facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

レポート「専門資料論」

2011年06月22日 | 奮闘!近大通信司書課程
6月10日(金)

「図書館特論」のレポートが届いた2日後、またレポートが返ってきた。これは「専門資料論」のレポートだ。こちらは「テキストを要約しただけで合格した」と言う話もあり評価は甘めと聞いていたので、大丈夫だろうとは思うのだが、開けるときはやっぱりドキドキする。結果は「合格」。項目ごとの概評も上々で、全体の講評ももったいないほど褒めてもらえている。

評価の甘い先生ということはわかっていても、やっぱりこういう講評をもらえると気持ちがいい。得意になって家族にもレポートを見せびらかした。「スゴーイ!」という称賛の声が上がり、お父さん&ダンナのポイントアップ! 項目ごとの概評のうち、参考文献として、図書を3点、雑誌論文を1点挙げた「資料・参考書研究」ではナント3重丸をもらった(フォントが出ないので画面上は2重丸だが)。


概評
ABC
設題の理解
教材の理解
考察力
文章表現力
論文の構成
基礎の理解
要約力
論旨の明確性
条文の明示
用語使用方法
誤字・脱字
訳語・訳文の研究
公式の理解
資料・参考書研究

全体の講評:
図書選択の自由とは何かをよく理解してまとめています。テキストの理解もよく論文構成もしっかりしています。大変立派なレポートです。

レポートの要旨:

設題:「図書選択の自由について述べよ。」

まず、人類が創造的な営みを続けるには、過去に学ぶとともに、グローバルな最新情報を得ることも不可欠で、国民がこうした情報を自由に得られるように、資料を収集し、提供するのが図書館の社会的使命である、と「知る自由」の拠り所としての図書館を挙げた。
このために図書館は、誰からも妨げられることなく資料を自由に選択し、提供する責務を負っており、この使命を社会に向けて表明したものとして「図書館の自由に関する宣言」を挙げ、「宣言」の4つの主文について紹介した。

次に、「宣言」に則って「図書選択の自由」を考えたとき、この「自由」とは、図書館が独自の方針で図書を選択するという、図書館の自主独立という意味での「自由」であると同時に、利用者側の視点で利用者の「知る自由」に応えるという意味も持ち、ここには、利用者のプライバシーが守られ、安心して図書館を利用でき、「知る自由」が保障されるという意味も含まれるなど、様々な立場での「自由」があることを述べた。

そして、図書館が資料を収集するにあたっては、明確な収集方針を作成することが大切で、その際、「宣言」の副文で謳われている収集方針、つまり、①多様な意見を幅広く収集すること、②著者の思想にとらわれて著作を排除しないこと、③図書館員が個人的な好みで選択しないこと、④外部からの圧力に影響されないこと、を踏まえることの重要性を説いた。また副文は収集方針の公開を求めているが、収集方針が、利用者の「知る自由」への要求に応えるという目的に十分適っているかを検証するために、利用者をはじめ、社会からの評価や批判を受け止め、或いは協力を求めて行くことの必要性を説いた。

「図書館の自由」が侵害された事例としては「ピノキオ問題」を取り上げた。これについては、テキストに短い説明があるが、レポートでは説明を補強するため、ピノキオ問題について詳しく紹介されている文献(『図書館の自由に関する事例33選』 日本図書館協会)を参考に、この問題の原因と経過、結果を350字程度にまとめた。そして、これについての見解として、
・『ピノキオ』が差別を助長するという指摘は十分に検討すべきだが、図書館が十分に検証を行わずに、同書を回収したことは、『宣言』に照らせば拙速であったことは否めないこと、
・ただ、大変貧弱だった当時の障害者サービスの実態を考慮すれば、「知る自由」を盾に『ピノキオ』問題が論じられることには違和感もあること、
・図書館は、国民の知る権利を第一義的に配慮しつつ、大きな問題となった図書については、その事実を広く公開し、何が問題になっているかを国民自身の目で確かめられるように、例外的に別置して閲覧・貸出を行うことは妥当と思われること、
の3点について述べた。

最後に、当時この問題について図書館、障害者、一般の利用者が真摯に向き合ったことは、社会的弱者への理解を進める上では無駄ではなかったと肯定的に捉えて「結び」とした。

これで残るレポートは、今取り組んでいる「図書館資料論」1つとなった。

学外スクーリング「情報検索演習」(奮闘!近大通信司書課程記事一覧)
実践!近大通信・司書課程攻略法 (奮闘!近大通信司書課程メニュー)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レポート「図書館特論」 | トップ | 癒しの国・台湾旅行2011 ~... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

奮闘!近大通信司書課程」カテゴリの最新記事