRBは、緩和政策を維持できるのか。市場の不安は一向に払拭されない。
特殊事情は7月になると、ほぼ解消する。その7月の消費者物価は、8月に発表される。だから8月までは、現在の金融緩和政策が続けられる。市場では、こういう考え方も強い。しかし、それまでにインフレ傾向が明確に出てくれば、FRBは緩和政策の修正どころか、金融引き締めまでを視野に入れる。市場の大勢がそう考え始めれば、株価はもっと早い時点で大きな調整を余儀なくされる。それは、いつなのか。市場の関心は、この一点に集中している。
(続きは明日)
≪17日の日経平均 = 下げ -259.64円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