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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ベルリン町中探訪 その3 カリーヴルスト、ニコライ地区、ジャンダルメン広場、CDショップDussmann

2012年02月06日 | ウィーン&ベルリン 音楽の旅 2009
カリーヴルスト Currywurst
~「ベルリンで一番うまい」Konnopke's Imbiss~
カリーヴルストとは、ドイツで広く愛されている屋台メニュー。直訳すれば「カレーソーセージ」だが、別にソーセージ自体がカレー味というわけではなく、普通の焼ソーセージにケチャップがかかり、その上にパラパラとカレー粉を散らした代物。"Imbiss"(スナック)と書かれた看板のあるスタンドには、大抵このカリーヴルストがある。

そんなどこにでもあるカリーヴルストスタンドだが、なぜかベルリンのこのお店「コノプケス・インビス」は、日本のメディアでもよく紹介される。殆どNHKしか観ない僕だが、これまでに「世界ふれあい街歩き」、「テレビでドイツ語」、あともう1つ何かの番組で見た。そこで映されるこの店のカリーヴルストは本当にうまそうだし、お客たちがまたうまそうに食べていて、これを見たらやっぱり行きたくなる。

ベルリンのホテルのご主人に、「コノプケス・インビスを知っているか」と訊いたら、「もちろん知ってるよ。ベルリンで一番うまいカリーヴルストの店だからね。」と即答。地元の人が言うのだから、行く価値は絶対ありそうだ。ご主人に行き方を訊いて早速出かけた。場所は、ベルリンの中心街からはわずかに外れたところ、地下鉄2番(U2)の地上駅「エーベアスヴァルダーシュトラーセ(Eberswalder straße)」からすぐのガード下。近くにはトラムも走っている旧東ベルリン地区だ。店の前には行列ができているので遠くからでもすぐに見つかった。


行列でも回転は良いので、そんな長時間待たされることはない。メニューはカリーヴルスト以外にもいろいろあったが、やっぱりここでは名物のカリーヴルストを食べたい。

紙皿に乗って出てきたカリーヴルストは、見るからにうまそう。飲み物は昼間からビールにした。店の前には丸テーブルがいくつも出ていて、そこでさっそく立ち食いでアツアツのカリーヴルストにかじりついた。

一口食べて「うん!うまい!」確かにうまいが、今までに何度かカリーヴルストを食べて「うん!うまい!」と言ったときとそんなに大きな違いはない、というのが正直な感想。これほど有名で、いつでも行列ができている店のカリーヴルストだからもっと大感動する味を期待していたのだが・・・

この店は創業1930年というから、もう80年を越える老舗。その間にベルリンは東西に引き裂かれ、東ベルリンに編入された間も伝統の味を守り続け、地元の人達に親しまれてきたに違いない。昔から変わらない味を提供し続けてきたことで、多くの人達が「おいらの町のこのカリーヴルストが一番うまい!」ということになったのだろう。そんなことを思いながらもう一口食べてみると、うん、初めて食べているのにとても懐かしい味がしてきた。

店は平日は朝10時から夜8時、土曜日は12時から夜8時、日曜休業。

ニコライ地区 Nikolaiviertel
ドイツの観光地の多くは、中世の街並みが残された旧市街が見どころのポイントになるが、変化を続けるベルリンは、そうした古い街並みとは一見無縁の観もある。そもそもベルリンは、町としての歴史は比較的新しく、旧市街と言えるものを形成した歴史がない。「新しさ」がポイントのベルリンだが、そのなかで古い街並みが残っている地区が、ここニコライ地区。ベルリン発祥の地と言われ、このあたりを中心にベルリンは発展して行き、今のような大きな町に成長したそうだ。上で紹介したカリーヴルストのスタンドからなら、地下鉄U2で4つ戻った「クロースターシュトラーセ(Klosterstraße)」が最寄り駅。

「赤の市庁舎」(Rotes Rathaus)と呼ばれるベルリン市庁舎前を通る、交通量の多いシュパンダウアー通り(Spandauerstraße)を隔てた向かいにあるニコライ地区界隈は、表通りの喧騒がうそのような閑静な高級住宅街という感じ。


建物の1階部分は店舗になっているところが多く、古いレストランやアンティークなお店などがたくさん集まり、ベルリンらしからぬ昔懐かしい雰囲気が漂う。10分程度でまわれてしまうぐらい小さな区画だが、そこにはベルリン発祥のハートが息づいている感じがする。

ベルリン発祥の地であるニコライ地区には、その名前の由来にもなっている1320年建造のニコライ教会(Nikolaikirche)があり、これはベルリン最古の教会。2本の尖塔が昔も今もこの地区を見守っている。

レンガ造りのニコライ教会の裏手に回った石畳の路地。上へ行くほど迫り出した建物や、お店の古い看板などがノスタルジックな雰囲気を出している。石畳の向こうから、蹄の音を響かせて馬車がやってきそうだが、ニコライ教会をはじめ、この地区の建物の大部分は空襲で破壊され、戦後再建されたもの。

第2次世界大戦中、ベルリンは攻撃の重要なターゲットとされ、空爆のほか市街戦も行われた。市内は70%以上の建物が破壊され、中枢部においては壊滅状態となった。他の地域では新しい建物が多く建てられるなか、この地区ではベルリン発祥当時の姿が再現された。

小さな公園に沿った石畳の道の隅っこでスケッチをしていたら、それを覗きこんだおじさんが古い写真を見せてくれた。「あなたが描いている眺めは、この写真とおなじでしょ?これは戦前に撮影された写真だけれど、ちっとも変ってないでしょ?」とおしえてくれた。当時の面影をそのまま残すこの地区ならではの話だろう。


