3月16日(土) Strollong in Capetown
ケープタウンの朝が来た!
実は、ケープタウンもまた私の憧れの地の一つだった。
きっかけは、中学校の地理で習った気候分布図。
熱帯やら砂漠やらばかりのアフリカ大陸において、なぜか南の端っこだけが温帯の地中海性気候で、一体ここは何なんだろうと強烈な印象を残したのだった。
それがケープタウン。
ヨーロッパの人の保養地になっていると聞いて、日本人にとってのアフリカとの距離感と、欧州の人にとっての距離感は全然違うんだな、ということも思った。
それと同時に、「それならいつか自分も行こうと思えば行けるんじゃない?」とも。
東北の片田舎に住む中学生の自分には想像を超えた遥か遠くの地だったけれど、今、ケータイのGPSで現在地を示すとまさに自分がケープタウンにいる、ということに身震いしそう。
・・・が、天気は曇り。
霧が凄くて、あまり周りが見えないくらい。
でもガイド曰く、朝はこういう天気の日が多いのだそうだ。昼には天候が良くなることを祈りながら出発した。
朝一はドイカー島クルーズへ。
オットセイが住む島という触れ込みなのだけれども、島まで行かずとも港に既にオットセイが寝てる。。
なんて平和な光景。
それにしても寒い。朝早い時刻なうえ、霧だらけで天気が良くないせいだとは思うけれど、 船に乗るとますます風が冷たい。。
ドイカー島というのは、岩場だけの島。
そこに無数のオットセイがごろごろと寝転んでる。
(これだけいると、かわいいとも思えない。。)
霧で辺りが真っ白なのに加えて、波も荒くて、なんだかちょっとおどろおどろしい雰囲気のクルーズであった。
この後はいよいよ私がケープタウンで最も行きたかった場所、喜望峰に向かった。
途中、「MISTY CLIFFS」なる名前のとおり霧で真っ白になった海岸線を通ったり。
ダチョウと戯れたり(?)。
てなことをしながら走っているうちに、いつのまにかすっかり青空になっていた。
さあ来た!ここが、Cape of Good Hope、喜望峰だ!!
世界史の教科書で出てきた、バスコ・ダ・ガマとセットで習った、あの喜望峰だ!
喜望峰はアフリカ大陸の最南端だとずっと思っていたのだけれど、実は違った。最南端はケープタウンですらなく、アガラス岬という全く別の場所にあるそうだ。改めて地図を見て納得。
さらに、喜望峰はケープタウンから40kmほど南下したケープ半島にあるのだけれど、実は先端ではない。
喜望峰よりさらに先にCape Pointという場所があって、こちらの方が地理的には先端になる。
高台の上の灯台までは急な坂道になっているので、登りはケーブルカーで、下りは歩いて。
大西洋とインド洋を分かつ岬の先に、絶景が広がっていた。
仕事柄、船を見つけると興奮するタチなのだけれど、案外視界の中には船は見えてこなかった。
喜望峰周りってもっとバンバン船が往来してるもんだと思ったけれど、もう少し陸から離れたところを通ってるんだろうか。
標識によると、シンガポールから実に9,667km。随分遠くまで来ちゃったな。
日本までの距離はもっとか。
ちょうどお昼になったので、海辺のレストランでランチ。
思えば、昨日までずっと肉ばっかり食べてたけど、ここにきて初めてシーフードにありついた。
それで初めて、アフリカに来てから初の海だということに改めて気付いた。
さて、Cape Pointを離れると、ケープ半島を再び北上して、途中にあるボルダーズビーチに立ち寄った。
ここはペンギン天国!
野生のケープ・ペンギンが生息している保護区なのだ。
それにしても、アフリカでペンギンって全くイメージがないな。
まだ小さくてもこもこした毛が生えている子ペンギンが歩いてる姿とか、かわいくてかわいくてずっと見ていても飽きない
次はケープタウンまで戻って、テーブル・マウンテンへ。
海抜1000m以上あるこの山は、何かでスパッと切られたような平坦な形をした(しかも頂上部分がやたら広い)不思議な山。
その成り立ちが不明なこともあって、「新・世界七不思議・自然版」ってやつの1つにも選ばれているらしい。
結構巨大なので、全景のイメージを見てもらうことが難しい・・・けれど、少し離れたところから撮った写真も合わせてどうぞ。わかりにくいかなー。
頂上へはケーブルカーで登るのだけれど、海抜1000m以上あるので眺望は抜群。
片側からはケープタウンの街が見下ろせて、反対側からは南大西洋を一望できる。
雰囲気はビデオがわかりやすいと思うので、動画もどうぞ。
これで予定されていたガイドがつく観光はおしまい。
しかし、時刻はまだ16時。十分明るい。
ホテルのフロントの人に相談して、安全性を確認したうえで、ちょっと一人歩きをしてみることにした。
でも念のため、貴重品類は全部部屋に置いて、これまで撮ったデジカメのデータも保全するためにSDカードを差し替えて。
昨日から泊まっているHarbour Bridge Hotelという名のついたホテルは、その名のとおり、海沿いの運河の真横に建っている明るくてモダンな雰囲気のホテル。
朝出掛けるときには霧がすごすぎて周りがまったく見えなかったけれど、よく見たらホテルの前からテーブルマウンテンが見えるじゃない!
ホテルから歩いて15分ほどの場所にあるウォーターフロントというエリアに行ってみることにした。
レストランやショップが集まっている再開発地域で、警備もしっかりしているから観光客でも安心、らしい。
クルーザーが停泊していたり、レトロな建物が並んでいたりでお洒落な雰囲気。
よく考えたら、ここから撮った写真が一番テーブルマウンテンの全体像がわかりやすい写真かも。
いい感じのレストランもあったから、この辺で夕飯を食べたいなとも思ったのだけれど、ホテルへの帰り道が一部裏道っぽいところを通らなければならないので、さすがに暗くなってからホテルに戻るのはやめるべきだろうと判断して、断念。
ジンバブエで夜、ホテルの従業員と遊びにいくという暴挙に出たときとは慎重度がさすがに違う。如何せん、ここは路上強盗の多い南アフリカ共和国だからね。。
結局、ディナーはホテルのレストランで。
でも、ホテルのレストランの雰囲気も十分良くて、音楽もいい感じ。
シーフードも美味しく楽しめた。
これでアフリカ旅行もおしまい。
翌朝の便でシンガポールに帰る。
しかもヨハネスブルグを経由して(ヨハネス経由は3度目、もはやトラウマ笑)。
「アフリカ」ってだけでとんでもなくすごいところに行くようなイメージもあったけれど、よく考えたら、地理的に欧米からは比較的行きやすい場所で、場所によっては観光客だってたくさん来ているわけで。
何を求めて行くかにもよるけれど、無茶なことをせず、安全確保のためにかけるお金をケチったりしなければ普通の旅行先としてちゃんと楽しめるんだなってことがわかった。
(ウソです。一部、無茶しました。反省してます!)
これで私がシンガポールの旅行代理店に払ったお金は総額SGD8,654。
このとき、シンドルはいくらだったかな。いずれにしても60万円は下らないな。
1人で旅行して、しかもガイドをマンツーマンでつける形になるとこれくらいの金額にはなってしまうのだけれど、やっぱり行ってよかったと心から思う。
この後、1年間旅行は自粛。ミャンマー、ネパール、アフリカと4ヶ月の間に立て続けに行っちゃったから、もう仕方ないよね。
でも人生1回の中で海外勤務のメリットを生かせるチャンスはそうそうないし、それだけの価値はあった!と自信をもって言いたい。