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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

台北市街に歴史の面影を訪ねる

2018年04月17日 | おもしろすぎる台湾
2016年3月27日(日)のち

龍山寺
今日は一日台北の街歩き。町の古い歴史を感じる場所を求めてまず訪れたのは、市街西部にある龍山寺(ロンサンスー)。台北で最も古いお寺で、いつも大勢の参拝客であふれている。龍山寺は、台北の玄関口である台北車站から捷運で3つ目、龍山寺駅の駅前に出ると広場があり、お供え用の花を売る売り子さんが立っていた。


お寺は広場に面して建っている。いつ来ても人は多いが、今日はとりわけ沢山の人が詰めかけている。境内ではずっと読経の声がマイクで流れ、身動きが取れないほどの行列が出来ていた。


お供え物を置くテーブルには、花、果物、お菓子、飲み物などが所狭しと並べられる。


僕たちもそれぞれお線香を頂き、境内に設けられたいくつもの香炉に、1本ずつお供えした。ガイドブックにはお線香1セットで10元とあったが、ただで渡してくれた。台湾でお寺にお詣りしてお線香を供えることはよくあるが、お線香は殆どいつでもタダでもらってしまう。お線香に限らず、台湾では「免費(無料)」のものが多い。これもきっと台湾の優しさなんだと思う。


徳の高そうなお坊さんが登場すると、周囲の人達はお坊さんに手を合わせていた。


大行列に入ってやっとのことで本殿中央に辿り着いた。境内を見ると、大勢の人達が本殿に向かって手を合わせ、みんな一心にお祈りをしている姿が見えた。龍山寺は台湾のパワースポットとも言われるが、こうした人々の「気」が集まることでパワーが高まるのだろう。

龍山寺には100以上の神様がいらっしゃり、ありとあらゆる願い事を聞いてくださるそうだ。それだけに参拝客が絶えないのだろうが、今日の混雑は尋常ではない。きっと何か大切な法会があったに違いない。


剥皮寮
龍山寺の「喧騒」から離れて、そこから歩いて僅かな距離にある剥皮寮にやって来た。ここは清朝時代の街並みが残るリノベスポット。4年前に初めて訪れたとき、200年前から時間がとまったような風景に魅了された。リノベ後に公開されてまだ間もない頃で、工事中のところもあったので、あれから4年経ってまた更に魅力を増したのでは、と期待したが…


基本は4年前と変わらず。体験型ミュージアムは、日本統治時代の小学校の教室を再現した部屋や、昔の遊びを楽しめるコーナー、人形劇コーナーなど、今回も楽しめたが、展示内容は前回のままだった。


前回はこのメインストリートの裏側にも入れて、ちょっとした探検気分も味わえたが、今回は裏側に入ることはできなくなっていた。


毎年来るたびに新たなリノベスポットが出来ている迪化街とは違って、こちらの整備のスピードはゆっくりなんだな。迪化街には人が住み、生活と商売が営まれているのに比べると、剥皮寮はミュージアム的な要素が強い。入場は無料で、一生懸命人を呼び込む必要性もないので、リノベの動きもゆっくりしているのかな。


萬華406号広場
剥皮寮から向かった先は、日本統治時代に建立されたお寺の跡地に鐘楼ができたという「萬華406号広場」。捷運の駅で言えば、最初に降りた龍山寺駅の1つ台北車站寄りの西門駅近く。大きな通りに面しただたっ広い広場がお寺の跡地。当時は「西本願寺」があったそうで、広場中央の盛り土された小さな丘の上に、鐘楼が建っていた。

西本願寺の建築物は、戦後殆どが火事で焼失したなか、焼け残って修復されたという鐘楼には、立派な鐘も吊るされていた。お寺の跡地とは言っても、公園としてすっきりと整備された広場のど真ん中に、鐘楼だけあるのは何だか不思議な光景。


