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プロヴァンスを巡ろう 39 <サント・ボーム山塊の聖地 サン・マキシマン・ラ・サント・ボーム と グロット>

2021-01-12 00:12:18 | 素晴らしき世界/フランス/ホテル
『サント・マリー・マドレーヌ・バジリカ聖堂』



マルセイユから北東へ50km
エックスからなら東へ50km
近付いて行くと
巨大な教会がそびえる村が見えてくる
『Saint-Maximin-la-Sainte-Baume サン・マキシマン・ラ・サント・ボーム村』

巨大な教会は

『Basilique Ste-Marie-Madeleine 聖マリー・マドレーヌ・バジリカ聖堂』

いかに広大であるかは
俯瞰するしかない

Ⓒdronestagram

聖堂正面は素朴極まりない


正面は
建設できなかったようだ

ところで
5世紀初頭に
『マリー・マドレーヌ(マグダラのマリア)』の墓が発見され
小さな修道院が造られた
その後
710年にサラセンの破壊から守るため
墓は地下に隠され

1270年ごろ
プロヴァンスの支配者であった「アンジュー家」の
シチリア王シャルル2世が再発見して
それを祀るバジリカ聖堂と
墓を守るために『ドメニコ会』の王室女子修道院が建立された

聖堂の回廊側の側壁

13世紀末という早い時期に
北部『カペー王朝』支配圏ので誕生していた様式
「ゴシック」
の技術がすでに取り入れられ
素朴ながら「飛び梁」が見られる


しかも
内部は完全にゴシックの大教会

内陣奥の主祭壇

内部装飾は
マグダラのマリアの一生をたどるモチーフの
レリーフや絵画が溢れている

イエスの足を洗うマグダラのマリア


プロヴァンスの「レ・サント・マリー・ド・ラメール」に上陸する
マグダラのマリア


十字架の道行きで
イエスの汗を拭う布を持って待つマグダラのマリア(左端)


顔を拭いた布を持って
ゴルゴダの丘の頂上まで付いてきたマグダラのマリア(左下)


十字架降架後
イエスの手から釘を抜き取るマグダラのマリア


マグダラのマリアの石棺



地下祭室に安置されている
マグダラのマリア聖遺物(遺骨)を収めた聖遺物匣

柵の奥にある聖遺物を収めた金製の彫刻のコピーが

地上階の礼拝堂の祭壇にある

そして
マグダラのマリアと同時に見つかった
『聖マクシマン』の石棺も


修道院自体は
バジロカ聖堂の横に
回廊を取り囲む四棟の建物から成り立っていた

回廊

この王室女子修道院は
革命期を除いて1960年代まで続いて
(革命の最中は牢獄に使われた)
その後廃止され
今は国の重要文化財のままでホテルに使われている

『Hostellerie du Couvent Royal ホテル・王室女子修道院』

玄関



回廊の中庭は
屋外パーティーなどによく利用される


客室も
当然修道院の建物なので
石壁がそのままという部屋もある

スイート



シングル/ツイン・ルーム

さすが元修道院だけあって
余分な装飾が一切ないところも好ましい

 ダイニングルームは
かつての修道士たちの大食堂



回廊部も



かつての大礼拝堂は
会議室


高位聖職者席が
そのまま使われている



共用空間は
明るい


夜間は極めて静謐と清潔感にあふれている

※    ※

さて
この『サン・マクシマン・ラ・サント・ボーム村』あたりから
『Massif de Sainte-Baume 聖ボーム山塊』
という岩山の連なりが南西に伸びている


近くに行けばかなりでこぼこしているが
一直線の岩塊が続く
標高1000mを超えるピークも幾つかある

ここに
歴史上極めて重要な聖地があるのです

一直線の
はるか向こうに何か小さな柱様のものが建っているのが
お分かりになるだろうか

ここ岩棚を正面から見ると
四角い小さな礼拝堂


こうなる

この岩肌
頂上の礼拝堂右下が「聖地」な
のです


もっと寄ってみると
よくわかります


麓から
岩山を彫って造った階段を登り


見え始めてから
さらに
切石を組んで作った階段を180段ほど登る


そして
やっと入り口にたどり着ける

入り口

この上に


ゴルゴダの丘が再現されている

岩棚に沿って進むと
雨風を避けられる自然の空洞があって
その奥で
『Sainte Marie-Madeleine 聖マグダラのマリア』が
隠棲生活を送ったのだそうです

その洞穴の入り口部分に
最初にご紹介した『サン・マクシマン・ラ・サント・ボーム村』に
5世紀に修道院を作った
ギリシア人修道僧『ヨアンネス・カッシアノス』の手で
同時に修道院が作られていた

修道院礼拝堂の入り口

礼拝堂内部

そして
そこから「洞窟」につながる


降りると
大空洞になっており


各所に
お参りする礼拝所がある


一番奥



礼拝堂に入らなければ


外から入れる浅い凹みに作られた祭壇もある

礼拝堂の宝物殿にはマグダラのマリアの聖遺物



実際に
マグダラのマリア本人は
この洞窟を非常に気に入っていたと言われている


岩棚の反対側の断崖絶壁の縁に
十字架から降ろされたイエスを抱いて嘆く「マグダラのマリア」
飾られている


この洞窟と
サン・マクシマン・ラ・サント・ドーム村と
両方合わせて
カトリックの大聖地なのです

9世紀以来
ボニファティウス8世以下複数のローマ教皇
十字軍から帰還したルイ9世『Saint Loius 聖ルイ王』
フランソワ1世
カトリーヌ・ド・メディシスと息子のシャルル9世
王妃に迎えたスペイン王女アンヌ・ドートリッシュとルイ14世ほか
歴代フランス王
全欧の君主達
など
19世紀に至るまで多くの王公貴顕たちが訪れた

などなど

現代では
ル・コルビュジエが
このサント・ボーム山塊のこの聖所付近の地下に
大々的な聖堂を建設する案を発表した

サント・ボーム山塊の先端と聖地遠景

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