◇ 政策提言には踏み込まず = 政府は先週末の閣議で17年度の経済財政白書を了承し、公表した。日本経済の現状と問題点について、かなり詳細に記述しているのが特徴。しかし問題点を深く掘り下げたり、解決するための政策提言には触れていない。多くの国民が知っていることだけを羅列し、知りたいことには目をつぶってしまった。
景気の現状については「回復はバブル期を超えて戦後3番目の長さになった。しかし物価を押し上げる力は弱まっている」と書いている。これは政府の公式見解そのもの。だが一般の人たちは「景気がいい」とは感じていない。このギャップはなぜ生じているのか。この点についての言及や分析は、いっさい見られなかった。
問題点の一つに「バブル期を超えた人手不足」を挙げている。この人手不足は「成長の制約である一方、生産性向上やデフレ脱却に向けたチャンス」と説くが、その具体的な方法論はあいまい。これでは人手不足を歓迎するのか心配するのか、よく判らない。また「人手不足の割に賃金上昇が鈍い」と指摘しているが、この点についても改善策の提示はなかった。
消費の伸び悩みについても、その要因を世代別に分析したところはいい。だが若年層も高齢層も貯蓄に励む理由に関しては、まるで政府には責任がないような姿勢。なぜ将来への不安が大きいのか。たとえばゼロ金利政策で利子収入がなくなったこととの関係など、もっと掘り下げてもらいたかった。
≪25日の日経平均 = 下げ -20.47円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
景気の現状については「回復はバブル期を超えて戦後3番目の長さになった。しかし物価を押し上げる力は弱まっている」と書いている。これは政府の公式見解そのもの。だが一般の人たちは「景気がいい」とは感じていない。このギャップはなぜ生じているのか。この点についての言及や分析は、いっさい見られなかった。
問題点の一つに「バブル期を超えた人手不足」を挙げている。この人手不足は「成長の制約である一方、生産性向上やデフレ脱却に向けたチャンス」と説くが、その具体的な方法論はあいまい。これでは人手不足を歓迎するのか心配するのか、よく判らない。また「人手不足の割に賃金上昇が鈍い」と指摘しているが、この点についても改善策の提示はなかった。
消費の伸び悩みについても、その要因を世代別に分析したところはいい。だが若年層も高齢層も貯蓄に励む理由に関しては、まるで政府には責任がないような姿勢。なぜ将来への不安が大きいのか。たとえばゼロ金利政策で利子収入がなくなったこととの関係など、もっと掘り下げてもらいたかった。
≪25日の日経平均 = 下げ -20.47円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