更に不思議なのは、よくよく見ると鐘を突く橦木がない!これじゃあ、鐘が撞けないじゃないの!梵鐘越しに奥に見える日本家屋は「輪番所」。


輪番所は、お寺があった頃の住職の宿舎で、戦後消失したが、最近復元されて、今はオシャレなショップと落ち着いた台湾茶のカフェになっている。


輪番所の前で写真を撮ってあげた若者グループの一人が「日本からですか?」と日本語で訊ねてきた。「私はタケといいます!」と丁寧に挨拶して、握手を求めてきた。感じのいい青年だった。

輪番所の軒先にじーっととまっていた立派なサギ

萬華406号広場から更に捷運西門站の方へ向かう途中で見つけたお店で食べた水餃子やワンタンは絶品の美味しさ!お店の人も感じよかった~😊


そして去年奥さんと娘がチャイナシューズを買った小格格鞋坊へ。娘が気に入って履いていた赤いチャイナシューズの修理を頼んだら、工場に出さないと直らないということで預けた(シューズは後日、キレイに修理されて日本に送られてきた)。

西門紅楼
お店から1分の距離にある日本統治時代に建てられ、今は古蹟に指定されている、西門紅楼にも立ち寄った。紅楼の前や後ろは広場になっていて、土日には色々なイベントが行われるようで、沢山のテントが立っていた。


手工芸品を売るテントもあったので、スマホ入れに出来そうなポーチを探していたら、奥さんが色々な少数民族柄が入ったポーチを売る屋台を発見。そこでパイワン族の模様入りのポーチが気に入ったので購入。180元は安い!しかも、少数民族風の衣装を着た女性が、その場で僕の名前を、左右対称の鏡文字で、レタリング風にアレンジして、イラスト入りで描き入れてくれた。


自分だけのステキなポーチはスマホを入れるのにピッタリ。リングフックをズボンのベルト通しに留め、早速スマホを入れて使い初め。スマホが簡単に取り出せて、Facebook用の写真を撮るのにも便利。とっても気を良くして街歩きを続けた。しかし、これがこの後、大変な出来事の原因となってしまうのだった…

台湾独立運動
捷運西門站入口前では「台湾独立」を叫ぶグループが気勢を上げていた。今の台湾では、自分たちを「中国人」ではなく「台湾人」と自覚する人が圧倒的に多い。台湾は台湾であって、中国ではないと考える台湾人が大多数で、台湾は既に独立国家として機能しているのだから、ことさらに「独立」を唱え、事を荒立てる必要はない、という意見が多数派だ。

しかし、中国は遠くないうちに、台湾を自らの管轄権が及ぶ中国の領土として統治しようと目論んでいることは間違いない。台湾が、小規模な国際会議のオブザーバーとして参加することにさえ、万難を排して妨害し、世界中に対し、台湾を国家扱いするいかなる行動も阻止し、台湾を国際社会から孤立させようというやり方は「弱いものいじめ」以外の何物でもない。そんな中国のやり方に対して反発が生まれるのは当然だろう。中国の言いなりになっている国々も情けない。頑張れ台湾!加油臺灣!!


中山堂?
捷運西門站の反対側には、もう一つ日本統治時代に建てられた重要な建造物、中山堂がある。建設されたのは1936年。「台北公会堂」の名称で、大小のホールやレストランなどを備えた市民の集会場、イベント会場として使われた。終戦後、「中山堂」と名を改めた後も、市民のための文化イベント等に使われ、現在に至っている。だけど、写真で見た外観と違うなぁ…


内部も自由に見学でき、2階にも行ってみた。閑散としてひんやりした空気、重厚で品のあるパーツや内装が歴史を感じさせた。


このブログを書くため改めて中山堂の写真をネットで見てみたが、写真にある立派なファサードは見なかったなぁ… 場所的にはここのはずだが、次に台北に来た時に確かめてみよう。

