10月17日(土)石田詩葉 ピアノリサイタル
音楽ネットワーク「えん」~お洒落なサロンで手作りピアノリサイタル(通算786回)~
尾上邸音楽室
<第66回プレコンサート>
♪S:小林 彩乃/Pf:賛助;石田詩葉(賛助)
1.中田 喜直/さくら横ちょう
2.ロッシーニ/別れ
3.シューマン/献呈
♪Vn:辻 友香/Pf:平川 笑(賛助)
1.サラサーテ/序奏とタランテラ Op.43
2.コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35~第1楽章
♪ ♪ ♪
<石田詩葉 ピアノリサイタル>
1.バッハ/ブゾーニ編/シャコンヌ BWV1004
2.スクリャービン/2つの夜想曲 Op.5
3.スクリャービン/ピアノソナタ 第5番嬰ヘ長調 Op.53
4.ショパン/練習曲 変イ長調 Op.10-10
5.ショパン/練習曲 ホ短調 Op.25-5
6.バルトーク/3つの民謡によるロンド BB92/Sz84
7.バルトーク/ピアノソナタ BB88/Sz80
【アンコール】
バッハ/ブゾーニ編/コラール前奏曲「イエスよ、私は種の名を呼ぶ」BWV639
小さな会場で手作り感覚のコンサートを続けている音楽ネットワーク「えん」は、巷ではコロナ禍のなか演奏会が再開されるなか、手作りであるが故の難しさもありなかなかスムーズに演奏会ができずにいたが、ようやく少しずつ活動が始まったことは喜ばしい。
今日の主役、ピアノの石田詩葉(ことは)さんは、まだ武蔵野音大の現役学生でありながら、多彩なプログラムによる堂々としたリサイタルを行った。石田さんのピアノは熱くて強い。それは体の奥底から出てくる熱さであり強さだ。そこには信念が貫かれ、祈りがある。原曲と比べて遥かに多くの音が使われ、ゴージャスなアレンジのブゾーニ編のシャコンヌは、そうしたゴージャス感よりも、たくさんの音達がぎゅーっと集まり、重たい塊が胸に撃ち込まれた。スクリャービンでもその熱量や質量が濃厚に迫り、ソナタでは更に妖しい光沢と芳香を放ち、聴き手を誘惑しているようだった。
そんな熱さが後半のバルトークでも強いインパクトを与えた。3つのロンドでは歌が躍動し、民族の熱い思いが隠し味のように入っていた。続けて演奏されたソナタは躍動が打楽器を打ち鳴らすように畳み掛けて聴き手を圧倒した。重量感はあっても楽々と動き回り、瞬発力やスピード感があり、演奏が進むほどに聴き手の気分は高揚して行った。
アンコールではバッハのコラールプレリュードを演奏。冒頭のシャコンヌとシンメトリーを形成すると共に、リサイタルの最後を礼拝の後奏のように、聴き手の心を温かくしっとりと包み込んだ。
♪ ♪ ♪
プレコンサートに登場した2組のアーティストも現役の音大生。芸大の大学院に在学中のソプラノ、小林彩乃さんの魅力は、艶やで美しい声。この歌声は誰をも振り向かせる力がある。ソリストに必要な素質だ。そして、たっぷりとした深い表現力も堂に入っていた。シューマンの「献呈」では溢れ出る感情や、愛する者への思いに打ち震えるような繊細な描写をもう少し強調すると更に聴き手を引き付けるだろう。
ヴァイオリンの辻友香さんは武蔵野音大在学中。コルンゴルトのコンチェルトは大きな構築感に支えられ、クライマックスへ向かってしっかりとエネルギーを溜めて行き、最後は放出する流れがうまく表現されていた。音色や語り口に更なる色気が加わるとより引き立つだろう。
♪ ♪ ♪
終演後に開かれたお茶会では、演奏会に駆け付けた演奏者の仲間たちが得意の曲をマラソンで披露。余興と云うにはあまりに贅沢なミニコンサートとなった。日本の若い音楽家の活躍に期待が高まった。
音楽ネットワーク「えん」:『虹と雪のバラード』 2020.2.29 スタジオコンチェルト
音楽ネットワーク「えん」シリーズ《今を生きる作曲家に焦点を当てて》第2回 2017.11.26 尾上邸音楽室
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3.スクリャービン/ピアノソナタ 第5番嬰ヘ長調 Op.53
4.ショパン/練習曲 変イ長調 Op.10-10
5.ショパン/練習曲 ホ短調 Op.25-5
6.バルトーク/3つの民謡によるロンド BB92/Sz84
7.バルトーク/ピアノソナタ BB88/Sz80
【アンコール】
バッハ/ブゾーニ編/コラール前奏曲「イエスよ、私は種の名を呼ぶ」BWV639
小さな会場で手作り感覚のコンサートを続けている音楽ネットワーク「えん」は、巷ではコロナ禍のなか演奏会が再開されるなか、手作りであるが故の難しさもありなかなかスムーズに演奏会ができずにいたが、ようやく少しずつ活動が始まったことは喜ばしい。
今日の主役、ピアノの石田詩葉(ことは)さんは、まだ武蔵野音大の現役学生でありながら、多彩なプログラムによる堂々としたリサイタルを行った。石田さんのピアノは熱くて強い。それは体の奥底から出てくる熱さであり強さだ。そこには信念が貫かれ、祈りがある。原曲と比べて遥かに多くの音が使われ、ゴージャスなアレンジのブゾーニ編のシャコンヌは、そうしたゴージャス感よりも、たくさんの音達がぎゅーっと集まり、重たい塊が胸に撃ち込まれた。スクリャービンでもその熱量や質量が濃厚に迫り、ソナタでは更に妖しい光沢と芳香を放ち、聴き手を誘惑しているようだった。
そんな熱さが後半のバルトークでも強いインパクトを与えた。3つのロンドでは歌が躍動し、民族の熱い思いが隠し味のように入っていた。続けて演奏されたソナタは躍動が打楽器を打ち鳴らすように畳み掛けて聴き手を圧倒した。重量感はあっても楽々と動き回り、瞬発力やスピード感があり、演奏が進むほどに聴き手の気分は高揚して行った。
アンコールではバッハのコラールプレリュードを演奏。冒頭のシャコンヌとシンメトリーを形成すると共に、リサイタルの最後を礼拝の後奏のように、聴き手の心を温かくしっとりと包み込んだ。
プレコンサートに登場した2組のアーティストも現役の音大生。芸大の大学院に在学中のソプラノ、小林彩乃さんの魅力は、艶やで美しい声。この歌声は誰をも振り向かせる力がある。ソリストに必要な素質だ。そして、たっぷりとした深い表現力も堂に入っていた。シューマンの「献呈」では溢れ出る感情や、愛する者への思いに打ち震えるような繊細な描写をもう少し強調すると更に聴き手を引き付けるだろう。
ヴァイオリンの辻友香さんは武蔵野音大在学中。コルンゴルトのコンチェルトは大きな構築感に支えられ、クライマックスへ向かってしっかりとエネルギーを溜めて行き、最後は放出する流れがうまく表現されていた。音色や語り口に更なる色気が加わるとより引き立つだろう。
終演後に開かれたお茶会では、演奏会に駆け付けた演奏者の仲間たちが得意の曲をマラソンで披露。余興と云うにはあまりに贅沢なミニコンサートとなった。日本の若い音楽家の活躍に期待が高まった。
音楽ネットワーク「えん」:『虹と雪のバラード』 2020.2.29 スタジオコンチェルト
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