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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

杉田明美 ソプラノ・リサイタル

2008年11月16日 | pocknのコンサート感想録2008
11月16日(日)杉田明美(S)/林 久美子(Pf)
パストラルかぞ 小ホール

【曲目】
《一部》
~日本の歌曲から~
平井康三郎/ゆりかご、平城山、弘田龍太郎/浜千鳥、山田耕筰/赤とんぼ
~高島豊の作品から~
ねぎぼうず、積った雪、風
 朗読:田中佳志子
~素敵な出会いから~
松原真美・松本真理子/母
~ロシア歌曲から~
グリンカ/ああいとしの麗し乙女、ラフマニノフ/私は辛い中で愛した、ヴォカリーズ
《二部》
~オペラ・アリアから~
プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」より「お聞き下さい」
 本居長世/白月、橋本國彦/百姓唄 Bar:旭 潔
プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」より「氷のように冷たい姫君様の心も」
 山田耕筰/待ちぼうけ、?/静かなる歌い手 Bar:旭 潔
ヴェルディ/歌劇「トロヴァトーレ」より「恋はバラ色の翼にのって」

【アンコール】
プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」

昨年と今年のサロンコンサートで演奏された拙作を聴いて気に入ってくださったソプラノ歌手の杉田明美さんが、ご自分のリサイタルで拙作を歌ってくださるということで加須へうかがった。300人収容の小ホールは大きさも音響もリサイタルにはちょうどよく、お客さんの入りも上々。隣の大ホールではなんとジュリーのコンサートが!

杉田さんの歌はとても温かく安定感があり、声が無理なく会場全体に響き渡る。日本語の詩をとても大切にして心を込めて慈しむように歌う。拙作の3曲では1曲ごとに田中さんの心を打つ美しい朗読が入り、3つの曲はお互いの関連はないのだが、ひとつの物語を聴いている感じがした。林さんのピアノは歌にぴたりと寄り添い、前奏も含めて丁寧に優しい色合いをかもし出していた。

後半では規模の大きなオペラのアリアを3曲取り上げた杉田さんの歌は最後まで声に疲れも感じさせず、これらのアリアが求める「パワー」も加えて見事に歌い切った。ゲストとして杉田さんの師でもある旭さんのソロが聴けたのも嬉しかった。旭さんの歌は回を重ねて聴くほどに内容の濃さが体に浸透してくる。淀みのない安定した発声は聴いていて気持ちもよく、杉田さんはこの旭先生の発声を見事に自分のものにしていることがわかる。

杉田さんのリサイタルは毎年行われ今年が5回目とのこと。毎回こんなに大勢のお客さんに恵まれている理由がわかる充実したリサイタルだった。

終演後は関係者による打ち上げに招んで頂き、リサイタルの司会を務めた篠原さんの加須市にまつわる興味深いお話や、旭さんの目から鱗ものの発声術のお話、拙作に取り組んでくださった杉田さんのお話などを聞かせて頂きながらおいしい料理とお酒を頂きました。ありがとうございました。

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