ジャンダルメン広場 Gendarmenmarkt
ベルリンで最も美しい広場、と言われているジャンダルメン広場は、地下鉄U2ならニコライ地区の最寄り駅”Klosterstraße”から更に3駅戻った「ハウスヴォークタイプラッツ(Hausvogteiplatz)」から近い。ウンター・デン・リンデン通りに並行して南を走るフランス通り(Französischer Straße)沿いにある。

ここの景観の美しさは、広場に建つ3つの建造物のアンサンブルによって醸し出されている。広場の左右には向かい合うようにドイツドーム(Deutscher Dom)とフランスドーム(Französischer Dom)が建ち、中央にはコンツェルトハウス(Konzerthaus)がデーンと構えている。左右の「大聖堂(Dom)」は外観がそっくりで、特徴的な丸屋根の塔がシンメトリーの印象を際立たせている。

中央のコンツェルトハウスは、読んで字のごとくのコンサート会場。当初は劇場で、ウェーバーの「魔弾の射手」が初演され、ワーグナーが自らの指揮で「さまよえるオランダ人」を上演するなどの歴史がある。空襲で破壊されたあと、1984年に再建され、大・小のホールなど4つの演奏会場では、オーケストラや室内楽のコンサートが毎晩開かれている。pocknはここの小ホールで、フロレスタン・トリオのコンサートを聴いた。


ここのバロック様式の双子のドームは、ローマのポポロ広場の双子教会をモデルに建造されたそうだが、これにコンツェルトハウスを加えた3つの建物の織り成す景観は、美しさに加え、風格と威厳をそなえていて、ドイツの首都を代表する広場と呼ぶに恥じない。

演奏会が始まる前に、フランスドームとコンツェルトハウスを入れてスケッチをしたが、開演までに色付けが間に合わず、コンサートの休憩時間に急いで色を付けて仕上げた。このとき、丁度夕闇が迫ってきて暮れかかる空がいい色に染まっていた。




夕暮れのなかに沈みはじめた広場は…

コンサートが終わったころはライトアップで浮かび上がった

ジャンダルメンマルクトの「マルクト(Markt)」とは「市場」のことだが、ここではアドヴェント(Advent:クリスマス前の4週間)になると、クリスマスマーケットが立つという。ベルリンで一番美しい広場が、きっと更に美しく夜空に華やかに浮かび上がることだろう。

ドゥスマン(CD & ブックデパート) DUSSMANN das Kulturkaufhaus
ベルリンに留学していたmakiさんから「ベルリンでCDや楽譜を買いたいならここ!」と、この店を教えてもらったのはもう10年以上前になるが、それ以来、ベルリンに来ると必ず立ち寄るDUSSMANNは、主にCDと書籍を扱う大規模店。5フロアあるビルで、総床面積は7000㎡を超える。地下1階は全てがクラシックのCDとDVD売り場というのは嬉しいが、僕がここで長居するのは、2階(1.Obergeschoss)のワールドミュージックコーナー。国を問わず豊富なヨーロッパポップスから、お目当てのアーティストだけでなく、ジャケットで良さそうなのを試聴していろいろ買い集める。

この店の大きな特長がその試聴にある。聴きたいCDがあったら、商品のビニール包装を自分で破いて剥がして、CDを取り出して試聴していい。バーコードを読んで試聴する機械もあるが、あくまでこれは曲の触りだけだし、バーコードをうまく読み取れないものもある。剥がして聴くのがOKだから、どんなCDでもじっくり「鑑賞」できてしまう!

でも、売り物の商品を破るなんて… と気が引けたら、お店の人に頼むと、カッターでペリペリと包装を剥がして「ビッテシェーン」とにっこり笑って渡してくれる。これができるので、知らないアーティストを選ぶのも間違いない。店員は親切だし、分野ごとに詳しい担当がいるので、どんなことでも相談に乗ってもらえる。


ドイツ、フランス、イタリアンポップスのCDを買った

開封したCDはお店でまた包装し直してから棚に戻すかって?そんなことするわけないじゃん。そのままふつうに棚に並んでいる。ここはドイツ、日本みたいに小さいことを気にするお客は殆どいないようだし、気にする客はここでは買わず、試聴だけしに来るのかも。

この店の正式な名前は、“Dussmann das Kulturkaufhaus“(ドゥスマン・カルチャーデパート)といって、音楽CDやDVDのほかに、楽譜や文化芸術関連の書籍などが充実しているし、一般書の品揃えも豊富。文房具売り場や気の利いたプレゼント売り場もある。1日過ごしても飽きなさそう。

ジャンダルメン広場からなら歩いて行くこともできるが、地下鉄に乗るならU6。多くの路線が交差する駅「フリードリヒ・シュトラーセ(Frieddrichstraße)」から、この駅名の通りをウンター・デン・リンデン方向に1・2分歩いた左側にある。営業時間は平日が10時から午前0時、土曜日は10時から23時半。閉店法がゆるいベルリンならではの拡大営業時間でやっているので、昼間に観光を済ませて、晩ごはんを食べた後にゆっくり寄ることもできる。不定期だが日曜日に営業することもあり、営業日は事前にホームページに掲載される。

Dussmannのホームページ


ベルリン町中探訪 その1 クーダム周辺、戦勝記念塔、アスパラ、綿毛…

ベルリン町中探訪 その2 静寂の部屋、ホロコースト記念碑、本のない図書館、DDRミュージアム

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