◇ 資産の縮小に手を着けておきたい = アメリカの金融引き締めは、どんなテンポで進むのか。世界の市場が、この一点に注目し始めた。年内に5回目の利上げはあるのか。買い入れ資産の縮小は、いつから始めるのか。イエレンFRB議長は先週の議会証言で「引き締めは慎重に、ゆっくり行う」と述べたが、彼女の胸の内にはすでに出来上がった行程表があるように思われる。
FRBは一昨年12月に、ゼロ金利政策から離脱。その後もことし6月までに、政策金利を計4回引き上げてきた。市場ではごく最近まで「9月に5回目の利上げ、年末には資産の縮小を始める」という見方が一般的だった。ところが、ここへきてアメリカ経済の先行きに警戒感が強まっている。6月の消費者物価や小売り売上高が、予想を下回った。新車の販売も落ち込んだ。景気は来年初めから後退するという観測も出始めている。
イエレン議長の任期は来年2月まで。トランプ大統領は選挙戦中に「イエレン女史の再任はない」と言っている。そうしたなかで景気後退の見通しが強まれば、FRBが引き締め政策を継続することは難しくなる。だが任期中に、金融正常化の形だけは作っておきたい。たとえば「9月に資産の縮小を開始、可能なら12月に5回目の利上げ」という行程表。これなら実現性が高まる。
FRBが保有する国債や社債などの資産は、昨年末で4兆5000億ドルに達した。緩和政策を始める前に比べると3兆6000億ドルも増えている。イエレン議長は、この保有資産を月100億ドルのペースで減らして行く方針。この程度ならば、市場に大きなショックを与えることはないと考えるからだ。イエレン議長の胸の内を大胆に察すれば、こういうことになる。
≪18日の日経平均 = 下げ -118.95円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
FRBは一昨年12月に、ゼロ金利政策から離脱。その後もことし6月までに、政策金利を計4回引き上げてきた。市場ではごく最近まで「9月に5回目の利上げ、年末には資産の縮小を始める」という見方が一般的だった。ところが、ここへきてアメリカ経済の先行きに警戒感が強まっている。6月の消費者物価や小売り売上高が、予想を下回った。新車の販売も落ち込んだ。景気は来年初めから後退するという観測も出始めている。
イエレン議長の任期は来年2月まで。トランプ大統領は選挙戦中に「イエレン女史の再任はない」と言っている。そうしたなかで景気後退の見通しが強まれば、FRBが引き締め政策を継続することは難しくなる。だが任期中に、金融正常化の形だけは作っておきたい。たとえば「9月に資産の縮小を開始、可能なら12月に5回目の利上げ」という行程表。これなら実現性が高まる。
FRBが保有する国債や社債などの資産は、昨年末で4兆5000億ドルに達した。緩和政策を始める前に比べると3兆6000億ドルも増えている。イエレン議長は、この保有資産を月100億ドルのペースで減らして行く方針。この程度ならば、市場に大きなショックを与えることはないと考えるからだ。イエレン議長の胸の内を大胆に察すれば、こういうことになる。
≪18日の日経平均 = 下げ -118.95円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