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ポータブルなのに重量級!光城精工の真鍮ポタアン「KM01-BRASS」

2013年04月13日 | オーディオ製品
【光城精工】








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■「重いは正義!」…そんなハイエンド精神が宿るかのような“重厚ポータブルアンプ”が登場

ハイエンドなオーディオ・コンポーネントの世界においては、「重いは正義!」が一要素として成立している。筐体に厚い鉄やアルミを使うことで、筐体を頑強にして振動を抑えられるし、外来ノイズの侵入も抑えられる。逆に言えば、そこを追求すると重厚な筐体にならざるを得なくなるのだ。もちろんそういった手法に頼らずに高音質を追求し実現している製品もあるが、「重いは正義!」もひとつの事実として動かしがたい。

しかし「重いは正義!」があまり通用しない分野もある。それはポータブル製品。だって重いものは持ち歩きたくないよというのが普通の感覚だろう。

だが、世の中にはその普通の感覚を失ってしまっている人種もいる。ポータブルプレーヤーとポータブルヘッドホンアンプを二段重ね体制で持ち歩くことが日常と化した、重度のヘッドホンマニアはその一種だ。だったらそういう人種に向けては、ポータブルであっても「重いは正義!」が通用するのではないだろうか?

■真鍮削り出しボディで、「重厚で煌びやかな音」を生み出すモデル
このアンプの筐体は曰く「真鍮の塊りから削り出して作られた高品位重量級ボディ」だ。手にすると、明らかに、異様なほどに重い。これが「重厚で煌びやかな音」を生み出すという。

例えばポータブルアンプの重量といえば、普通の感覚では十分すぎる頑強さを感じさせる筐体でありながらUSB-DAC機能も内蔵しているソニー「PHA-1」でも約220gだ。

しかしコレはそれよりも小型で、アンプ単機能でありながら325g。小さいのに重いので、体感的にはよりずっしりと感じる。まさに重量級だ。力一杯投げたら凶器になり得るという感覚が手に伝わってくる(※注:投げてはいけません)。

また裏蓋と電池収納部分の蓋以外は一体で削り出されており、そのことで筐体の頑強さはさらに向上している。

ちなみに真鍮=ブラスといえば金管楽器を中心に楽器の素材としても用いられている。そのことから本機の筐体には、その頑強さで振動を抑え込むだけではなく、綺麗に響くことで振動を有害なものとしないという効果もある…というのは僕の推測だが、そういったことも期待させるような手応えを感じさせる筐体だ。

そして、その存在感は重さだけから発せられるものではない。仕上げにも主張がある。
■使い込むほど渋みを増す筐体仕上げ - TSUGARUは漆塗りの特別モデル

まずKM01-BRASSは塗装等による保護処理や防錆処理をせず、真鍮の地肌を露出させている。これによって新品のときには輝きを放っていた筐体が、使い込んでいけば傷や酸化によって渋みを増すというのがメーカーの狙い、曰く「エージング」だ。

僕はこの狙いには大いに賛成。長く使い込んでいける製品こそ、使い込んだ際に味わいが出るものであってほしい。古くからのカメラ趣味の人には、カメラの金属ボディの塗装の剥げ具合のかっこよさなどを思い出してもらいたい。…いや僕自身はカメラ趣味の人ではないのだが、何というかフィーリングとして。

そしてKM01-TSUGARUはさらにスペシャル。KM01-BRASSに漆塗りを施した、贅沢かつ侘び寂びを感じさせるモデルだ。








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しかも青森県平川市の津軽塗職人である長尾武光氏の手によるこの漆塗りは、普通の漆塗りではない。氏が独自に編み出した技法「漆華つがる(はなつがる)」によるものなのだっ!

…例によって「っ!」と叫んでしまったが、もちろん僕自身もその技法は今回初めて聞いたし初めて目にする。以下にメーカーの解説を要約させていただく。

漆華つがるは伝統的な漆塗りの技法に加えて泡を使って模様を生み出す技法で、その名の通りに華のような模様が特徴。光の具合によって立体的な模様が浮かび上がったり、ワニ皮のようにも見えたりと、多彩な表情を持つ。

実際に実物を見ると、何と表現したらよいのかわからないほどにその表情は豊かだ。ホログラムのシールのような(僕と同じ30代中盤の方には、ブラックゼウスや魔肖ネロみたいなアレというと伝わるだろうか)七色の反射を見せたりもする。

KM01-TSUGARUは試作版とのことで、筐体はアルミ製とのこと。実際手にするとKM01-BRASSよりも軽い。製品版は前述のように、KM01-BRASSと同じ真鍮製の筐体に漆塗りが施される。

さてこれらのモデル、KM01-BRASSは300台限定生産、KM01-TSUGARUは完全受注生産で納期は三ヶ月以上。それだけ手間のかかる製品だということだろう。

