◇ 長期金利は上昇する = 日銀は政策決定会合を終えた31日、金融政策の新しい運営方針を発表した。だが、その内容は矛盾に満ちていて解りにくい。市場もその読み解きに戸惑ったようだ。会見した黒田総裁はまず基本的な方針として「きわめて低い長期金利の水準を維持する」と強調した。これなら従来の超金融緩和政策と変わりはないため、市場には安心感も広がった。
しかし今回の政策決定会合では、金融緩和の副作用も大きな問題として取り上げられた。この点について黒田総裁は「国債の買い入れは年80兆円をメドとしつつ、弾力的に実施する」と述べている。国債市場や金融機関の経営に与えている副作用を軽減するためには、この“弾力的な買い入れ”が実行されなくては意味がない。実行されれば国債価格は下がり、長期金利は上がる。日銀の意図はむしろ、こちらにあると考える方が妥当だろう。
また日銀はETF(上場投資信託)の買い入れ対象を、日経平均関連だけでなくTOPIX関連にも広げた。対象銘柄が増えることで、買いが特定の銘柄に集中するのを防ぐことができる。さらに金融機関の経営を支援する目的で、日銀への預け金のうちマイナス金利の適用分を減らすことも決めた。しかし、これらの措置は小手先の変化でしかない。
要するに、長期国債の買い入れを弾力的にする。つまり縮小する。この措置が、今回の政策変更の眼目だろう。その結果、長期金利が上がれば、円相場は上昇圧力に曝される。市場は「超低金利の継続」に安心し、これと矛盾する「弾力的な国債の買い入れ」に戸惑ったが、しばらくすれば日銀の“目くらまし”に気付くことになるだろう。
≪31日の日経平均 = 上げ +8.88円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
しかし今回の政策決定会合では、金融緩和の副作用も大きな問題として取り上げられた。この点について黒田総裁は「国債の買い入れは年80兆円をメドとしつつ、弾力的に実施する」と述べている。国債市場や金融機関の経営に与えている副作用を軽減するためには、この“弾力的な買い入れ”が実行されなくては意味がない。実行されれば国債価格は下がり、長期金利は上がる。日銀の意図はむしろ、こちらにあると考える方が妥当だろう。
また日銀はETF(上場投資信託)の買い入れ対象を、日経平均関連だけでなくTOPIX関連にも広げた。対象銘柄が増えることで、買いが特定の銘柄に集中するのを防ぐことができる。さらに金融機関の経営を支援する目的で、日銀への預け金のうちマイナス金利の適用分を減らすことも決めた。しかし、これらの措置は小手先の変化でしかない。
要するに、長期国債の買い入れを弾力的にする。つまり縮小する。この措置が、今回の政策変更の眼目だろう。その結果、長期金利が上がれば、円相場は上昇圧力に曝される。市場は「超低金利の継続」に安心し、これと矛盾する「弾力的な国債の買い入れ」に戸惑ったが、しばらくすれば日銀の“目くらまし”に気付くことになるだろう。
≪31日の日経平均 = 上げ +8.88円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