経済なんでも研究会

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トランプ流交渉術の 解析 (上)

2018-08-02 06:40:56 | 貿易
◇ 譲歩に見せかける手口は老獪 = まず高く吹っかける。文句を言われても「絶対にマケない」と、突っぱねる。ときには、いっそうの難題さえ上乗せする。しばらくして相手が困惑したころを見計らって「交渉に応じてもいい」と誘いをかける――これがトランプ大統領の交渉術だ。不思議なことに、こうすると相手側はなんだか得をしたようになり、トランプ大統領に感謝する気持ちにさえなる。トランプ大統領は相手に恩を売った形で、実利を得ることが出来る。

トランプ大統領は先週、ホワイトハウスでEUのユンカー委員長と会談。アメリカとEUが新たな貿易協議を始めることで合意した。具体的には①自動車を除く工業製品について、関税・非関税障壁・補助金の撤廃を目指す②EUはアメリカ産大豆とLNG(液化天然ガス)の輸入を増やす③アメリカの鉄鋼とアルミに対する輸入関税と、これに対するEUの報復関税について解決を目指す――などが決まったという。

アメリカは3月に、輸入する鉄鋼とアルミに高い関税をかけた。最初はEUを除外していたが、6月には急に適用。EUも報復関税を実施し、米欧間の貿易戦争が始まった。その直前、トランプ大統領は「自動車・部品にも20%の関税をかけることを検討中」と発表している。そうなればドイツ、フランス、イギリス、イタリアなどEU各国は大きな痛手を受ける。

今回の合意では「協議中は新たな関税措置を保留する」と決めた。これで自動車関税の問題は当面なくなり、EU内部では喜びの声も上がっている。しかし、よく考えてみると、決まったのはEUがアメリカの大豆とLNG輸入を増やす点だけ。アメリカ側は自動車関税という切り札は温存したまま。しかも新たな関税措置は「一方が協議を打ち切らない限り、保留する」と、解釈のしようによっては新たな“脅し”まで追加されてしまった。そうして来週には、日米間の貿易協議が始まる。

                               (続きは明日)

       ≪1日の日経平均 = 上げ +192.98円≫

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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