トップにサービス終了の赤帯が出ているから落ち着きませんね。早く移動したほうがいいんでしょうね。
30Lのプランターで栽培している九条ネギに葱坊主がついてしまいました・・
春になると花芽が成長して葱坊主ができるので早めに収穫したほうが良いです。というのも放置していると固くなって味が落ちると言われているから。わたしは気にせずいただきますけれどね。
九条ネギは普通に流通している長ネギと何が違うのか。AIの答えを更に要約してみると・・
ネギの葉っぱは普通の野菜と大きく違っている点があります。葉の表と裏がわかりにくいし葉っぱの下に長く伸びている部分は茎なのか何なのかということ。
葉の分岐部分を拡大してみると・・
このように、中心で成長していくところを抱くようにして葉が出ているのですが、葉が分かれ出た後は普通の植物のように平らにならずに筒状になっています。分かりやすくするために、1cmずつカットして並べてみたのが・・
写真右が根の方向で成長の先端には花芽がついていました。これをみると分岐より下では中空の同心円が続いていました。葉の分岐より下、茎のような部分を葉鞘といい茎とは異なる器官です。本当の茎は根の近くにあって盤状に短いことから茎盤といいます。
分岐の最初は・・
- 葉鞘の一番外側を巻いている葉の一方向が厚みを増していき・・
- 同心円を解消しながら竹のような節を一つ作り筒状の葉を分岐させていました
- その次に、最初の分岐と反対方向で同じように二番目の葉が分岐していました
- それと同時に、葉鞘内部では三番目の葉と花茎が分離して同心円を解消していました
- 三番目の葉は一番目と同じ方向に分かれ出ていました
- これらの葉は全て本当の茎である茎盤と繋がっています
このように背軸面を外側に筒状になることから、葉裏が外に向いて筒になった単面葉と推測されました。さらに顕微鏡を用いて葉の両面を観察しました。
写真上は筒状になっている葉の外側、外気に触れている側を顕微鏡でみたもので写真下は筒の内側の面です。外側は小さな細胞が緻密に並んでおり、内側は大きな細胞が凹凸大きくあるように見えました。ここが「ぬめり」と甘みに関わっているのですね。
さらに、それぞれの面の表皮を剥がしとって顕微鏡で拡大すると・・
葉の外側表皮に多数の気孔が見られました。一方、内側では外側と細胞の並びや大きさが大きく異なっており気孔は観察できませんでした。外気に触れる外側だけに気孔があるのはガス交換の観点から当然のことと考えられます。
次に、葉の断面を顕微鏡で見てみると・・
葉裏に当たる外側に葉緑体を多く含む細胞、2〜3層で構成された柵状組織があり、内側には葉緑体を含まない白色の組織が観察されました。甘みのある「ぬめり」に関係のある部分です。維管束は、柵状組織の最下層からその下の白色の組織の間に観察されました。多くの植物は葉表側に柵状組織を発達させますが、ネギの場合は、光が当たるのが葉裏側なので普通とは逆になっていました。
流通している長ネギでも過去に同様のレポートしています。下方に再掲しているのでご参照ください。
ちなみに、タマネギでも見られますが、ネギでも葉を剥くと透明な薄皮が残ることがあります。薄く透明なため細胞の顕微鏡観察に適しているので見てみると・・
核はそのままでも顕微鏡で識別できますが、見やすくするため酢酸カーミンで染色しました。赤っぽく染まっています。
【まとめ】
- 九条ネギは分けつするタイプの葉ネギです。
- 根元を少し残して上部だけ収穫すれば多年草として長期間栽培できます
- 九条ネギの葉の内側の組織は甘みのあるぬめりがあり良い食味となっています
- 葱坊主が成長すると食味が落ちるので早めに収穫したほうが良さそうです
- ネギの本当の茎は根の近くにある短い領域の茎盤です
- 成長に伴って、葉鞘の外側を巻く葉から順番に分岐していきます
- 分岐した葉は分岐部に節を一つ作りその後は筒状に伸びます
- ネギの葉は背軸面を外側にして筒状になっていることから、葉裏が表に面する単面葉と考えられます
- 下記の過去レポートでは、維管束の配置からも、筒の外面が葉裏に当たると考察しています
- 葉裏には気孔が多数ある一方、内側の葉表には見られませんでした
- 葉裏側に柵状組織が見られました
- 酢酸カーミンでは核が赤く染色されます
以下、過去レポートの再掲です。
ネギ(ユリ科ネギ属)
ネギの葉について。葉は筒状になっており、他の植物の葉のように表裏の区別ができません。葉が分出する部分に注目してみますと・・
葉の出方からすると緑色に見える部分は葉の裏側のようにも思えますが、表側がどこから区別されるのかは全くわかりません。さらに、ネギの白い軸の部分を輪切りにしてみると・・
右側の輪切りがネギの下で、左にいくにつれて上の位置の輪切りとなります。葉の起源となる薄緑色の輪が見えました。一般の単子葉植物では軸を抱くように弧状の葉が次々分出するのに対してネギではその弧が閉じて輪になっていました。葉の先端を輪切りにして顕微鏡で観察したのが・・
サフラニンO染色をしてあります。葉の外側に篩部、内側に導管の配置となっていました。この特徴は筒状の葉のどの部分でも同じでした。
対照として双子葉植物のタケニグサ(ケシ科タケニグサ属)の顕微鏡写真を見てみますと・・
茎の輪切りが写真左で葉の葉脈断面が右です。タケニグサを始め一般植物の茎では外側に篩部、中心側に導管が配置されています。一方、葉の維管束では表側に導管が、裏側に篩部が配置されています。これにより維管束の観点から、ネギの葉は見える部分全て葉の裏側ということになり、筒状の葉の内側が表と言えます。この様に、一面だけしか表に向いていない葉を「単面葉」といいます。
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