捷運の龍山寺站から西門站まで、いくつかの歴史的スポットを徒歩で見て来た。今度は捷運に乗って、最近出来た東門站で下車。台北でも一番人気のグルメ街、永康街の入口の目の前に出られてとても便利になった。その永康街の美味しそうなお店は、指をくわえて横目で見やりながら通り抜け、向かったのはその先の青田街。賑やかな永康街から、閑静な住宅街に入るとそこは青田街。

青田茶館
青田街は、日本統治時代に日本人の役人や大学教授などが多く住んでいた住宅街で、当時は永康街の方まで含めて「昭和町」と呼ばれていたそうだ。ここには今でも日本家屋が多く残っている。そんな日本式の住宅を茶芸館としてリフォームした「青田茶館」にやってきた。


台湾大学(旧台北帝国大学)の教授だった日本人宅を改装したという青田茶館は、入口は目立たないが、中へ入ると広い敷地内にゆったりと建てられた平屋建ての贅沢な造り。






案内されたのは大きなガラス戸から庭を望める広いテーブル席。頼んだお茶は、娘のリクエストで、西門町の輪番所で試飲させてもらい美味しかった蜜香烏龍茶。甘みと渋みがマイルドに混ざり合った香り高いお茶だった。


「和」の雰囲気をベースに、当時の建築家らしいモダンなテイストが加わった明るくて洒落た空間は、居心地もとても良い。この茶芸館はギャラリーも兼ねていて、アートな雰囲気にも浸れる。読書、宿題、ギャラリー鑑賞、おしゃべり… 家族それぞれに、思い思いの時間をゆっくりと過ごした。




「6時閉店」と書いてあったので、6時近くに急いで帰り支度をしようとしたら、「大丈夫」と言ってくれて、30分ほど長居してしまった。

お店の中を自由に歩き回っていたワンちゃん。とても大人しくてかわいかった。

満たされた気持ちになってお店を後にして、暗くなった青田街を歩くと、以前よりおしゃれなお店が増えていることに気がついた。今後益々、文化的で落ち着いた雰囲気のエリアになって来そうだ。

ショウガコスメのお店「薑心比心」
おしゃれなお店と言えば、台北きってのグルメストリート永康街には、食べ物屋さん以外のおしゃれなお店も増えている。青田茶館の帰り道に寄った「薑心比心」も、そんなお店のひとつ。ネット情報で奥さんが興味を示したので行ってみた。表には「ジンジャーコスメブランド」と日本語の看板が出ていた。


ここは2012年にオープンしたショウガを使ったコスメショップ。ショウガは疲れを取ったり、血液の循環を良くしたりする効果があるそうで、台湾産のショウガを使っているそうだ。

キレイな店内は爽やかな芳香が漂っていて、石鹸、ハンドクリーム、入浴剤、精油等々、ショウガにフルーツや花の香りを組み合わせたいろいろなアロマの品々が並んでいる。テスターも揃っているので、色々試してみた。

どの香りもキツさがなくて優しい感じ。奥さんと娘は、お気に入りの香りのハンドクリームを購入。僕は両親へのお土産にラベンダーの香りの精油を買った。

お腹が減っていたけど、永康街の美味しそうなお店は通過して東門站から捷運に乗り、六張犁站へ。



お目当てはもちろん、明月湯包の小籠包!


そして、臨江街夜市!



台北に来たらやっぱりこの2ヵ所は欠かせないのだ!


台北のリノベスポット 迪化街、松山文創園区。スマホ紛失。。!
七星山 ~首都台北に聳える最高峰に登る~
礁渓温泉「温泉魚」、宜蘭街歩き1「石敢当巡り」
宜蘭街歩き2、炭酸泉の湧く蘇澳
五峰旗瀑布 ~礁渓温泉から3つの滝を訪ねる~
優しい台湾 ~三峡で出会ったおじいさん(台湾人の優しさを考える)~
おもしろすぎる台湾

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