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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

矢野顕子×上原ひろみ「TOUR 2017 ラーメンな女たち」

2017年04月28日 | pocknのコンサート感想録2017
4月25日(火)矢野顕子×上原ひろみ
「TOUR 2017 ラーメンな女たち」

 ~昭和女子大学人見記念講堂(追加公演)~
曲目
ラーメンたべたい(旧)、東京は夜の7時、おちゃらかプリンツ、真赤なサンシャイン、ドリーマー、飛ばしていくよ
♪ ♪ ♪
トムとジェリー(上原)、スーパー・フォーク・ソング(矢野)、チルドレン・イン・ザ・サマー、こいのうた、ホームタウン・ブギウギ 、ラーメンたべたい(本気で食べたいバージョン)
アンコール
このアイロンに告ぐ、グリーン・ティー・ファーム


矢野顕子と上原ひろみのデュオコンサートは、2011年の矢野顕子さとがえるコンサート以来2度目。会場は、昔よく訪れていた人見記念講堂だが、このブログを始めてから12年以上、ずっとご無沙汰していた。外観も内装も変わってなくてなつかしい。

矢野顕子と上原ひろみは2004年以来ずっとデュオ活動も行い、CDもリリースされ、今夜はニューアルバムのリリース記念も兼ねた全国ツアー、東京での最後のコンサートとのこと。2人はとても通じあい、引かれ合うものがあるようだが、音楽の方向が同じというわけではない。ただ、音楽が生まれるレアなところで波長が合って、お互いに刺激しあっているのが伝わってくる。

ヒロミのピアノは相変わらずスゴい。激しいの、穏やかなの、濃厚なの、清らかなの、ウキウキ楽しいの・・・どんなシーンでも「ここまで極めるか!」と思うほど完璧で、徹底的にエキサイティングで徹底的に美しく、心にズンズン迫ってくる。

上原ひろみが超絶技巧で聴かせるピアノと言えば、激しくて熱い極限状態のこれでもか的な演奏で圧倒するイメージが強いが、ソロで聴かせてくれた「トムとジェリー」なんて、信じられない超絶技巧を駆使しながらも、楽しげで遊び感覚に溢れた余裕には恐れ入った。

ヒロミがアレンジした変幻自在で究極のパフォーマンス的なピアノがコンサートを盛り上げ、あっこさんの、いつもはたゆたう感じの自然な歌も、超ドラマチックに仕立てられる。あっこさんの歌が普段より大きな抑揚でエキサイティングで濃厚に聴こえ、ジャジーな歌い回しが益々興に乗っていた。

「興奮」という点では、信じがたいパフォーマンスを披露するヒロミに注目が集まるが、クセというものが入る余地がなく、若さ、エネルギー、新鮮さそのものが魅力で、色に例えると無色透明な感覚で攻めてくるヒロミのピアノに対して、あっこさんは歌もピアノも人生経験あってこそのクセのあるニオイや味があって、それが心をくすぐり、じんわりと入り込んで来たり、揺さぶったりする。ヒロミがあっこさんのために作詞作曲した「こいのうた」も、曲自体はニュートラルな美しさだが、あっこさんが歌うことで、そこにニオイや色が加わる。ヒロミが聴衆を直観的に興奮させたものを、あっこさんがあったかい空気で包んで、心に沁みこませ、家まで一緒に運んでくれるのかな。

いろんな魅力がたっぷり詰まったコンサートは、休憩を挟んで3時間に及んだが、あっという間に過ぎてしまった。ツアーのネーミングやMC、そしてエキサイティングな「新旧」の「ラーメンたべたい」で「ラーメン」が頭を駆け巡ったせいで、ラーメンが食いたくなり、奥さんと食べて帰った。

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト 「SPARK」ジャパンツアー 2016.11.16 EX THEATER ROPPONGI
矢野顕子 ふたりでジャンボリー 2016.9.2 新宿文化センター
矢野顕子×上原ひろみ さとがえるコンサート 2011.12.11 NHKホール
CDリリースのお知らせ
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~

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