■まずは内部仕様をチェック! 手抜かりのない回路構成

電源部は、通常は1個で済む電解コンデンサーをデュアルドライブ構成にしている。本機の電源は単4乾電池1本で電圧が低く、通常であれば中低音の駆動力に弱みが生じる。コンデンサーをデュアルドライブにすることで、それを補っているとのことだ。

なお、電池駆動時間は約14時間。特に長いわけではないが十分ではあるし、単4電池1本なら予備を持ち歩いても邪魔にならない。

アンプは前段に低電圧駆動オペアンプ、後段にダイアモンドバッファ回路という二段構成を採用。これはそれほど特殊な回路構成ではないものの、特に後段のダイアモンドバッファ回路は正確に動作させるためには綿密なチューニング(抵抗の配置や値の調整など)が必要とされる。しかしそこを満たしている本機においては、両段の長所を共に生かして、クリアで臨場感のある音像を実現しているとのこと。

■音質チェック!

では、いよいよその重量級の筐体と手抜かりのない回路が生み出す音をお伝えしていこう。お借りしたKM01-TSUGARUの方は、前述のように試作版で製品版とは筐体材質が異なるので、KM01-BRASSを中心に試聴した。試聴環境は、iPhone 5→KM01-BRASS→SHURE「SE535」。

最初に印象をざっとまとめると、音場の背景の静かさ(ノイズ感の少なさ)によってひとつひとつの音色やその響きがより生かされることと、その音色の中に硬質さと柔らかさが兼ね備えられているところが、このポータブルアンプの持ち味と感じた。

上原ひろみさんのピアノ・トリオのアグレッシブな演奏を楽しめる「MOVE」の冒頭のピアノは、心地よくキンと来る硬質さ。それでいて音色の角のほどよい丸みも生かされ、艶がある。そして前述のように背景がとても静かなので、そこに鳴らされるピアノの輝きが実に美しい。曲の始まりの緊張感と美しさが共によく表現されている。

同じく冒頭のライド・シンバルは研ぎ澄まされて薄刃。この音源のこの場面では理想的な描写だ。リズムを細かく刻むハイハット・シンバルはピシッと芯が通っていつつ、音色の周りにふわっと広がる柔らかな響きも感じられる。これもこの場面には適当な感触で、精密でありながらカチッとはしすぎないで、しなやかなグルーヴを生み出している。クラッシュ・シンバルの強打はバシャーンの「バ」の濁点をあまり強くせずに、透明感のある音色だ。ロック的な荒さは少し弱まるが、これはこれで魅力的である。

ドラムスの太鼓類はアンプの力でしっかりと制動され引き締められているが、ガチガチにタイトではなくて、柔軟性もある太さや豊かな空気感も生かされている。空気感の豊かさについては、無駄な響きや膨らみが抑えられているおかげで本来の響きの成分が見えやすくなっていることが、それを生み出しているのだと思う。太鼓はアタックに鈍りや強調がなくて実に素直なところもポイント。

エレクトリック・ベースはがっしりと密度感のある音色で、アタックや音程感も明確。このあたりの感触はまさに重量級金属筐体の手応えから想像できるそれだ。細かなフレーズでの粒立ちもよく、これもグルーヴの正確な再現に一役買っている。

全天候型ポップ・ユニット、相対性理論の「ミス・パラレルワールド」でも、シンバルの透明感は感じられる。この曲のハイハット・シンバルはザクザクと荒い迫力の音色で全体を引っ張る。しかしこのアンプで聴くとその荒さは少し控えられて、やや落ち着いた音色になる印象だ。だがハイハットの開閉のスチャッというキレの良さは文句なし。

倍音感が非常に豊かな女性ボーカルは、その倍音のシャープさ(子音の刺さりなど)は強くは出さずに、ふわっとした感触の方を強く出す。声を張っているわけでもないのにアンサンブルの中での声の抜けが実によいという、やくしまるえつこの歌声の特徴もしっかりと再現。シンバルにせよ声にせよ、高音が綺麗に伸びて綺麗に響いていることが、こういった感触を生み出しているのだろう。

■試作アルミ筐体の「KM01-TSUGARU」の音は?

最後に参考までに、試作アルミ筐体のKM01-TSUGARUも聴いてみた。

するとピアノの硬質な艶、ライド・シンバルの鋭さ、ベースの輪郭の明確さといった部分で、真鍮筐体に一歩及ばない感がある。何というか、少しだけ甘いというか緩いというか、そんな感じだ。一方でベースやドラムスの量感は、アルミ筐体の方が豊かと言えるかもしれない。筐体によって音はやはり変わるということを実感できる面白い機会だった。

というわけで、超重量級筐体と凝った仕上げが特徴のKM01シリーズをチェックしてきた。まずモノとしての存在感が濃密だし、それに負けずに音も良い。ポータブル機としての実用面で言えば重さはやはり弱点なのだが、「音さえよければ重さなんてのは些細な問題だ!」というマニアの方は、チェックして損はしない製品だろう。
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